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白旗をあげられる環境をつくる。

優秀な人材には責任ある役割をお願いして大きな結果を残してくれることを期待するものです。そして任された側は期待に応えるべく活動し、結果を残してさらに大きな仕事に取り組んでいく・・というのが理想的な循環です。

しかし、世の中そうすべてうまくいくこともなく、もちろん失敗する場合も多々あります。このときに勇気を出して撤退できるか、そのまま続けてさらに被害を大きくしてしまうかは大きな分かれ道になります。
※途中で改善して成功に導ける場合もあるのでいつの時点で失敗と判断するか難しいところですね。


果敢にチャレンジをしてもらうためには『心理的安全性』といわれるように、任せる側は『白旗をあげられる環境をつくる』ことが重要です。
※どんな失敗をしても責任を問わない、という意味ではありません。

任されている当人は成功させるために頑張るでしょうが、(自身もわかっているのに)あきらかに勝ち目がないのに頑張り続けてしまう人がいます。
それはもちろん『期待に応えたい』という想いがあるからでしょうし、仮に「すいません、自分には無理です」と言ってしまうことにより、自分の評価が下がることを恐れるがゆえということもあります。

このため、上司がちょっと不安になって「大丈夫か?」と聞いても、「大丈夫です、引き続き頑張ります」となり、上司側も「そうか、それなら頑張ってくれ」といったやりとりが生まれ、結果として大きな被害となってしまう場合があります。
※上司から見ても明らかに失敗が見えてしまう場合は、そうなる前にトップダウンで担当を変えるなり、中止するなりの決断をしないとダメでしょう。

なかなか自分から白旗をあげるというのは難しいことですが、でも明らかに続けても失敗がみえていることなのであれば、やはりそこは被害を最小限に抑えるためにも勇気をもって白旗をあげるべきだと思います。
そして、上司はその勇気を称えるようにしないと誰も白旗をあげることなんてしないので、普段から「果敢にチャレンジしたうえでの失敗であれば責めない」という文化をつくっておくべきだと思います。
※もちろん、やるべきことをやったうえで、という条件が付きますけど。

D2Cdotではマネージャーに「チャレンジしたうえでの失敗は責めずに、むしろ称えるように」と伝えています。誰もが一歩を踏み出すことを躊躇してしまう傾向にあるなか、何かしらの動きをしただけでも褒めるべき。
そこで仮に失敗したとしてもいい経験になりますし、そのやり方が間違っていたということを学べただけでも会社にとってはひとつの財産になります。
今回は失敗して仮に現ポジションを失ったとしても、再度学んでもう一度挑戦すればいいだけです。一度失敗しても再度チャンスがあると思えるだけで、チャレンジに向けた障壁みたいなものは低くなると思います。


失敗する理由は本人のスキル不足であったり、任命した側の目利きが悪かったりなどそれこそ千差万別で挙げるとキリがないでしょうが、取り組んでいる最中は常に目標としているGoalと自身の実力(任命した人は任せている人の実力)を照らし合わせながら、成功確率を意識して取り組む必要があるでしょう。

うまくいっている人にはそのまま任せ続ければ良いのですが、うまくいっていない人に対しての対処方法はどのような状況かによって変わってきます。

細々とした失敗はみられるものの、きちんとGoalに向かって進んでいるようであればそれは必要な失敗の経験なのかもしれません。
何の失敗もなく常に成功している人なんていないのですから、方向性を誤ったうえでの失敗でないのであれば、『①成長過程における失敗』として当人の成長のためにもそのまま任せるのが良いと思います。

問題にすべきは『②明らかに間違った方向性の失敗』や『③何も動かないが故の失敗』です。
②については行っている施策が明らかに成功に向かっているものではないと判断できる失敗ということ。これはアドバイスすることで改善できるのであれば良いですが、人の意見に耳を傾けなかったり、何度も同じ失敗を繰り返すようだと『適正がない』と判断した方が良いでしょう。

③は動きが悪い(進捗が遅い)、なにもしていない、ということです。こちらは最も悪い状況ですので、早々に『適正がない』と判断すべきです。
稀に「どうやればいいのかわからなかった」と事後に言い訳をする人がいますが、それなら適宜相談をすればいいだけのこと。それすらしていないのであれば、やはり『適正がない』と判断されても仕方ないでしょう。

また、①~③すべてにいえますが、失敗の原因を自己の反省なく極端に他責にしてしまう人も『適正なし』と判断して良いと思います。こういう人は失敗からなにも学ぼうとしないので大きな仕事はできないでしょう。

要するに、頑張ったうえでの失敗ならOKで、責任逃れの言い訳ばかりの人や怠惰のうえでの失敗は許さないということを徹底することが大事なんだと思います。


よく「うちの会社の社員は挑戦をしない」とか嘆く経営者やマネージャーがいますが、その前に組織がチャレンジができる(許している)環境にあるか?ということを見つめなおすべきだと思います。責任を追及することが必ずしも悪いとは思いませんが、度が過ぎると委縮して誰も挑戦なんてしなくなります。

チャレンジを促すためには『失敗しても再度チャンスが与えられる環境』『安心して白旗をあげられる環境』『チャレンジが成功すれば見返りがきちんとある環境』などといった要素がそろっている必要があります
上の人間がただ「チャレンジしろ」といってもなかなかできるものではありません。そういう意味では組織の評価は減点評価ではなく、加点評価の方が良いんでしょうね。

D2Cdotもまだまだこういった環境が浸透しているとは思いませんが、うまく会社の環境を使いこなせる社員が増えていってほしいと思います。

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