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散歩中に歌っていたら人に目撃された話
散歩が好きになった。
ジムに行けなくなって運動する習慣がなくなり、代わりに脂肪が集まってきた。
どこからともなく。
非常に迷惑な集合である。
運動量は雲泥の差だが「しないよりましだろう」という感じで散歩をしている。
消費カロリーこそ違えど、「体を動かしながら考える」という点では同じである。
音楽を聴きながら歩いていると、ついテンションが上がって口ずさんでしまうことがある。
しかしこれは夜の散歩限定だ。
(昼はおばちゃんやおばあちゃんやおおばあちゃんが曲がり角で僕がくるのを待ち構えているので危険だ)
夜の散歩は気が抜けて口ずさむ、というかしっかり歌ってしまう場面もある。
イヤホンをしていると自分の声がどれほど響いているのかいまいちわからない。
今日も前橋公園に向かって歩いていた。
橋の上で歌っていると遠くにカップルが!
ふっふっふ。僕の歌声を訊こうと待ち伏せしたのだろうがそうはいかない。
僕は聞こえないであろう距離にいるうちに口を閉じ、さも歌ってなんかいないですよみたいな顔をしてすれ違った。
そして階段を降りるとふたりのスケボー少年ズが!
彼らも僕の歌を聞きに来たに違いない。
危ない危ない。彼らを早めに見つけられてよかった。
そして歌ってるわけないじゃないですかという顔をしてすれ違った。
公園の端にきて、流石に大丈夫だろうとまた口ずさみ始めた。
ここならスケボーボーイズにも聞こえないだろう。
ちょうど、星野源の「恋」が流れ出した。
逃げ恥を一度も見たことのない僕のダンスが光る。
歩きながら踊りながら僕は公演を進んだ。
♪「ふーうふを超えてゆk
僕は見た。
確かに。
電灯のない暗い木のふもとに、誰か座っているじゃないか!!!
おや恥ずかしいなんてもんじゃない。
恥ずかしすぎて顔面が爆発してしまった。
しかも歌うのをやめたせいで余計恥ずかしくなった。
早歩きでその場を立ち去った。
耳元で星野源が「黙る夜も」と歌っていて、この曲は僕のために書かれたのだと悟った。
ありがとう星野源さん。
顔を赤らめながら家に帰った。
汗をかいたので風呂に入っているときにふと思った。
「あの人、あんなところで何してたんだ?一人で・・・。」
これ以上考えないほうがいいかもしれない。
ただ、散歩コースの変更は余儀なくされた。
どうも。 サッと読んでクスッと笑えるようなブログを目指して書いています。