急性期での長下肢装具作製の効果は?多施設の回復期リハビリテーション病院での検討
急性期病院での長下肢装具の作製が 脳卒中片麻痺患者の回復期リハビリテーション病棟 退院時の歩行能力に与える効果
─ 多施設の回復期リハビリテーション病棟のデータより─
理学療法科学 36(1):41–45,2021
栗田慎也ほか
急性期からのKAFOの作製の効果的あるとの発表は今までいくつか論文として出ていますが(興味ある方は一番下に論文を貼っておきます。参考にしてください。)、今回は初の多施設での研究になります。
急性期でKAFOを作製した群(作製群)とKAFOを作製していない群(非作製群)を回復期退院時の能力で比較しています。
両群の急性期でのデータの差はありませんでした。
回復期退院時の歩行、階段FIMは作製群が非作製群でに比較して有意に改善していました。
また、回復期退院時の下肢装具脱却率は作製群が66.7%となっており、非作製群と比べ有意に高くなっていました。
今回も早期作製が効果的であったとの結果になりました。単一施設ではバイアスがかかりやすいため、多施設で結果が出たことはより早期作製が効果的であると裏付けることとなるかと思います。
驚いたこととして作製群の脱却率が66.7%とかなり高いことです。KAFOを作製するだけでこれだけ結果が出るとしたらすごいことです。
しかし、データをよく見ると年齢など有意差はありませんが、作製群が10歳以上若いです。
症例数が多くなるとこの辺も差が出てきそうですね。
急性期脳卒中患者における長下肢装具を用いた歩行練習が身体機能と移動能力の長期予後に与える影響
理学療法ジャーナル 54巻8号 2020
木村友亮ほか
重度片麻痺例における急性期からの長下肢装具作製が歩行および階段昇降の予後におよぼす影響
高島悠次ほか
日本義肢装具学会誌 vol34,No1 2018
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