見出し画像

花瓶を、つくりたい

 一輪挿し。お店で見掛けるとつい手に取ってしまうし、ネットショップでもながめてしまう。すでに沢山持っていることを思えば、どちらかといえば必要なのは30cmくらいある大きな花瓶なのだが、目が行ってしまうのは一輪挿し。そして時々はお迎えし、近所で買った花を活ける。
 一輪挿しは色んな高さのがあると便利で、水切りをして短くなる度に、どんどん小さいのに入れ替えていける。だから沢山あってもいいのだ、と自分に言い訳をしたりする。

 そしてある日、私は思った。

 むしろ一輪挿し、つくりたい。

 どうせならこの手でマイ一輪挿しを作りたい。マイ一輪挿しに可愛い花を活けたい! 思い立ったが吉日、私は材料を買いに走った。

 なお、私に吹きガラスのスキルはないし、使える窯などもない。ガラスも陶芸もダメなら、一体何で花瓶を作るのか? 答えはこれである。

オーブン陶土 Milk

 そう、オーブン陶土だ。
 これはパッケージにも書いてある通り、オーブンで焼くことのできる粘土である。これならオーブンさえあれば簡単に陶芸が楽しめるというわけだ。一般的な釉薬は使えないので色に制限はあるが、粘土自体は複数色あり、白くするための化粧土も販売されているので、そこそこ色々な表現をすることができる。
 また、「Yu~」というコート剤があり、これを塗ることで耐水性を持たせることが可能だ。つまり、花瓶が作れる、ということである。
 というわけで、早速粘土を捏ねてみた。

捏ねて乾燥中

 なかなか思い通りの形にするのが難しい。上から撮ったので分かりづらいが、左は花を抱える人のような形に、右は花を斜めに置くような形にした。
 形を作ったあとは、2~7日放置して乾燥させ、その後オーブンで焼く。160~180℃で30~60分とのことだった。とりあえず170℃で45分くらい焼いてみた。

 焼いたのが冷めたら、今度は化粧土(白)を塗る、のだが、ここの写真は撮り忘れていた。とりあえず底面以外をざっと化粧土で塗り、再び2~7日乾燥。先ほどと同じ温度と時間でもう一度焼く。
 それが冷めたら、最後に「Yu~」を塗る。

「Yu~」を塗る作業
意外と化粧土の白がまばらだ

 なお筆は百均のものだ。塗った後はしっかり洗わないと筆がカチカチになるのでご注意を。
 口のある方を塗っているときに気付いたのだが、これだけ細くて歪だと、内側にYu~を塗るのが難しい。このときは、筆にたっぷり取ったYu~を流し込み、花瓶をくゆらせることでどうにか塗布した。もっと細口になるとかなり難しいのではないか。
 塗り終わったらまた乾燥である。今回は乾いたらそれでいい。作り始めから完成までになかなか時間がかかるが、あと一歩だ。

右の器に入っている玉は、本来左の器の支えだった。何となくこっちに移動した。

 最後は100~120℃で15~30分焼く。冷めたのが確認出来れば、完成だ。

完成品

 折角焼き上がったので、水漏れしないか確認するついでに花を活けてみた。

タイトル「かかえる」
タイトル「ささえ」

 どちらも初めてにしては上出来なのではないか、と自画自賛する。こうして我が家の一輪挿しに、自作花瓶が追加されたわけだが、実はオーブン陶土をあとふたパック買ってある。次は何を捏ねようかと、思いをはせているところだ。

#私の作品紹介

この記事が参加している募集

私の作品紹介

休日のすごし方

コーヒーを一杯いただけると喜びます。