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社外への提案は共同プロジェクト

このnoteの概要

こんにちは、村井庸介です。

就職・転職における内定取り消し、自宅待機が増え今後のキャリアについて悩む方の話を聞く中、僕が世の中に貢献出来ることは何かと考え、働き方・キャリアについて、出版した2冊の著書をもとに、このnoteを始めました。

前回は、営業など社外に提案するにあたっての事前調査の重要性について、お伝えしました。今回は、実際に提案していくにあたって、「型」であるGISOVのポイントをどのように気を付けると良いのかお伝えしていきます。

決裁者は何を考えているのか?

G:取引先の担当者の上にいる「決裁者」を意識する

取引先に提案する場合、多くは窓口となる担当者と、そのひとつ上の課長・部長クラスが直接の交渉相手となります。その場合に重要なことは、担当者と同じ仲間になるという意識です。

これには2つの側面があります。ひとつ目は、担当者自身が決済するわけではないということ。つまり担当者は、私たちが提案した内容について、その後、社内で上司(たとえば事業部門長や社長など)を説得するわけです。
したがって、「担当者が決済者を説得できる提案」にする必要があるということです。「部門長なら、どこがネックだと考えるだろうか?」「社長なら、どこに魅力を感じてくれるだろうか?」といった決裁者の視点を、担当者と一緒になって予測し、先回りするのです。すると、

・予算(支払う代金)に見合う成果が確実に得られるのか
・それはどの指標で確認できるのか
・その間にコストはどれくらいかかるのか
・いつまでに成果が出るのか

といったことを明らかにすることがいかに重要か、理解できるでしょう。決裁者に対しては、私たちと担当者は同じ「提案者」という仲間なのです。

もうひとつの側面は、担当者と実務レベルを超えた関係性になるということです。

提案はあくまでも、それによって相手の会社がどう変わるか、どれだけよくなるかを目的としています。そこで「一緒に会社をよりよくするためのベストな解決案を探しましょう」という、いわば「共闘関係」を築き上げるわけです。


「担当者」と「提案者」が、単に「発注する人」と「作業する人」の関係性になってしまうと、視野が狭くなりますし、新しいアイデアが生まれにくくなります。しかも担当者は、現場の「いま」に追われています。

それらを乗り越えて、仲間として一緒に考える関係になることができると、経営者の視点や中長期的な視点を踏まえて、会社全体を広く柔軟に考えることができます。するとよりよい提案が生まれやすくなるのです。

I:ロジックからいったん離れて「そもそも」を考えることも必要

多くの場合、ゴールが決まれば、ロジックでイシューにたどり着くことはできます。あるいは、先にイシューがある場合も、それに対するゴールはロジックで決められます。
しかし、ロジックには落とし穴があります。「だけど本当に全体はそれでいいの?」という「そもそも」が抜け落ちることがあるのです。

とくに社外の取引先に対してのゴールとイシューを見極める際には、「いったんロジックから離れてみる」ことも必要です。なぜなら、取引先の事情のほとんどを該当部署の担当者から得ているため、情報が不足しているケースが多いからです。その情報だけでは、会社全体にとって最適な提案かどうかがわからないこともあります。

単純化した例で説明します。「東京から大阪に移動する」というゴールがまずあったとします。そのときのイシューは、「交通費がかかりすぎる」ことだとします。すると、

・多少、時間がかかっても新幹線を使う
・飛行機会社の株主になって割安の航空券を買えるようにする
・深夜バスを利用する

などの方法(ソリューション)が考えられるでしょう。ここまではロジックです。

ここでの落とし穴は、たとえば「本当に行き先は大阪でいいのか?」です。札幌のほうがいいのではないか。あるいは、アメリカという選択肢もある。つまりゴールの見直しです。仮に「やっぱりアメリカにしよう」となった瞬間に、その先のイシューやソリューションは、ほとんど意味がなくなります。根本的なコストが変わるのですから。

担当者から「東京から大阪に行きたい」と言われた時点で思考停止してしまうと、札幌やアメリカという選択肢が見えなくなってしまうのです。

ゴールとイシューを設定するときには、柔軟に考えなければなりません。とくに社外の取引先が相手の場合はそうです。そのためには、いったんロジック思考を止めて、「そもそも……」という視点に切り替えてみるというステップが有効なケースが多いのです。

S・O:ただの作業にならないように付加価値をつける

とくに社外の取引先に対して提案する場合に注意したいことは、「この提案にはどんな付加価値があるのか」です。

中でもソリューションとオペレーションについては、「なぜ自分たちに頼んだほうがいいのか」「自分たちならどんな付加価値を提供できるのか」を工夫する必要があります(それがバリューでもあります)。

新規事業やプロジェクトの立ち上げの場合、ソリューションとオペレーションにはある程度の「力仕事」が必要になります。人件費がかかるわけです。その場合、提案を承認して発注してもらう要素は、次の2つにひとつです。

①よそよりも安くする
②高くても、よそではできない内容を提供する

誰でもできる単純作業であれば、委託企業を探したり、人件費が安い海外に発注したりすればいいわけです。

もしそのソリューション、オペレーションを自分(自社)で請け負いたいのなら、競争力の高い内容を提供することが必要になるでしょう。たとえば野村総研の事例で紹介した、他社よりも格段に信憑性が高い調査を行い、深くて正確な分析結果を提供できるという優位性です。それは、提案のバリューに説得力を持たせることにもつながっています。

V:自社の立ち位置を明確にし、本来の目的からぶれない

これは社内の提案にも通じるのですが、いちばん強いバリューは、「本当に正しいこと」に立脚したものです。
設定したゴールとイシューに対して、なぜ自分が取り組むのかを伝えるときに、いちばん説得力があり、なおかつ整合性がとれるバリューの条件。それは、

・自分のミッションとつながっていること
・相手をよくしようと純粋に願っていること

です。取引先の痛みを理解し、それを解決するために取り組むという想いです。
もちろん、ビジネスですから自分の売上も大事です。しかし、受注しよう、競合他社に勝とうと焦るばかりに、自分にはできないことを安請け合いしたり、逆に本当はできることをあえて隠したりしていると、トータルではうまくいかないということです。
「本当に正しいこと」を常に見極め、自分たちの立ち位置を確かめて、本来の目的からぶれないこと。取引先が他社ではなく自分たちに頼むときには、それが最も強い理由になるのです。

イメージは下の図のようなものです。

取引先が目指したいゴールの円があります。一方で自分たちが持っている価値観の円があります。その2つの円が重なる領域を常に意識する。見つからなければ、見つかるまで探し、それでもなければつくり出すのです。

はじめて仕事をする相手であれば、自分の「信頼の残高」もありません。「顔で受注する」わけにはいかないのです。そのときの武器になるのは、「一緒によくなりましょう」「そのために全力を尽くします」という想いしかありません。

出展:どんな会社でも結果を出せる!最強の「仕事の型」

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中小企業様向けの新規サービス開発、事業提携、業務改善のコンサルティングをしています。 野村総合研究所出身。10年で7回転職し、上場企業からベンチャーまで、どこでも誰とでも働く仕事の型みたいなものが見えてきました。 クラフトビール企業の株主でもあります。ビジネス書を2冊出版中

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