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転職者が社内で提案するときのコツ

このnoteの概要

こんにちは、村井庸介です。
就職・転職における内定取り消し、自宅待機が増え今後のキャリアについて悩む方の話を聞く中、僕が世の中に貢献出来ることは何かと考え、働き方・キャリアについて、出版した2冊の著書をもとに、このnoteを始めました。

ここ数回は、「GISOV」を使って提案をする際に注意すべきポイントを、解説しています。前回は、提案する際にお供となる提案書を書く際の心がけをお伝えしました。今回は、転職したての方が社内で提案する際のコツについてお伝えいたします。

自分は「よそ者」。
まずは与えられたゴールに全力を尽くす

ここでは、転職などで新しい職場に入った場合に、社内での提案をする際の注意点をお話しします。転職以外にも、異動でこれまでと大きく異なる業務・部門に携わることになった場合などにも応用できるはずです。

当然、入った会社には、その人たちの仕事の仕方があり、文化があります。いきなり提案をしてはいけません。それは自分が前職などで培ってきた、異なる考え・文化の押しつけになりかねないからです。当然、反発があるでしょう。心理的な障壁が生まれて、どんなに合理的で画期的な提案であっても、承認されにくいわけです。

このnoteで取り扱っている「GISOV」についても、行きなし社内の会議でこの単語を使い始めたら耳慣れない言葉なので、「屁理屈」だと勘違いされやすいです。論理的であるがゆえに、受け入れてもらえる環境がないところでいきなり使うと、「生意気だ」と見られがちなのです。

そもそも提案とは、「相手によくなってもらうため」にするものです。
それが新しい会社の社内の問題解決であれば、まずその会社を知らなければ、真のゴールやイシューは見つけられないでしょう。

そのため、まずはその会社の仕事の進め方を尊重し、すでにある流儀やルール、やり方に自分を合わせることを意識します。

具体的にいえば、会社が目指しているゴールがあって、それを自分の部署で達成しなければならないとすると、それに対して自分が任されたタスクに全力を尽くすということです。すでにあるゴールを前提として、まず動いてみます。

これは、「チームワークの中に飛び込む」ということでもあります。入社していきなりは、大きな仕事を任せてもらえないかもしれません。しかし、やれることはあるはずです。

自分の仕事を探すときは、次のような観点で行うのがよいでしょう。

・部署のゴールを理解した上で、それに貢献できる仕事
・なおかつ、そんなに重要度が高くなく、緊急性もない仕事
・「いつかはやらなくちゃいけない」とみんなが思っているのに放置されている仕事

まずはこうした仕事を見つけます。それは(小さいかもしれませんが)イシューであるはずです。言われるのを待つのではなく、自分で探す。そして「これ、私にやらせてください」と積極的に手を挙げます。

人がやりたがらない仕事、放置されている仕事を率先して行う。これは新しい職場でもすぐにできて、なおかつ早くチームになじむための鉄則です。

自分の「型」は、見えないところで同時に走らせる

既存のチームになじむ努力をする一方で、同時にその会社におけるゴールとイシューを見極めます。

2つの視点で、同時進行しているようなイメージです。

よほど大きな、あるいは深刻な課題を抱えているのでなければ、無理に新しいゴールや新しいイシューを見つけようとしなくても、差し当たっては会社の現状をそのまま受け入れればいいでしょう。

ただ自分の中で
「ちょっと違うかもな」「もう少しよくできるな」
と感じたら、それをあたためておくわけです。

社内で新しい提案をするタイミングは、ひと通り、既存の仕事やプロジェクト、作業を終えたときです。少なくともワンクールの仕事は、そのまま受け入れてやってみる。提案はそのあとです。

その間に違和感が生まれたとしても、ひと通りやってみるまでは、誰かに伝えるのは控えておくほうがベターです。なんといっても、ひと通りやる前とやったあとでは、説得力が違います。やりもしないで提案すれば、ただの文句。やってみた上で言うから、聞いてもらえるのです。

たとえば、会社で管理しているエクセルのフォーマットが整理されていなくて使いにくいと気がついたとします。使いやすいデータ管理の方法をよそで見てきていれば、「もっとよくなるのにな」と気がつくのですが、既存のメンバーにとってはそこに違和感はありません。

「そう言われると、確かに使いにくいかもしれない」「でも、そんなにたいしたことじゃないし」「とりあえず、使えているから」といったところです。それを、入社していきなり「このエクセルデータの管理の仕方、おかしくないですか」と言えば、上司やメンバーはカチンときます。
「そんなこと、わかってるけど、こっちだって大変だからやれてないんだよ」と思われるだけです。

そこで、違和感は大事にしながらも、まずは自分の内に収めて、エクセルを使った資料づくりという目の前の与えられた仕事に集中します。

「おつかれさま、ひと仕事終わったね」というタイミングで、「ところで、データ管理がちょっとわかりにくいかなと思ったんですが、こういうふうに改善してみてもいいですか?」という提案をするのです。

大事なポイントなので繰り返します。新しい会社に入ったら、まずは既存の仕事、あるいは仕事の進め方や流儀を尊重する。しかし、見えないところでは、自分の「型」を使ってゴールとイシューを発見する。

これはいわば裏で「型」を使っている状態です。

そして、ワンクールの仕事が終わった段階で提案を行います。裏で「型」を動かしていたからこそ、チャンスが来た瞬間すぐに提案できるわけです。

出展:どんな会社でも結果を出せる! 最強の「仕事の型」

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