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「『ゲ謎』と『ウィッシュ』から学ぶ組織変革。(チョーネタバレ)」: ほぼ日日(にちにち)コラム8

おはようございます。
よたろーです。

チョーネタバレと書いてますが、まず最初のネタバレでいくと、この記事をネタにしようと思って下書きに書きつけたのが1月2日。
そこから約1ヶ月経ってしまってもう手遅れかな、と思ってあきらめかけてました。

そしたらなんと!
第5弾の上映特典配布、ということでまだまだ下火にはなってない強さを感じて、勇気を持って復活させることにしました。

2023年11月17日(金)より公開中の『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』。本作の66日間の累計興行収入が23.4億円、累計動員が164万人を突破!

この大ヒットを受け、第5弾来場者特典が2024年1月27日(土)より配布決定となりました。

出典: アニメイトタイムズ

ディズニーのウィッシュもまだやってます。
上映館や回数はだいぶ減ってきてますが。

この『ウィッシュ』と『ゲゲゲの謎(以下『ゲ謎』と表記)』を立て続けに観ました。
そしたらなんだか共通するなぁ、ということが多くありました。

以下、ネタバレ気にせず私が感じた二つの映画の共通点。

  1. 創始者一代で大きくなった

  2. 創始者は超天才で超有能(な魔法使い)

  3. 始まりの大もとには大義があった

  4. ワカモノ、バカモノ、ヨソモノの登場で安定が揺らぐ

それぞれどういうことか、見ていきましょう。

1 創始者一代で大きくなった。しかも創始者の影響がいまだ絶大

『ウィッシュ』の舞台となる「ロサス王国」。
国王はマグニフィコ。
国の創始者であり偉大な魔法使い。
いまだに存命で国を治めているのでもちろん影響力は絶大です。

そして『ゲ謎』の舞台、というかすべての鍵をにぎるのが「龍賀製薬」。
創業者である龍賀時貞が生み出した血液製剤「M」で莫大な財産を築いた。

時貞は亡くなっているが、龍賀一家は地元では圧倒的な権力を持ち、後継選びであったり儀式であったり、いまだ創始者の時貞の影響力が色濃く残っている。

2 創始者は超天才で超有能(な魔法使い)

マグニフィコ王は自身の夢の達成のために非常な努力をして魔法を身につけてロサス王国を興した。

龍賀時貞は天才科学者で、魔法のような力で血液製剤「M」を生み出した。

3 始まりの大もとには大義があった

マグニフィコ王は若いころに自分の夢が叶わずメチャクチャつらい思いをしたとか。

「自分と同じように夢がかなわなくてつらい思いをするひとが出ないような世の中を作りたい」

そういう思いをを持ってロサス王国を建国しました。

国民は一定の年齢になったら王様に夢を預ける。
そして預けた夢は王様が大事に守ってくれる。
だからみんな夢がかなわなくてつらい思いをしなくてすむ。

夢がかなわなくてだれよりも苦しんだマグニフィコ王の経験から生まれたソリューションでロサス王国は世界的に有名になり、移住を求める人びとが後をたたない、超有名国に。
移住したい国ナンバーワンの地位を勝ちとったわけです。(←テキトーな筆者の思い込みです)

対する龍賀時貞は戦争の敗北を味わい、国がボロボロで本当に貧しい時期を経験します。

「日本を欧米と肩を並べられるような大国にしたい」

そういう思いで血液製剤「M」を生み出したのです。

血液製剤「M」を使えば何日も寝ずに働いても平気。
24時間戦えますか、なんて甘いもんじゃない。


なんとも信じられない強力な薬でモーレツサラリーマンを大量生産し、高度成長時代を支えた。
いわば日本の経済復興の立役者だったわけです。(フィクションです)

こうしてみると、マグニフィコ王も龍賀時貞も、大義を実現したいという強い欲求に衝き動かされて偉業をなしとげることができたんですね。

恐るべき内発的動機。

4 ワカモノ、バカモノ、ヨソモノの登場で安定が揺らぐ

夢を守ってもらえて憂いなく幸せに暮らせるロサス王国。
そこへ突如(マグニフィコ王にしてみると)現れた主人公のアーシャ。

彼女は王様に対して「夢を預かること」への素朴な疑いをぶつけ、あろうことか「夢を元の持ち主に返すべき」なんて大胆な提案をして王様の逆鱗に触れます。
大胆不敵な17歳。
国を揺るがすワカモノです。

詳しい話しはさておき、彼女が不思議な力で呼び寄せたスターが仲間に加わります。
スター、つまり星です。
人間じゃない、これ以上ないレベルのヨソモノですね。

アーシャとスター、そして彼女の味方となる同世代の友だち。
ワカモノとヨソモノが組んで国全体がざわつき始めます。

まだ10代でありながら国王にたてつくなんて、バカモノともいえますね。

一方の『ゲ謎』。
謎の血液製剤「M」と龍賀家の秘密を探るべく指令を受けて龍賀家が牛耳る哭倉村(なぐらむら)に乗り込む血液銀行の水木。

べつに無理やり乗り込んだ訳ではなく、取引先である龍賀製薬の現社長の義父である龍賀家当主、龍賀時貞の弔問に訪れたのです。

まぁヨソモノですよね。

そしてもうひとり、行方不明になった妻の行方を探し求めて哭倉村を訪れていたゲゲ郎こと鬼太郎の父。
いっけん人間のように見えますが、幽霊族。
しかも唯一(妻が見つかってない段階では)の生き残り。
これまたウィッシュのスターに引けをこらないヨソモノっぷり。

ヨソモノ同士が手を組んだから、ではないのですが、元当主時貞の世代交代に際して次々と関係者が惨殺される事件が続き、村は騒然となります。

彼らのせいではないんですが、閉鎖的な村だけにヨソモノの彼らに疑いの目が向けられるのは必然、ともいえますね。

そんな状況にも関わらず、龍賀家の謎をかぎまわるふたり。

村、といってもまるっと龍賀家の手先みたいなもんですから水木とゲゲ郎の味方なんていやしません。
警察でさえ立ち入れない。
バカモノそのものの行動といえるでしょう。

ここまで並べて書いてきましたが、いかが感じましたでしょうか?

ずいぶん共通点があると思いませんか?

もう時期的にはネタバレしてもいいでしょうし、まぁ意外性もないと思うので書いちゃいますね。

いちおうネタバレの部類なので要注意。

覚悟のあるひとだけ読みすすめてください。
べつにグロとか出てこないのでご安心を。

けっきょくワカモノ、ヨソモノ、バカモノの登場でロサス王国は滅びません。

えっ?
( ̄O ̄;)

国は滅びないんですが、建国者であるマグニフィコ王はその座を追われてロサス王国はまったく違った国に生まれかわります。

もともとのロサス王国の統治は姿を消すので実質滅びたといってよいでしょう。

そして龍賀家が牛耳る哭倉村。
こちらは水木しげるとゲゲ郎というヨソモノ&バカモノタッグでワカモノ要素に欠けますけど。
ただ途中で味方になるワカモノが現れます。

最終的にこちらの哭倉村は、村ごと滅びます。

まとめ

ここまで長々と書いてまいりましたが、どうお感じになりましたでしょうか。

どちらの話しも共通する大企業の歴史を暗示していませんでしょうか。

1 創始者一代で大きくなった。しかも創始者の影響がいまだ絶大

どんな会社も創業者の熱い思いと大義があって生まれたはずです。
だからこそ世の中のニーズに支えられて急成長することができてきた。

そしてあまりはっきりとは書けませんが、創業から相当の時間が経っているにもかかわらず、未だ社長は創業家がOKださないと決められないとか、もはや誰が決めたんだかわからない意味や意義もよくわからない因習が残っていたりする会社が少なからずあるのではないかと。

2 創始者は超天才で超有能(な魔法使い)

まぁたいていの場合は創業者は人間でしょう。
ですがホントに必死で、常人の域を超えた努力で会社を発展に導きます。

その努力や本気で取り組む姿勢は天才的ですし、それだけあきらめずに頑張れること自体が有能の証ですね。

ミラクルともマジックともいえるでしょう。

3 始まりの大もとには大義があった

1と共通する点ですけど、始まりには「なんとかしたい」という思いがあったわけです。

ただそれが会社が発展し、世の中に対して大きな影響力を持つようになる。
そうしておびただしい数の人が関わるようになると、いつしか創業者の精神は失われていく。
失われる、というといい過ぎかもしれません。
でも薄まっていくことは確実ですし、人によっては創業の精神とはまったくそぐわない考えや行動をすることもありえます。

そうすると会社は内側からジワジワと腐っていきます。

でももう誰もどうすることもできない。

4 ワカモノ、バカモノ、ヨソモノの登場で安定が揺らぐ

大義は失われ、内側からは変えることができないあきらめにも似た空気がただよい、ゾンビのような状態に。
たけどここまで蓄えてきた技術、信頼、ノウハウ…莫大な資産のおかげでそんな状態でもかんたんには倒れないし生きつづけることは不思議とできてしまいます。

でももはや創業の精神は失われている。

それじゃダメだとは事情を知りきったオトナたちから声があがることはまれ。

「このままじゃマズイよねー」

と口で言いはするけど自分は変えようとする当事者意識ゼロ。
本音のところは「あと〇〇年すれば定年」みたいな逃げきり根性が透けてみえる。

これは彼らばっかりが悪いわけではなく、そうやって生きてこれてしまった環境の産物でもあります。
どこにも生きる道を求めることもできない、ある意味被害者と言えなくもない。

そうなってくるとやっぱり内部から変えていく、というのはキツいわけです。

そうすると良し悪しやうまくいくいかないは別にして、外から経営者を呼んできたり、ものいう株主が現れて経営陣を一掃したり、という荒療治がおこなわれることになると。


そんなことを考えながら映画観てる自分は病気だなと。(笑)

本日もおつきあいありがとうございました。

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