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市内RPG

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福井丘県子郡市。市役所発の魔王討伐に、高校生勇者がゆるーーく挑む。不定期連載中。
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#市内RPG

市内RPG 63 闘技場に立つ 

戦士ヤスと魔法使いヒラ、僧侶カナ、勇者のぼくは、闘技場に立った。 闘技場は、体育館の半分。バスケットコートと同じ広さである。 いや、バスケットコートである。 白い帽子をかぶり、紺のスーツを着たおじさんたち4名が、審判のようだ。 3名以上が戦闘不能とみなした場合に、退場が告げられ、全員が退場すれば負けである。 「こちらに並んでください。」 主審のおじさんが、紅白の旗で、整列する場所を指し示した。 ぼくらは、少し緊張しながら、整列した。 馬場たちと対面して、並ぶ。 「あほ

市内RPG 62 副賞は退魔の剣

小原合戦武道大会の開会式。 紺のスーツ、七三分けの男の人が会を進める。 「それでは、加治山沙織市長からのご挨拶です。」 うすいピンクのジャケットにパンツ。メガネのフレームもピンク。そしてピンクの口紅。 そのピンクまみれの女の人は、マイクの前に立った。 「ご紹介に預かりました加治山にございます。小原武道大会の開会にあたり、一言ごあいさつ申し上げます。ここに集まりし勇者諸君、魔王の力は絶大です。ぜひとも、仲間と力を合わせ、力と技を磨き、子郡市の安全と平和のため、力を尽くして

市内RPG 61 小原合戦武道大会、始まる

小原合戦。 今から、1000年ほど昔、響都にあった牟呂町幕府が北朝と南朝に分かれて争っていた。遠い場所での争いのはずだったけれど、その火は、ここ子郡にも飛んできたそうだ。 子郡の豪族だった大朋氏と菊智氏。2つの豪族はそれぞれ北朝と南朝につくことになった。そして、北朝についた大朋氏と、南朝についた菊智氏が、筑五川沿岸のこの子郡の地・小原で戦ったのだ。 戦いの末、菊智氏が大朋氏を破って、この地方を制覇することになる。 その古い史跡にちなんだ武道大会が「小原合戦武道大会」である

市内RPG 60 カッパ4人衆

「これがカッパかーーーー」 戦士ヤスが、おかっぱ頭の4人を見て、拍子抜けした声を出した。 「失礼ね。これは、ボブって言うのよ。」 1番背が高い女性が応えた。180cmくらいはある。30代かな、40代かな。母さんよりは若く見える。 「こちら、背の高い順に、白烏ダンススタジオの白烏さん、黒鈴目さん、青木字さん、黄和士さん。」5cmずつ、小さくなっている・・・。 「よろしくーーーーー。」 4人は、声をそろえて言った。 「・・・・よろしくお願いします。」 ぼくらも、おそるおそる

市内RPG 59 カッパに出会う

早いもので土曜日になった。 いつもの二師鉄子郡駅前に集合した。 「大穂駅の改札にこいつが引っかかって、大変だったーー。」 戦士ヤスは、ベリービッグコンパスを担いできた。 「どんどん武器が大きくなってるから、気を付けないとね。」 魔法使いのヒラは、6色ペンの杖を振り回しながら言った。 「そう、そう、周りにも迷惑だから気を付けてよね。」 僧侶のカナも、それに同調した。 4人、そろったので、今日の行き先を決めることになった。 「もう来週が武道大会よ。装備も新しくなったし、力試

市内RPG 58 ライバル再び

ぼくら、レベル16の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 今日は、「シックスバリュ」でお買い物だ。 装備を買い終えたところで、声をかけられたのだ。 「装備ばっかり立派でも、魔王にゃ勝てないぜ。」 振り向くと、4人組が立っていた。 背の高い馬場、カリアゲ女子のルミ、日焼け坊主の井上、太っちょメガネのライト。 コイツらも勇者一行なのだ。 「あら、あんたたち、まだ勇者やってたの?」 ル

市内RPG 41 扉の向こう

レベル11のぼくら。勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。市役所で勇者登録をし、魔王討伐の旅を続けている。 子郡市のエオンショッピングセンターのダンジョンを探索中だ。ここでは、ドラゴンから逃げ、トーテムポール提灯を倒し、魔法使いの将棋を制し、扉を守るゴーレムを倒した。 拾ったペンダント2つを重ねると、円形の枠に「子」の文字があらわれた。それを扉のくぼみに押し込むと、それはゆっくりと開いたのだ。 奥にうっすらと緑の光が立ち上っているのが見えた。とりあえず、ペンダン

市内RPG 49 メダルスライム

ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 1か月後に開かれる「小原合戦記念武道大会」では、優勝者に賞金10000円と退魔の剣が与えられることを知って、僧侶カナのおじいさんのお兄さん「天狗」に2泊3日の修行をしてもらった。ボート漕ぎと早口言葉だけだが、、、。 そして、いよいよ3日目。ぼくらは、試練のほこらに挑む。 ほこらの中に入ってすぐ、スライムに遭遇した。 頭に銅色の

市内RPG 51 疲れ回復「マカ」

ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 1か月後に開かれる「小原合戦記念武道大会」では、優勝者に賞金10000円と退魔の剣が与えられることを知って、レベルアップのために修行することに決めたのだ。 修行してくれたのは、僧侶カナのおじいさんのお兄さん。自画自賛の「天狗」だ。修行の場所は、子郡市の花盾山。ボート漕ぎと早口言葉だけが鍛えられた、、、。 そして、3日目にして、最

市内RPG 52 回復の泉⁉

ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 1か月後に開かれる「小原合戦記念武道大会」では、優勝者に賞金10000円と退魔の剣が与えられることを知って、参加することを決めたのだ。 今は、僧侶カナのおじいさんのお兄さんの「天狗」のところで修行して、試練のほこらに挑戦中。 素早く動く銅メダルスライム、銀メダルスライム、魔法で分裂する金メダルスライムを倒し続けて、奥へ奥へと進ん

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市内RPG 54 天狗との死闘

ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 僧侶カナのおじいさんのお兄さんの「天狗」の修行を乗り越え、試練のほこらに挑んだのだ。ほこらの奥から、牛の置き物を帰ってきたところで、天狗にそれを奪われた。 「返して、天狗さん。」カナは叫んだが、天狗の目が青く光って、聞く耳をもたない。 「ほこらに入るときは、ただのじいさんだったのに。」戦士ヤスがマもの星竿を構えながら、言った。

市内RPG 55 レベルアップアップ!

ぼくら、レベル11の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 僧侶カナのおじいさんのお兄さんの「天狗」の修行を乗り越え、試練のほこらに挑んだのだ。ほこらの奥から、牛の置き物を帰ってきたところで、青くなった天狗にそれを奪われた。戦っていたら、突然、天狗が倒れたのだ。 「これはどうしたことじゃ。」 天狗は、仰向けになって、空を見上げながらつぶやいた。 天狗の色が人肌に戻っている。 「まだ気分

市内RPG 56 シックスバリュへ

ぼくら、レベル16の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 花盾山で、メダルスライムをたくさん倒した修行の帰り、戦士ヤスがこう言った。 「明日、エオンに武器を買いに行かないか。」 次の日、10:00。二師鉄子郡駅集合。 「エオンにはこの前行ったじゃない。他の所へ行こうよ。」僧侶カナが提案した。 「いいけど。どこ?」魔法使いヒラが尋ねた。 「シックスバリュよ。」 「シックスバリュ?あそこに

市内RPG 57 新しい武器と防具

ぼくら、レベル16の、勇者、戦士、魔法使い、僧侶の高校生パーティー。子郡市役所で勇者登録をして、魔王討伐のために、子郡市内をうろうろしている。 報酬も貯まったので、昔はスーパー、今は6属性の武器防具店の「シックスバリュ」に来ている。 それぞれが買い物をして、出口に集まった。 まずは、戦士ヤス。レベル16。 武器:マもの星竿から、ベリービッグコンパスに。 武器として開発されたコンパス。グリップから二股に分かれた槍と斧が敵に強烈なダメージを与える。 防具:金色の麦藁帽。金色