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プレゼンが苦手な人でも提案は通る

このnoteの概要

こんにちは、村井庸介です。

就職・転職における内定取り消し、自宅待機が増え今後のキャリアについて悩む方の話を聞く中、僕が世の中に貢献出来ることは何かと考え、働き方・キャリアについて、出版した2冊の著書をもとに、このnoteを始めました。

良い提案とはということをこれまでお伝えしてきましたが、提案といえば、プレゼンテーションが多くの場合つきものです。プレゼンが苦手とお考えの方もいるので、そんな方でも大丈夫ということを今回はお伝えしていきます。

提案する際の不安はそんなに不安要素ではない

提案して相手を説得しようと考えると、まず最初に出る不安は「うまく話せるかどうか」でしょう。特に、若い時から人と話するのが得意な方であれば、別かもしれないですが、必ずしもそういう経験をしてきた方ばかりではありません。

私自身人見知りなので、プライベートや仕事で初対面の方とうまく打ち解けて話するのは、多少苦手意識がいまだに残っています。

でも、そんな方々にこそ、「GISOV」の提案の型にそって、提案をすることをお勧めいたします。(以下は、GISOVのおさらい)

1.Goal
本来目指すべき目的、あるいは目指したい目的を明確にすること
2.Issue
それを阻害する課題を発見すること
3.Solution
課題を解決する、または課題が課題でなくなるための最善の方法をみつけること
4.Operation
解決策を実行する具体的な計画を立てること
5.Value
相手が良くなるために提供できる自社(自身)の価値を伝えること

結論から言えば、プレゼンスキルそのものは、提案に関してはあまり重要ではありません。当たり前のことですが、提案においていちばん重要なのは内容です。本来、プレゼンスキルとは、提案内容のあとに来るものであるはず。優先順位は低いのです。

もちろん、トークがうまかったり、見栄えがよくて「へぇ」と感心されるような資料がつくれたりするのなら、それに越したことはないでしょう。しかし、それだけで判断されるはずがありません。要は「GISO」までの段階的にきちんと説明できていればいいのです。

極端に言えば、それがテキストだけで書かれたものであろうと、グラフや図形を多用したパワーポイントの資料であろうと、「GISO」で伝えたい内容、話の流れに変わりはありません。

むしろバリューを徹底して考える

話し方のテクニックよりも、むしろ提案を準備するうえで、大事にして極論徹夜してでも考えてほしいのが「バリュー」です。あなたの(あなたの会社の)熱い想いでもあります。たとえ寡黙で、話すのが得意でない人であっても、想いは口にすることができます。

たどたどしくても、簡素な資料でもかまいません。GISOVの間に矛盾がなく構成されていれば、相手にとっては「良い提案」と感じることでしょう。

私自身の経験から言っても、抑揚をつけて話したり、わかりやすいたとえを使ったりして流暢にプレゼンできる人が、必ずしも提案を受け入れてもらえるというわけではありません。


提案する内容がほとんど同じなのに、承認される人と却下される人はいます。その違いはどこにあるのか。仕事の中でさまざまな経験を積むことで、それはプレゼン力の違いではなく、「想い(バリュー)」が伝えられるかどうかだということが、私にもわかってきました。

明確な言葉にはできない想いがあるかもしれません。しかし、

「私はこんなことを大切にしています。だから今回の提案に至ったのです」
「今回のプロジェクトには、こういう点で大きな意義があると思ったので、ぜひ僕自身が担当としてお手伝いをしたいんです」

といった想いは、本気であれば必ず伝わります。

バリューに込めるのは「しゃべりだしたら止まらない」くらいの熱い想いです。もちろん前段に「GISO」があることが前提なのですが、想いを伝えるのにテクニックは必要ありません。むしろ熱くて泥臭い話し方のほうが伝わることさえあります。だからこそ、「GISOV」という「型」は、誰にでも使えるものなのです。

バリューがあるから「あなたに頼む理由」が生まれる

野村総研でOB訪問を訪ねた時からですが、なんども聞いた単語がこのバリューでした。野村総研には、「自分たちの仕事は、既存のフレームワークに頼って、論理的にスキルにあてはめて分析するだけではない」という気概がありました。単にお客さんの問題を解決するだけのプロフェッショナル集団ではなく、共に船に乗る。そういう本気がこの会社にはあったと今振り返っても私は思います。なので、提案書を書く前は何度も「なんでこれをウチが提案するの?」という問答が繰り返されました。その結果、日系の他社と比べて高い金額の提案内容であっても受注、そしてリピートに繋がったと僕は思っています。

これは個人のバリューで言い換えれば、言い換えれば、「いかに自分が、この問題を解決したくてうずうずしているのか」という自分の動機や価値観です。転職の場合であれば「自分を雇うことで、あなたの会社にいかに役に立つのか」という想いだといえるでしょう。「確かに、こいつならやってくれそうだな」と思ってもらえるかどうかがカギです。

バリューには、その仕事に向き合う姿勢、言い換えると「顧客に対して絶対に守る約束」が表れます。それを感じ取ってもらえると、多少、金額が高くても他社には頼みません。あるいは次の問題が起きたときにはリピートしてもらえます。

近い将来、GISOまでなら人工知能でできる時代が来るかもしれません。すると常に100点の仕事ができるようになるでしょう。

しかし、仕事にバリューという人間的な要素を入れることによって、振れ幅が生まれます。70点、80点に落ちる危険性がある一方で、120点、150点をとれる可能性が出てくるのです。この振れ幅こそが、機械にはできない人間の仕事の価値だと思います。人間にしか「真のバリュー」を生み出すことはできないと私は思います。

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