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建築しか見ない旅 シカゴ編1

もう2年前の旅行記。
外に出られないこの機会にどんどんまとめる。

旅行した気分になる。
アメリカ新婚旅行最終章、シカゴ編。

マンハッタン5泊を経てシカゴ2泊。ハワイを除けば初のアメリカであるけど、まだまだ行きたいところありすぎる。西の方もいつか行きたいなぁ。

ニューヨークからシカゴは2時間半くらいのフライト。20時くらいにシカゴに到着。夜着いての2泊3日だから中々に時間がない。取捨選択を余儀なくされるワケだ。ゾクゾクするぜ!(?)

本日のお宿はこちら。

Radisson Blu Aqua hotel

設計者は女性の Jeanne Gang 。
写真で見るとrhino・grasshopperのチュートリアルに出てきそうな外観。

超高層が立ち並ぶシカゴの中でも一際異彩を放つ外観。

シカゴに着いてまず気付くことはニューヨークとの物価の違い。

ニューヨークで泊まった宿は日本で言ういわゆるビジネスホテル的なワンルームの客室だったんだけど、このラディソンブルはそれに50ドル足すくらいの値段だった。

ニューヨークはやはり異常に高い。
朝メシにベーグル食べようねー、とか言って2人で3000円はくだらない。
胃が縮むわ。

このラディソンブルはプールもあれば室内ジムもあれば室内3on3もあればビリヤードもあればで、バーやレストランもバツグンにシャオツ。
客室は超豪華!!と言う感じでは無いんだけどカラースキームが素敵。

建具と水場周りの床。
一歩間違えればすっごく商業臭くなるキラキラ&鏡面だけど、全体のカラースキームもバランスもあってなんか胡散臭さを感じさせず纏まってる。
ショッキング系の青をカーペットに大々的に使いながらこうスッキリまとめるカラーセンス、やはり海外の建築家マジでうまいんだよなぁ。

日本の色味感てやっぱグレーからベージュ、差し色いれるのもある一面の壁面に使うという枠を超えない感じがある。黒、白、ショッキング。キレあってコッテリしない。いいなぁ。
つーかニューヨークと50$でこの違い。
なんて差だ。

外観的には、このうねうねのバルコニーが最大の特徴。しかしながら部屋によって跳ね出しが大きいフロアのみバルコニーになっていて、9割以上はただの跳ね出しでしか無いモノ。
たしかにこの外観の抽象性を保ってるのは手すりがない効果はデカい。僕の泊まった部屋も2m以上ガラス面から跳ね出してあったけどバルコニーになってなかった。

高さ的には300mの塔。偏平な平面プロポーションも中々エグく、シカゴ 川から見ると細くて美しい。
おそらくその細さゆえなのか分からないけど、中間にメガフレームでも組んでいるっぽく、もしくは設備層になっているのか、階高が変わるフロアがある。分からないけど、そこだけうねうねのバルコニーが無い。
これによって抽象性が一気に失われて、
あ、建物だなぁってなる。そこだけ少し残念。

しかしこの勢いのあるデザイン。

夜はプールやらジムやらバーやらで豪遊。ようやくすこし新婚旅行っぽいぞ!!!

次の日は朝一で歩きまくる。
シカゴはNYより5〜6℃寒い印象。
風が少しあるので、より寒く感じた。
日本で言うと10月後半と言ったところかな、とても過ごしやすい。

午前は市街地を闊歩。
市街地中心部を河が流れているため、超高層が立ち並んではいるが、引きがあるため、随分マンハッタンと印象が違う。
マンハッタンより天空率が圧倒的に高い。

シカゴの街を堪能するなら絶対コレ。
シカゴ 建築財団が主宰している超高層クルーズ。
値段は一人20〜30$くらいだったかな。
それなりにする。90分のがっつりクルージング。

蛇行する河と超グリッドで構成される超高層ビルの風景は壮観。
やっぱり摩天楼の都市ともあってやっぱみんな外装綺麗。

左からマリーナシティ、IBM本社、トランプタワー

真ん中はSOMのウィリス・タワー。圧巻の400m越え。アンテナ頂部は552mだそう。

うーんやはりなんだろう、ニューヨーク、もしくは新宿ほど圧迫感を感じさせ無いというか。
空の広さ、もしくは建物に対する街区のサイズや都市計画の中でコントロールされてるのだろう。
新宿見たいな密集したビル群であることは間違いないのだけど、近くで見上げた時一つ一つとして認識できる。
綺麗な街だなぁとすごく思える。

超高層が並ぶ中、平屋で存在感を示すApple Store。
フォスター。

大階段で内部と外部が繋がる。外部との連続感を出す為にマリオンが出さない。

このサイズで…上下2辺…
一番デカいところで9〜10mくらいありそう。
そしてその一番寸法が高くなるとこがRしてる。

近くで見てもよく分からないのだけど4枚くらいの合わせガラス。それを曲げるなんてあり得るの?

とても不思議な感覚になる。目地無しに1枚で3m×9mでガラスの外壁を作るこの圧倒的なスケール感。それは同時に圧倒的な物質感であるはずなのだけど、それが徹底的に透明に透明に作られてる建築だと感じる。

対岸のシカゴ 建築財団ビルを見る。

手摺り部分。笠木もなく徹底的にガラスで構成されてる。
視覚的に透明として、建築自体の存在を消す役割をガラスが担っているわけだけど、こんな断面を見せられたら嫌でもモノ感、存在感を感じざるを得ない。
その建築スケールと人間スケールでガラス役割が異なって見えてくるのが不思議というか、面白く感じた。

一言で言うとヤバイ。
なんか最近のニュースで見たけどこのガラスにヒビが入ってしまったらしい。
これ、1枚だけ取り替えられるのかな…

参照ページ

そして歩いて市街地を徘徊。
レイクショアドライブ。

シーグラムビルとは結構印象が違う。アウトフレームで外観に陰影を作る縦の強いH鋼のマリオンがユニットで切れてることが1番の違いかと感じる。
ので、立面で見るほど縦勝ちが強調されていないというか。

あとシーグラムビルとの違いで言うと腰壁部分がパネルになってるところとガラスのところがある。
冷静に考えてこれ集合住宅だもんな。
フルハイトのカーテンウォールじゃ使い勝手的にどうなのでしょうという現実的なところなのかな。

↑シーグラムビル。
この整然とした迫力との違いはその2点かな、と思ったり。

ジョンハンコックビル

というか黒いな!!!
黒いビル多い!!!
ミースが最初に黒くしちゃったからにちげえねぇ。

後はすこし郊外へいく。
コレも今回のスーパーお目当て。

イリノイ工科大学のクラウンホール。
逆梁のH鋼のプロポーションがえぐカッコよかった。

徹底したアウトフレーム。純粋な四角のプレートが浮かぶ。

中では建築学科がまさに授業中でエスキスしてた。
なのにも関わらずグングン中に入ってこれる。
ユニヴァーサルスペースとはそういう意味なのか!
誰も拒まず。

ガツガツ行く。僕はいつも怒られるまでは進む主義。
それで見られる経験が少しでも多くなるならそっちのが超貴重。一瞬見られるだけで、今後の僕の貯蓄になるんだから。
大事なことは超なに食わぬ顔で進むこと。
関係者ですよ?的な。

純粋な2枚の板に挟まれた場所。

天高5000mm程度と思うが、それが人のスケールとの関係の中で絶妙に感じる。
住宅やオフィスのメンバー感スケール感から解放させること。
単なる2枚の板で、他とどう違って見せるかの解答がこの寸法なんだと思う。
くそ、、レーザー測定器で測ってくるんだった…

これはスタディしまくったんだろうな。

地下に行くとライブラリーがあって巨匠の椅子がディスプレイされてる。

そしてクラウンホールのすぐ横にOMAの建築がある。

ぶっちゃけるとさほど期待をしていなかった。しかしコレがめちゃくちゃよかった。
この旅でもTOP3はいるかな。
クラウンホールの横にある、OMAのマクコーマックトリビューンキャンパスセンター。

この建物、直上を鉄道が通過しているという何とも迫力満点な建築。
OMAのダイアグラム。

とても有名なミースのLess is moreという言葉があるけれど、これまた有名なレムのLess is boreという言葉。
Less is bore と言い切るためにレムは相当の気合を込めてこの建築を作ったんじゃないかな。
クラウンホールのミースが横にあるからこそ際立つというか。

これも半地下と地上1階で構成される建築で、ミースのクラウンホールと同じだ。
ただ建築の現れ方は言葉に表現されるように正反対。
レムの方は、多様で、発見的で、学生が自分の好きな場所を自分で見つけられるようなそんな在り方。
マクコーマックは食堂とかフリースペースとか学生の溜まり場的機能が集約されていて、そこに縦横無尽に軸の振られた動線が入り込んでいる。
次々と連なるシーンと多様な光の入り方、それに即したアクティビティ。
天晴れだ。

多様な様子が面白く、ワクワクする。

マクコーマックとクラウンホールが一つのキャンパスを作ってることがめっちゃ面白いなぁ。

イリノイ工科大学駅からシカゴ市街地を見る写真。本当に一極集中というか、コントラスト激しい。

この辺でシカゴ の2日目が時間切れ。
明日が悲しいけど新婚旅行最終日。

次回、シカゴ 編2にて。
いじょ。

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