見出し画像

『組織』とは『感情のある人間たちの集合体』。

この時期になると会社によっては次期戦略に合わせて大きく組織改編が行われることも多いでしょう。企業として目指す目標の達成に向けて、うまくいっている組織はそのままでも良いんでしょうし、うまくいっていないところは改編(縮小や統廃合など)の必要がでてくるでしょう。それに合わせて社員も昇降格や異動などが行われます。

D2Cdotでは僕が社長になった際に大きく組織改編(事業体制から職能体制への変更)を行いましたが、それ以降はさほど変えていません。現時点ではいまのフレームでうまくいっており、あまり細かく分けずにざっくり大枠の枠組みになっているので、なにかが起きても多少のカスタマイズ(チームやユニットをつくるとか)で対応ができているからです。

会社を構成する『組織』は『感情のある人間たちの集合体』です。
このため、人によってその改編が喜ばしい場合とそうではない場合がでてくることでしょう。組織改編をする際にはここに気をつけないと『上の人たちだけで考えた机上の空論』になりかねず、結果としてうまくいきません。
経営者やマネージャーは『会社がやりたいコト』と『社員がやりたいコト』の方向性をできるかぎり合わせていくことが大事ですね。

組織改編においては『どのように組織を改編するか?(ハコ)』とそこに関連する『人材の適材適所の配置』が大きな要素としてあります。
ハコをつくり、それを動かすための人材が配置されて初めて『組織』は成り立つので、今回はここをテーマにD2Cdotではどのようにやっているかも含めて書きたいと思います。


組織改編』はもちろんなにかしらの『目的』があって行われます。
新しい事業を行うための『新規事業部門立上げ』かもしれませんし、事業として厳しい状況にあるための発展的な『縮小や統廃合』かもしれません。
いわゆるこれは『ハコ』の話ですね。

『ハコ』はあくまでも目的にそって必要なので改編するのだから、まずは『誰を』などといった『人』のことは考えずに、どのような構造(目的/役割/目標/関連部門等)の『ハコ』が必要かを考えます。『人』から入ってしまうと、その人がいないと成立しない組織になりますし、その人のスキルにひっぱられてしまうからです。『ハコ』をつくるのは『人』のためではなく、あくまで『事業』のためです。

『ハコ』の構造が明確になったら、そこを担当してもらう人材を検討します。一番大事なのはもちろん『責任者』ですね。責任者はスキル等の適性はもちろんのこと、その『ハコ』のミッションに対しての情熱がある人じゃないといけません。また、責任者は基本的に1名にして指示系統と責任を明確化させることも大事です。そして責任者が決まったら所属するメンバーも選定~決定していくという順番になると思います。

僕は『ハコ』が成功するかどうかはもちろん綿密な戦略や計画も重要だとは思いますが、結局は『人』次第だと思っています。・・なので人選はもっとも重要なポイントです。責任者はミッションに対して情熱を持っている人でなければいけないと思うし、そこに所属するメンバーもしかりです。
※もちろん情熱だけで結果をだせるわけではないので、結果責任を求める期限を決めることも必要です。

このため、個人的には本人の意思を無視してトップダウンでやらせるというのは否定的です。組織改編の発端は会社の都合であっても、最終的には担当するメンバーたちの意志でその『ハコ』を推進していくという状況にもっていけないと、結果としては失敗すると思います。
このため、担当してほしいと思っている人材に対してはきちんと説明をして『その気』になってもらう必要があると思います。

本人たちに『その気』になってもらうためには、メリットを提示すべきだと思います。いくら会社の指示であっても自分にとってなんのメリットもなければ真剣にやらないですよね。それは本人にとってメリットと思えるものなら『評価』でも『経験』でもなんでも良いと思います。

また、仮に複数の部署と連携しなければ業務を遂行できないようなミッションになっているのであれば、各方面に対してのメリットも検討するべきだと思います。当事者たちの『無償の奉仕精神頼りの取組みでは成功確率は低くなると思うので、参加する人たち全員がメリットのあるように配慮してあげる(三方良しの精神)のが成功の秘訣かと思います。「会社の指示だからやってくれ」だけでは無責任だと思いますし、成功させることが目的なんだからそのお膳立てをきちんとやるのが経営者やマネージャー側の責任だと思います。

事業を成功させるのも失敗させるのも結局は『感情のある人間』ですから、気持ちよく何の迷いもなく業務にあたってもらえるようにしたいですね。


責任者及び所属メンバーの『人選』については当たり前ですが『その組織のミッションを成功に導ける人』が選定基準ですよね。上記で何度も書いているように情熱をもって業務に当たれる人が社内にいればベストですが、いないのであれば社内にこだわらずに新規で採用をした方が良いと思います。

稀に、無理やり社内の人を新組織に割り当てて、結果失敗している例をみかけますが、それでは成功をすることが目的なのか、社内メンバーの働き先を探すのが目的なのかよくわからないです。組織改編はあくまで次につながる成功を勝ち得るためにやるべきものであるという目的をブラさずに現社員にこだわらずにベストなメンバーで組み立てるべきだと思います。


社員によっては組織改編によって異動や出向をお願いされる場合もあると思いますが、D2Cdotではここも基本的には上記と同じ考え方です。
本人にやる気があるのであればOKで、なければ無理にはやらせません。
弊社の信条は『(会社の方向性に合っている範囲で)社員のやりたいことをやってもらう』ことであり、それが結果としてもっともパフォーマンスを発揮できることだと思います。社内にやれる人がいないなら新規で採用をするだけです。

稀に『社員は会社のいうことを聞くべきだ』という発想の経営者やマネージャーをみかけるときがあります。そういう会社の企業文化を必ずしも否定するわけではないですが、弊社は会社と社員は『互いに適度な緊張感をもって極力対等の立場でいるべき』だと思っていますので、あまりそういう方針は採用しません。

売手市場の現代では、社員も『この会社は自分に合わない』と思ったらあっさりと転職します。僕らの業界のような『手に職をもっているクリエイティブ系の人材』が中心に活動している企業ではなおさらこの課題に直面しています。会社都合でこれまで積み重ねてきたスキルを捨てさせられて、全然興味もない仕事につかされるくらいならそりゃ転職を考えることでしょう。

・・なので、改編する側も社員を単なる『駒』と考えずに『ひとりの感情ある人間』としてとらえ、その辺のリスクを覚悟したうえで組織改編は検討すべきだと思います。担当する人がいなくなってしまったら、そもそもやりたかったことなんてできないんですから。

もちろん、会社として本人が嫌がることでもどうしてもやってほしいこともあると思います。その場合はきちんと説明して本人に納得してもらう必要があります。強引なトップダウンで会社の都合だけを押し付けても、本人が納得してやっていないのであれば、結果としては失敗する可能性が高いでしょう。そうなるくらいなら、新規で採用をした方が全然成功確率は高まると思います。


『人材の適材適所の配置』という視点でいうと、本人の適正によって現職で結果を残せていない場合の異動や出向は少々上記で記載してきたパターンとは違うかもしれません。この場合はいくら本人が嫌がっていても結果を残せていないのであれば適材適所の観点から異動等は考えなければいけません。
その場合は現状の課題点といまのままでは厳しい評価になることを当人に伝えたうえで、まずは当人の意向を聞けばいいと思います。奮起して結果を残せれば良し、継続して結果を残せていないのであれば、そこは本人のためでもあるので強制的に異動をさせることは致し方ないと思います。


組織の成長のためには組織改編は適宜行う必要がありますね。
ただ、それを遂行するのは感情のある人間です。
D2Cdotでは『会社がやりたいコト』『社員がやりたいコト』の方向性を合わせることや、どちらか一方だけに偏りがでないように気を遣っているつもりです。それが結果としては会社の業績につながっていくし、社員の会社に対する満足度につながっていくと思っているからです。
※どうしても双方の考えが合わないのであれば、それは『相性が悪い』関係値なんだと思います。

もちろんすべてにおいてその考えでキレイにおさまるものでもないと思いますが、基本方針はブラさずにやり続けることが大事だと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?