『ゆたんぽ』

当たり前に使ってる単語を急に違和感に感じ
たり矛盾してない?と思うことが頻繁にある
のだが、その一つが電気式湯たんぽである。

クリスマスシーズンの雑貨屋なんかに行くと
ご丁寧にプレゼントを渡す相手毎に違う棚に
陳列されている商品たち。年々その進化によ
って、さも可愛い商品のような顔をしてより
メジャーな棚へ進出している商品が湯たんぽ
だ。確かに本体を包む側の部分は可愛くなっ
ているが、中身はそれほど可愛くなっていな
い様に思う。だが、本体の形自体が大きく進
化しているのが電気式湯たんぽ。猫とか羊の
形をしたものを見て、可愛いぃ、とか内心若
干の高揚感を覚えながらその商品名を見たと
きに、ん?と。湯たんぽって、湯を入れるか
ら湯たんぽなんじゃないの?なんだ電気式っ
てのは、それはもう温かくなる何かだろうっ
てばよ。

一度疑問に思ってしまったからには仕方がな
い。そのふわふわとした猫はお店に置いて家
路に着く。(猫は別に元々あの店にいたのだ
から、置いてきたわけでもないが)調べてみ
ると、湯たんぽ自体の歴史はかなり長く、日
本では室町時代に中国から伝来したそうだ。
体を温めるために湯を入れる容器、とある。
じゃあ、やっぱり電気式って?

中国語では湯婆と表記するらしく、この婆と
いうのが妻という意味で、妻の代わりに抱い
て暖をとるとか何とか。ちなみに、日本の漢
字表記は湯湯婆、そのままでは伝わりずらか
ったらしく湯が新たにくっついた。電気式以
前にそもそも湯が多いじゃないか、しかも、
ほとんど湯婆婆じゃないか、ぱっと見なら全
然間違える。湯湯婆と湯婆婆。ゆゆたんぽと
ゆたんぽたんぽ。湯湯湯婆湯湯婆湯婆婆湯。
ゆゆゆたんぽゆゆたんぽゆばあばゆ。うん。
中国語版太鼓の達人はこれで行こう、もう既
にあるかもしれないけど、湯と婆を見てたら
なんかレトロな銭湯の番台を連想してしまっ
た。そろそろ風呂に入ろうと思う。寝るとき
には今日うちにきた電気式湯たんぽを抱いて
寝よう。


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