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「ユニーク=面白い」ではない!?〜ユニークの与太話〜
私たちは、変わったもののことをユニークと呼びますよね。
奇抜なデザインのことを「ユニークなデザイン」だと言ったり、面白い人のことを「ユニークな人」だと言ったり……。
いい意味で使うこともあれば、悪い意味で使うこともあると思います。
僕も以前、自分が書いた絵を他人に見せた時に「なんというかこう……うん……ユ、ユニークだね!」と言ってもらったことがあります。目を逸らしながら言われたのですが、どちらの意味だったのでしょうね?
でもみなさん、ユニークって具体的にはどういう意味なのか知っていますか?多分多くの人は「面白い」と言う意味で使っているかもしれないのですが、実は英語のuniqueを同じ意味で使うと、誤用になってしまうです!
今日は、「ユニーク」という言葉に関する与太話をしたいと思います。
○ユニとは、「1つ」と言う意味
まず、ユニーク[unique]という言葉を理解するためには、その成り立ちを知らないといけません。
ユニークというのは、「ユニ[uni]」という言葉が入っていますね。この「ユニ」というのは、実は「1つ」という意味です。
uni、とスペルに直すと書くわけですが、これが「1」を指すのです。バレエをやっている人だと知っていることと思うのですが、フランス語だと「1、2、3」のことを「アン・ドゥ・トロワ」と言いますが、この「アン」は「un」であり、これも1を指します。ヨーロッパの言語の多くに、「un」=「1」は残っており、英語もフランス語もその一つなわけです。
「アン」がフランス語読み。「ユニ」が英語読み。で、それを理解すると、いろんな言葉が理解できるようになります。
「ユニ」=「1」を使った言葉というのは英語にはいっぱいあります。それこそ、僕らが使っているようなカタカナ語にもよく使われています。
例えば「ユニフォーム」というのは、「複数の人が着ている、1つの同じ服」のことを指しますよね。「1つ」の種類な訳です。
また、「ユニット」というのは、「2人の人が1つになること」を指します。「1組」な訳です。
さらに、イギリスの国旗のことを「ユニオンジャック」と言ったり、アメリカのことを「ユナイテッドステイツ」と言ったりしますが、この「ユニ」は、複数の人や州が1つに集まっているという意味で「ユニオン」「ユナイテッド」と言っています。「1つの国」を指す訳ですね。
この他にも、「ユニセックス」と言えば「男女共用」で、「ユニバーサル」と言えば「1つの普遍的なもの」と、「ユニ」とつく言葉には「1」のニュアンスがどこかに存在しているものなのです。
○ユニークは、「唯一」を意味する
そして、ユニークという言葉も、ここから理解できます。
ユニークというのは、実は「ほかにない、唯一のもの」のことを指します。「唯一無二」なくらいに独特で、他にはないほど奇抜なことを「ユニーク」と呼ぶわけです。
だから、意識していようがいまいが、私たちが人のことを「ユニーク」と呼んでいるとき、「ただ一人、あなただけだよね」と言っていることに他ならないのです。「あなたにしかできないような、素晴らしい、掛け替えのない、他に代用できないようなもの」のことを指すのが、「ユニーク」なのです。ちょっと面白いとか、少し人と違ったところがあるとか、そう言うことではないんです。他にない、掛け替えのない・代わりの効かないことを指して、「ユニーク」と言うのです。
だからuniqueと言う言葉は、英語圏では「特徴があって尖っていること」を指し、日本語ほど悪い意味では使いません。「変な人」みたいな意味ではあんまり使わない印象があります。なぜカタカナのユニークとuniqueでこう言う違いがあるのかと言うと、おそらく日本の文化観が関係しているのではないかと思います。
「出る杭は打たれる」
「他人と違うことはマイナスなこと」
そう言う日本独自の考え方が、ユニークと言う言葉の意味を悪くしてしまっているのではないか…僕はそんな風に考えています。
○まとめ
いかがでしょうか?ユニークという言葉を何気なく、「ちょっと面白い」または「他の人と違って変な」という意味で使っているみなさんは、この話を聞いて、少し使い方を変えてみてもいいかもしれません。ユニークは唯一と言ういみで、そしてそれは決して悪いことではないはずです。
そう思って、ユニークな(唯一無二な)人生を生きたいものですね。