盲目し、おどりおどる


今日もコーヒーがうまい。



最近うちの猫がトイレを外す。
猫用トイレの横にうんこが置いてあるのを見ると絶句する。逃げることは許されない。
我が家は第一発見者が全て片付けなければならない。
知ってか知らずか猫は僕の通るときに限って床ウンをする。
片付けていると猫に(こいつ、私のウンコ拾ってやがる…!)と言う目で見られる。
人間だったら大問題だ。


しかし猫の方が僕よりモテる。
一日中寝転がって床でうんこするやつのほうがモテるのだ。世も末だ。

そんなことを残念がっていたが、不覚にも大学生になってひとり立ちするときに「もうこいつの床ウンを片付けることはないのか…」と思ってしまった。
(二年経って帰ってきたらまだ床ウンをしていた。トイレ側に問題がある気がしてきた)



人間も猫も失敗をする。
石垣に顔をぶつけて歯を折る人間もいれば、床ウンを繰り返す猫もいる。



これから大学生活を迎える読者に向けて、「何かの間違いでかっこいいと思ってしまうかもしれないが(僕が思う)絶対にやめた方がいいこと」を記しておこう。


①俺は酒が強い

ダサすぎる。
大学によくいる。大学生になりサークルかなんかの新歓で飲み始めたのをきっかけに、強いことがカッコいいと錯覚することがある。
まさしく酔っている。「昨日記憶なくなるまで飲まされてさ〜まじヤバかったよ〜」と言ってくる同級生がいたらキン肉バスターをしていい。
怒りではなく「友よ、目を覚ませ!」と願いながら力一杯お見舞いしよう。
強いのが悪いのではない。誇示するのがなんかもうアレだ。



②俺はSEXがうまい

ダサすぎる。
大抵聞いてないのに話し始める。それに多分上手ければいいってもんじゃない。
これについてはもうあんまり言及しない。



③寝てない

なめてもらっちゃ困る。こちとら睡眠に人生狂わされるまで悩んでいるのだ。
本気で悩んでいるのだ。
中途半端な寝てない自慢は中二までにしてもらおう。



④俺は意識が高い

崇高な行動などない。
あるのは崇高なる目的と理想だけだ。

勉強でいい、読書でいい、趣味でいい、特別じゃなくていい。
やってみたいことに真剣になればいい。
それがボランティアなら、学生団体なら、インターンならそうすればいい。

就活の時になって引け目を感じるかもしれない。
でも真剣に取り組んでいたら、口に出さずとも毛穴という毛穴から気高さが出てきてくれる。
もやしもんのように。

もしお祈りされても、そんなことも見抜けない人事のいる会社なんてごめんだぜくらいのことを思えればそれでいい。

プラダを着た悪魔で主人公の恋人がこんなセリフを口にする。
「誠実に仕事をするなら、君がストリッパーでも構わない。」


カッコよくありたいとか気高くありたいとか思うのは自然なことだ。
それによって盲目することもまた自然だ。
でも同じ失敗を繰り返さないために先輩がいるのだ。


真面目でいい、平凡でいい、隙があっていい、カッコつかなくていい。
ドジでいい、時にうまくいかなくたっていい、笑われるくらいでいい。
泣かせるより笑わせる方がよっぽど難しいのだ。


酒が弱くたっていい。
20歳の誕生日に「 〇〇(地名) 本格 バー」で検索して、立派で物静かで少し身構えてしまうような分厚い扉のバーを調べるのだ。
友達か彼女とそのお店に行って「今日初めてお酒飲むんです」とバーテンダーに伝えるといい。
そしたらバーテンダーはきっと、君に最高な人生最初の一杯を用意してくれる。
バーテンダーにとってそんな嬉しいことはない。


きっと君は常連になる。バーテンダーからお酒の飲み方を教わるといい。
そして真面目に過ごし、就職が決まったら親と行くといい。
プロポーズをしたら、婚約者と行くといい。
バカみたいに呑み潰れる友人に悪態をつかず、純粋に素敵なお酒を楽しむといい。


これは僕ができなかった、最も理想的なお酒デビューと嗜み方だ。
誰よりも大人でありたいと願った故に、誰よりも子供だった僕が今1番カッコいいと思うお酒デビューだ。
代わりに君が達成してくれ。

もし20歳の誕生日にこんな素敵なことをしてくれる人がいたら、僕にも一杯奢らせて欲しい。
そして、君のあれこれと、めくるめく青春をたくさん聞かせてほしい。
僕はそういうのに1番悶えるタイプだからな。


どうも。 サッと読んでクスッと笑えるようなブログを目指して書いています。