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なぜ、グローバル化が必要なのか

 今年の日本は、3年ぶりに行動制限がない夏となり、久しぶりに海外で過ごしたという人も周りにもチラホラでてきました。僕もこれからできる限りの時間を使って海外に出向き、日本だけでなく、グローバルのビジネスの現状を理解し、マネーフォワードの今後の経営に生かしていきたいと思っています。これ、単なる希望や願望ではなく、かなり本気で考えています。
 
なぜ本気かというと、マネーフォワードのグローバル化をさらに加速していく必要があるからです

グローバル化には「資本のグローバル化」「人材のグローバル化」「事業のグローバル化」の3つのステップがあると思いますが、2017年の上場以後、海外機関投資家のご支持もいただき、株主様の約半分が海外機関投資家の方々になり、「資本のグローバル化」に関してはかなり前進しました。

次に今取り組んでいるセカンドステップは、「人材のグローバル化」。つまり、一緒に働いてくれる素晴らしい仲間を国内に加えて、広く世界中から募っています。

ここであらためて、なぜグローバル化を目指すのか? という点についてですが、主に2つの理由があります。

1つ目の理由は、我々が実現したい世界観、サービスの数々を実際に開発、リリースしていくためには、国内のエンジニアだけでは全く足りず、世界中の優秀なエンジニアの方々の助けが必要だからです。

長期にわたり、日本のIT人材不足が叫ばれる中、僕たちは国内有数の採用力(!?)を発揮しながら、東京本社に加えて、京都、大阪、福岡、名古屋と、国内のさまざまな場所に開発拠点を増やしてきました。

しかし、我々の実現したい世界観、サービスを実現していくためには、まだまだエンジニアリソースが不足しています。
そこで3年前の2019年にベトナム・ホーチミンに初の海外拠点をつくり、2021年にハノイにも新拠点を設立。さらに今、インドにも拠点を設立中です。

国内でのNon-Japaneseエンジニアの採用と海外拠点の設立を同時に進めていった結果、今ではエンジニアの3割がNon-Japaneseになりました。他社と比較しても、かなり速いスピードで進んでいるのではないかな、と思います。
 
グローバル化を目指す2つ目の理由は、将来の成長のために、より中長期的な視点で考えると海外マーケットは欠かせないからです。

GDPの6〜7割と大きな部分を、個人消費が占めますが、人口が減少していくことが確定している日本は、残念ながら中長期で見るとマーケットとしては縮小していきます。
(勿論、国内企業のクラウド化は、まだ20%前後とこれから大きく伸びていく現状なので、我々がビジネスを展開するマーケットは、成長機会が非常に大きく、足元は全力で国内マーケットにフォーカスしています。)

円安も進む背景の元、成長率の高い海外事業をポートフォリオに入れていくことは、中長期の成長戦略の上で欠かせない条件である一方で、難易度が高い取り組みでもあり、ものになるには5年10年と長い期間が必要になります。
日本企業では、リクルートさんやM3さんなどが、この難題に果敢に挑み、見事素晴らしい結果を出されていると思います。

「テックジャイアントを目指していこう」

社内に向けて、目を輝かせながら語ってくれたのは、インドに飛んで新拠点を立ち上げ中のCTO中出です。グローバルで通用するスタートアップに成長していくことを本気で目指し、具体的な準備を進めています。

例えば、社内公用語の英語化。エンジニアチームを中心に、英語を使って不自由なく働ける環境を整えるべく、3年計画で語学スキルアップを進めています。英語に苦手意識をもつメンバーもいるので、会社が全面的にサポートし、レベル別のプログラムを準備。中には3カ月でTOEICスコアが200点以上も急上昇した人もいて、いい刺激になっています。

ちなみにCEOである僕も、恥ずかしながら数年前から英語の勉強を続けています。30代の頃MBA留学で2年ほどアメリカ、ヨーロッパなどで暮らしましたが、英語は決して得意ではありません。
まだまだ下手な英語でストレスも多いですが、重要なのはコミュニケーションを諦めない姿勢だと思っています。そもそも「完璧な英語」を喋れる人なんて滅多にいません。いわゆる「グロービッシュ」で十分だと思っています。

メンバーそれぞれの出身地の特徴、アクセントが入り混じった多様な英語が飛び交う。そんな敷居の低い、オープンな環境になるほうが、みんなにとって、英語を使いやすくなるはずです。また、英語で仕事ができるということは、メンバー一人一人のキャリアアップにも必ず繋がっていきます。

言葉にくわえて、文化に寄り添う環境づくりにも努めています。例えば、東京本社の一角にできた「Prayer Room」。日中にお祈りをする習慣がある宗教を信仰しているメンバーの入社が決まってすぐに準備をしたところ、とても喜んでくれました。ほかにも、日常生活に必要な日本語を学ぶための有志コミュニティ「TERAKOYA」が自然と立ち上がったり、海外メンバーの来日に合わせて採用チームが成田空港まで迎えにいったり。歓迎ムードがすでに盛り上がっています。

はるばる海を渡ってマネーフォワードにジョインすることを決めてくれたメンバーたちの前向きなパワーには、僕たちも、とても刺激を受けています。

つい先月のことですが、インドやコスタリカから来日して最近入社してくれたメンバー4人と僕もランチを楽しんだのですが、みなさんとても成長意欲が高く、前のめりに質問してくれて、能力も申し分なく優秀。心強いメンバーが揃ったことがとても誇らしいです。「マネーフォワードは多様性に理解があり、入国対応、家探しで必要な情報の提供、区役所などの生活のサポート、VISA発行のサポートをしてくれたりと親身になってくれるのでありがたい」と言ってくれてホッと安心しました。

母国でない国で、新しいチャレンジをすることの大変さは、留学を経験した僕もよく理解しています。メンバーが、安心して自分たちの持ち味を出して活躍ができるよう、日々の生活が楽しく充実して過ごせるよう、引き続き全面的にサポートしていきたいと思います。(我々のCultureの一つ “Teamwork”の体現ですね!)

ランチの様子

グローバルメンバーが活躍するステージも広がっています。グループ会社のマネーフォワードiのCTOに就任したSonさんは、ベトナムから新卒採用でジョインしてくれた4年目のメンバー。超優秀で、チームをぐいぐい引っ張ってくれています。卒業校のハノイ工科大学ではすっかり有名人になっているようで、「Sonさんのようになりたい」とマネーフォワードに興味を持ってくれる人も増えていると聞いています。

また、Team Nikkoというグローバルチームは、クラウド会計サービスや新規プロダクト立ち上げといった重要な仕事を担ってくれています。日本でキャリアを積んだ後に自国に戻るライフプランを希望するメンバーが、いずれ故郷の地でグループ会社の社長や経営陣になってくれたらいいなぁと夢は膨らみます。

東京本社のオフィスでも、あちこちで英語で立ち話をする風景が増えてきて、着実にグローバル化が進んでいることを実感していますが、もっと多様な組織にできるよう、まだまだ環境整備を加速させていきます。

僕たちが採用でこだわるポイントは何かというと、「能力」「パーソナリティ」「ミッションへの共鳴」の3つで、これはJapanese, Non-Japaneseを問わず共通しています。グローバル化を進めるにあたっては、僕たちのミッションが日本国内に限定されるものではなく、世界においても、価値創造につながることも必須。そこで、僕たちは「Society Forward(社会を前へ)」という言葉を掲げています。

今後は海外事業のM&Aにも挑戦していきますし、僕自身も世界の潮流にアンテナを貼るために、海外に積極的に出て行きます。

マネーフォワードの経営陣のグローバル化もこれから進むでしょう。僕の次か、その次のCEOはNon-Japanese になることも十分ありえるかと思います。 

「お金を前へ。人生をもっと前へ。」、そして「社会を前へ。世界をもっと前へ。」
果てない夢に向かう道は時に厳しくもありますが、ビジョンを共にする仲間がいれば怖くありません。僕たちと未来を一緒に描き、前へと進んでくれるメンバーを引き続き大募集しています。

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