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短下肢装具の種類と特徴のまとめ

装具無料相談始めてみます。気軽に相談してみて下さい。


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こちらの記事読者数が非常に多くなってきています。ありがとうございます。
今後も有効な記事を書きたいと思います。


装具は難しい

そう感じている人も多いと思います。

さぁ!いざ装具を作製しよう!としても、装具の特徴を知らないと勝負が出来ません。

まずはそれぞれの装具の特徴を知り、試してみる(備品がなければ装具会社にお願いすれば貸してもらえることもあります。)ことが重要と考えます。

表を作ってみましたので、早速説明をしていきます。

(装具はこの表だけでは語れませんが、、、制動力と調節性を軸に考えてみました。)

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シューホーンブレース

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まずは一番使用頻度の高いシューホーンブレース(SHB)についてです。

メリット
・軽い
・安い
・スマート
・ゴツくない

デメリット
・角度調整ができないため、機能変化に合わせての調整が難しい
・厚さを変えられないため、厚さによるたわみ調整が難しい
・生理的な足関節軸と異なる
・やり直しが効きにくい(作り直しとなってしまう)
・壊れやすい
・皮膚トラブルが生じやすい

調整した後でやり直しができないから意外と難しいんです、、、備品でちょうどいいものがあればいいんですが、なかなか理想通りのものが無い病院も多いかと思います。

この点は慣れといいますか、感覚も必要だと思います。義肢装具士さんとも相談ですね。

はじめにトリミングしないで作製しておいて、後々トリミングするって手段もありますが、なかなかトリミングするまで決断できないことが多いみたいです。

実はシューホーンブレースは難しいんです。

・厚さ
・初期背屈角度
・トリミングライン

ぐらいは事前に決定しておき義肢装具士さんにオーダーして下さい。やり直しが出来ませんので、、、

オルトップ

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オルトップ、オルトップLH、オルトップLH +(側壁あり)、オルトップLH +(側壁なし)の4タイプがあります。それぞれ強度や長さ、側壁などが違います。


メリット
・軽い
・薄い
・靴を選ばない
・よく撓む

デメリット
・制動力が弱い
・よく撓む

適応としては軽度麻痺から下垂足レベルの方です。患者さんは軽いのでこちらの装具好むことが多いですが装具が負けてしまっては意味がないので注意をしてください。

オルトップだとかなり弱いのでオルトップLHがよく出ます。LH +になると前足部まで足底があるので、クロートゥなどある場合はそちらを選択することもあります。LH +じゃないと装具が負けてしまう場合はSHBなども検討しておいた方が良いと思います。

ダイナミックAFO

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https://www.e-expo.net/materials/016126/0009/index.html


メリット
・軽い
・薄い
・靴を選ばない
・よく撓む

デメリット
・制動力が弱い
・よく撓む
・下腿前方のプラスティックを邪魔に感じる人もいる

オルトップと同様またはそれよりもやや強いぐらいの制動力です。

オルトップとの違いは下腿部のプラスティックが後方ではなく前方についているところです。また、足関節部のベルトがありません。

背屈する際にプラスティックが前方にあるためオルトップより安心感があります。また、足関節部のベルトがないことからスムーズに背屈が出ると思います。しかし、下腿部のプラスティックが前方にある事で背屈しにくい、当たって気になるなんて方もいます。

前方にプラスティックがあることがプラスに働くか、マイナスに働くかを感じなければなりません。

軽度の麻痺の方はオルトップとダイナミックAFO両方試してみてどちらがしっくりくるか評価しています。あまり知られていない装具だと思いますが、もっと有名になり、選択肢に入っていい装具だと思います。


金属支柱付き短下肢装具(SLB)


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http://www4.plala.or.jp/hpomf/link5.html

足部がプラスティック


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http://po-kyowa.sakura.ne.jp/fitting02_7.html

つま先が空いている(覆い形)

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つま先まで覆われている。(靴型)

作製する事が多い装具だと思います。一番は強制力が高い事が特徴的です。MASが2以上ある場合には第一選択になるかと思われます。

タイプがいくつかあります。使用場所や履きやすさ、矯正力などに変化があります。

足部プラスティックでは靴を購入すれば屋内外でも使用できます。

覆い型では足部がガバッと開きますのでかなり履きやすいです。ですがつま先が空いてるので屋外などでは気をつけなければなりません。基本的には屋内用です。

靴型は外でも履けます。足部を入れ込まなければならないので履きにくさはあります。

使用場所をよく考えて足部を選択する必要があります。

ちなみにダブルクレンザックですがいくつか種類があります。基本的にはロッド棒で良いと思いますが、バネで少しだけ補助してくれるタイプもあります。

メリット
・強制力が強い(最強)
・角度調整が可能
・ストラップなど付けやすい

デメリット
・重い
・ゴツい

調整方法も載せておきます。


ゲイトソリューションデザイン(GSD)

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完成から凄く人気になっていきました。

GSDの最大の特徴は底屈制動力を調整できるところです。今までは撓みの力を利用したり、バネの力を使っていましたので、だんだんと可動範囲が広くなると抵抗力も上がっていきました。GSDでは可動範囲に一様に力が加わるので可動範囲に左右されずに抵抗を調整できるようになりました。

また、生理的な歩行では踵接地後に足関節底屈が生じますが、SHBなどでは難しい事がありました。

この底屈が生じるとこでロッカーファンクションが働き、倒立振り子が可能となります。

メリット
・底屈制動力の微調整が可能
・初期背屈角度の調整が可能
・軽い
・靴が履きやすい
・デザインがスマート
・ロッカーファンクションが可能となり、倒立振り子運動が可能

デメリット
・筋緊張が強い場合には不適
・内反に弱い
・膝、股関節の支持性が不良だと膝折れ、バックニーが生じていしまう

調整方法もよく見ておいた方がいいと思います。知らない人が意外と多いです。


ゲイトソリューション(GS)

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SHBにゲイトソリューション継手が付いたものです。

ゲイトソリューションデザイン(GSD)とは違いSHBをベースにしています。(金属支柱付き短下肢装具に付いているものもあります。)

GSDよりスマートさにはかけるけど、GSDより制動力はあります。内反が強い場合はGSDでは押さえられないので、こちらを考えてもいいかもしれません。

メリット
・底屈制動力の微調整が可能
・初期背屈角度の調整が可能
・ロッカーファンクションが可能となり、倒立振り子運動が可能
・GSDより制動力が強く内反などのにも使える

デメリット
・筋緊張が強い場合には不適
・膝、股関節の支持性が不良だと膝折れ、バックニーが生じていしまう


RAPS

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http://www.tomeibrace.co.jp/catalog/pdf/raps.pdf


藤田保健衛生大の才藤教授らが作ったものです。

学習理論などでも有名ですが、難易度を適切に設定するという点においてRAPSは優れています。

角度調整、支柱の撓み具合を調整出来ますので、その人にあった物を選択することで効果が上がります。

また重さも軽量化され、調整も簡単になりました。

以前作製しましたが、軽いです。調整も楽ですのでTAPSのころより使い勝手が良さそうです。

メリット
・角度調整調整が用意
・支柱の強さを選べる
・軽量化された
・デザインがスマート

デメリット
・生理的な足関節軸とズレる
・後方部分がやや広くなり、大きめの靴が必要になる
・値段が高い

僕は好きなデザインです。カッコいい。


タマラック


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http://www.sudagishi.com/p-gishisougu/kind03/

継手付きのSHBというイメージで考えて下さい。背屈派フリー、底屈は制限になります。

初期背屈角度は作製してからも少しの調整は可能ですが大きな調整は難しいこともあります。

メリット
・背屈派フリーなため生理的な歩行に(足関節背屈、股関節伸展)近づける
・SHBタイプなので軽い
・強度は継手付きのSHBのなかでは強い方

デメリット
・継手部分は回旋に弱い
・膝折れしやすい
・底屈の可動性は少ない(HCからFFまでの底屈が出ない)


オクラホマ継手付き短下肢装具


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https://colabo-po.com/item

背屈フリーで底屈制限です。タマラックとかと何が違うのか?ってことを疑問に思うかもしれません。

継手が違います。タマラックでは足部と下腿部を継手だけて接続していますが、オクラホマでは連結している部分が大きいので強度があります。また、タマラックと比べ回旋への強度が強いです。

逆に継手部分が大きいので見た目はゴツくなってしまいます。

メリット
・背屈派フリーなため生理的な歩行に(足関節背屈、股関節伸展)近づける
・SHBタイプなので軽い
・回旋への強度も強い

デメリット
・ゴツい
・背屈フリータイプなので膝折れしやすい

背屈フリーのタイプは膝折れがしない事が前提ですね。

CEPA

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リーストラップ

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どちらも下垂足用の装具になります。

矯正力は強くありませんが、下垂足レベルの方には適応となります。

メリット
・軽い
・薄い
・柔らかい
・靴が履ける
・サポーターの様に装着できる

デメリット
・制動力が弱いため下垂足レベルでないと装具が負けてしまう


アンクルサポート

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サポータータイプの足関節装具です。

脳卒中患者ではなく足部不安定性がある方に使うことが多いと思います。

サポーターは一般用、スポーツ用、医療用さまざまな物があります。

メリット・軽い
・薄い
・柔らかい
・靴が履ける
・通気性などが良い

デメリット
・制動力は弱い(種類よりけりですが、、、一般的には弱いです)

まとめ

制動力と調節性を軸に装具の種類を簡単に説明してみました。

装具って調べてもなかなかどんな特徴があるかわからないんですよね。それに、種類もたくさん。SHBにしてもいろんなタイプがあるし、、、、はじめての人には難易度が高いと思われます。

それに生活環境、認知機能、退院後の生活、作製のタイミング、機能回復やADLの予後予測、患者さんの受け入れ、生活、歩容などなどいろいろなことを総合して考えなければならないので、、、、どこから調べればいいの!!??ってなります。

誰か相談する相手が必要なんですよね。同じ施設に精通している人がいればいいんですが、そうでない人もいるので、、、そんな人の役に立てれば幸いです。僕で良ければ相談相手にしてくれてもいいですので、なにかあればコメントからでも質問して下さい。

まずはスタンダードな装具を覚えて発展していければと思います。その際はなんとか手に入れて評価してみる事が大切かと思われます。

簡単な説明でしたが疑問などありましたらコメントして下さい。


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