見出し画像

『人依存の組織はよくない』って本当?

人に依存している組織は未熟だから、誰がいなくなってもいいようにしないといけない』と言われますよね。その通り!とも思いますが、業種/職種や企業の規模にもよるのですべてに当てはまることではなく、誰であってもこの言葉をそのまま鵜呑みにしてはいけないと思います。

そして僕個人の見解としては、どちらかというと問題視すべきは『人依存』ではなく、その『状態』と『解決方法』にあると思っています。
※いつも通り業種によって異なると思うので、あくまで弊社においてです。

少なくとも弊社のようなクリエイティブな仕事を生業としている企業は『なにもないところから生み出す仕事』が大半ですし、個人のスキルによって仕事のアウトプット(質)が大きく上下するので、むしろ『人依存』すべきだ(せざるをえない)と思います。
※いわゆる『オペレーター』のようなマニュアル化(業務の均一化)できやすい仕事は人依存はよくないと思いますけど。

そもそも普通に考えて、自分でなくて誰でもできるような仕事なのであれば、その会社にとって『自分の価値』が低いということなので、優秀なプレイヤーがそこにとどまっている必要はないですよね(苦笑)。
でも企業側としては「この人が抜けたら事業が崩壊する」なんてことになっては困るので、個人の影響力を下げてリスクヘッジを狙っていくわけです。

企業側は『優秀な人材はほしい。でも人依存はしたくない』という矛盾したことを言います(笑)。・・で、リスク回避のために人依存を解消しようと社員のスキルの平準化をはかろうとしますが、その方法を誤ると尖った人材は離脱や埋もれていき、結果『つまらない会社』になっていきがちです。

規模が大きくなっていく会社から優秀な人材が転職したり起業する理由のひとつにはこの要因(つまらない会社化)があると思っています。
※『自分の存在価値』が相対的に低くなるってことですね。

優秀な人材こそ、自分の価値が下がってみんなと並列になることを(良い意味で)嫌がると思います。よって、D2Cdotでは『良いものを創る』という観点から優秀な人材の個性を削らないように注意していますし、彼らを尊重する想いで『D2Cdotは人依存している会社である』ということを公言しています(笑)。


一代で築き上げた創業オーナーや優秀なマネージャー/エース級プレイヤーが抜けた途端に崩壊していく会社を見かけることがあります。
これは『人依存』状態における弊害ですね。

『人依存』することは決して悪いとは思わないですが、『特定の優秀な人"だけ"に依存している状態』はよくないです。これは確実に改善する必要があります。

理想としては『人依存の対象』を増やして、誰が抜けても(完全な代替にはならないが)他の『人依存している人(複数可)』で補填できる状況になること、です。

簡単にいうと『依存する人を増やして特定の人だけの依存組織から脱却しましょう』・・ということですね。一見、人依存の対象が増えるとひとりずつの価値が相対的に下がるのでは?と思いますが、そういうことではありません。言い回しが難しいですが(苦笑)、『個』への依存度は下げずに、同じレベルでいろんな人に良い意味で依存していきましょうということです。
※解釈を誤ると危ないやつみたいですね(苦笑)。

・・なので僕としては『人依存』はし続けてOKだと思っています。
むしろ依存したいと思えるほど優秀な人材なのであれば、うまく活用しないとダメだと思うので、そこはいままで通りの『特別な存在扱い』でいいんだと思います。

・・ということで、結論としては『人依存自体が悪いのではなく、その対象が数人に限られていることが悪い状態ということ。そしてそれを解消しようとする方法を誤る(つまらない会社化する)ことに問題がある』のではないかと思います。人依存解消の方法が全員を均一化するのではなく、優秀な人材をもっと尊重して人依存できる人を増やすという方法で解決すればいいんじゃないかなって思っています。

でもそのためには会社は規模を大きくしていく必要がありますね。
誰でも優秀な人材になれるわけではないので自然に人数を増やさざるをえないからです。そういうこともあってD2Cdotは規模を大きくする方針です。
ここをはき違えて『人数を多くすること』が目的になってしまうと、全体のクオリティが下がり、先述のように『つまらない会社』になってしまいます。会社を大きくするのはあくまでも『質を高めるため』であるという目的はブラしてはいけないと思うので、そこのバランスは気をつけています。


・・ということで、テキストに落とすと当たり前のことではありますけど、教科書的に『人依存はよくない』って言ってくる人も少なからずいるので、その際は『特定の人だけに偏ってないんだから何も悪くない。むしろ依存できる人材がたくさんいるのは素晴らしいこと』って言い返したいと思います(苦笑)。

そんな感じで一般的に言われる『一見、正しいこと』は必ずしも自分たちには当てはまらないことも多いので、そういうのはまず疑うことから始めましょう(苦笑)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?