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【無料経済】ハンドメイド指輪店(イギリス/ロンドン)

「無料経済」型の路上ワーカーに最初に出会ったのはイギリス・ロンドン。ナショナルギャラリーを鑑賞後、目の前にあるトラファルガー広場で休憩をしていたときのこと。時刻は夕暮れ時。どこからともなく人々が広場に集まり、思い思いに楽しんでいる。

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そんな中、一人の男性が慣れた様子で赤い絨毯を並べ、地面に座り、おもむろになにかをつくりはじめた。指輪だ。周りにいた女性たちが彼のもとへ集まっていく。人が人を呼んだ。女性たちはお気に入りの指輪を探そうと試着している。お気に入り指輪が見つかると女性たちはバッグから財布を取り出した。チャリンチャリンとお金がケースに入っていく。最後に女性と彼との間で笑顔の「サンキュー」が交差する。

宣伝看板の文言にはこうあった。

『無料のハンドメイド指輪』
なんで無料なの?
1 みんなが幸せになるから (everyone will be happy)
2 みんなを幸せにするのはとても嬉しいから(very nice feeling to make people happy)
3 与えることができれば誰も貧しくならないから(no one has ever become poor from giving)

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これには衝撃を受けた。損か得か、お金になるかならないかで価値や物事を判断するのは、資本社会の鉄則だ。しかし、彼は0円で経済をつくっている。そして看板通りにみんなを幸せにしている光景を見た時、僕は大切なナニカを忘れていたような気がして胸が締め付けられた。

常識と思われていることの真逆の視点から世界を見返すと、そこには大切なモノがゴロゴロ転がっている。僕は彼に習って、「無料絵画」という路上ワークを始めることにした。

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「路上ワークの幸福論」(CCCメディアハウス)

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