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『面白い人』を採用する。

前職でマネージャーや代表を務めていた際に採用の基準として『面白い人を採用する』ということを心掛けていました。スキルや人柄も当然重要なのですが、それと同じくらい「何か面白そう/面白いことをやってくれそう」という直感めいたものも大事にしていたのです。

これは当時の親会社の代表の考え方でもあったのですが、自分もその考えに共感していたので自分の採用基準にも取り入れさせてもらっていました。

ここでいう『面白い人』というのは別に話が面白いとかそういうことではなく、僕ではできないことをやってくれそうな人であったり、僕には考えもつかないことを考える、言う、行動するような人を指します。

自分と似たような考えや行動をする人だけを集めていては組織はいずれ膠着化していきます。ましてや「YESマン」だけの集合体なんて最悪です。
組織とは多くの人が集まって形成されるもの。自分とは異なることができる多様な人たちが集まり、ぶつかりあって生まれるケミストリーによって組織は予想外の進化をしていくし、その方が会社の将来としては未知数な領域が多くなって楽しめるというものです。自分の予想通りのことしか起きない組織ではつまらないですから。前職のD2Cdotも意識的にそういう人を集めたことにより、僕が思い描いていなかったような活動をすることができました。


『言うは易し』ですけどもちろんメリットだけではありません。『面白い人』はある程度尖っている部分がある一方で、どこか抜けている部分もある人が多いです。そして我が強い人も多い(苦笑)。でもそういう人を上手に活かすことこそが経営者やマネージャーの力量といえるのではないかな、と思います。
・・かといって自分勝手なことを許すというわけではありません。あまりにも我が強すぎて協調性のない人は『面白い人』とは思えず『面倒な人』になってしまうでしょう(苦笑)。『面白い人』と思える人には愛嬌があると思うので、そこがあるかどうかが『面白い人』と思われるかどうかの分かれ道かなと思います。

では『自分は普通の人』だと思っている人はどうなるでしょう?大丈夫です。『面白い人』たちの集合体の中ではいわゆる『普通の人』もある意味レアキャラになります(苦笑)。・・といってもちゃんとひとりひとりの個性に見つめ合えば意外と『普通の人』なんてそんなにいないと思います。


『面白い人』たちは強制的になにかをさせられることや管理監督をされることを嫌がる傾向にあります。個性を発揮して活躍するタイプの人が多いので、みんなに画一的に統一されたルールを強いられることに苦痛を感じる人が多いのでしょう。このため僕は極力ルールというものは敷かずにできるだけみんなが自由に動ける環境にしていました。その方が彼らにとっては実力を発揮しやすいからです。なので、やってほしいこと(Goal)は伝えましたが、やり方については各々に任せていました。やってほしいことは『会社との約束ごと』になりますが、どのようにやるかは本人の責任において任せる、という感じですね。

このため、先述のように『面白い人』を活かすには経営者やマネージャーたちの力量も試されます。マウントをとりたがって自分の指示に従ってくれない人を嫌う人からすれば『面白い人』というのはある意味『面倒な人』になってしまうでしょう。人を活かすためには経営・マネジメント側にもある程度の忍耐力や包容力が必要になってくると思います。


自分が所属している組織が自身の予想の範囲内の動きしかしていない場合や、昨年やっていることとたいした変化をしていないときなどは『面白い人』がいなくなっているのかも?と思うと良いかもしれません。その際は刺激策になりますが、あえて『面白い人』を見つけて採用をすると、今までと違った化学変化を起こす起爆剤になってくれるかもしれません。

組織を成長させていくためには既定路線のことばかりやっていてはいけないので、あえてこういう施策を取り入れるということを考えていきましょう。

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