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スタートアップ企業を増やすための、ペイフォワード精神

サッカーワールドカップ、すごく盛り上がっていますね!日本代表は残念ながら目標のベスト8には届かなかったものの、ドイツ、スぺイン、クロアチアという強豪国に貪欲に挑戦する勇姿から、僕も前に進むパワーをもらいました。

スポーツと経営とでは持ち場は違いますが、僕も事業を通じて、誰かに希望や勇気を与えられる存在でありたい、そしてグローバルで通用する事業を作っていきたいと決意を新たにしました。

誰かの力になれる自分。社会の力になれる自分。

そんな自分になるベストルートは、マネーフォワードの事業を成長させていくことだと信じて今日までやってきました。

個人や企業のお金の困りごとを解決していくことで、未来に希望を感じられる人、夢に向かって挑戦できる人を増やすことが、今の僕にできる最大の社会貢献なのだと。この姿勢はこれからも変わらないと思います。

一方で、社会が抱える課題は複雑化・細分化・多様化しています。気候変動、貧困、ジェンダー、新たに勃発した紛争の犠牲者救済など、ここ数年で深刻な問題が噴出しています。

これらの問題すべての解決を政府に委ねるのはではなく、民間の力も活かして解決していくことが必要です。

では、政府に代わって民間でそれらを解決する担い手になるのは誰なのか? 僕は、「スタートアップ企業」もその役割の一旦を担うことができるのではないかと考えています

もちろん、NPOなどソーシャルセクターも、代表的かつ強力な担い手であり、僕も個人的にいくつかの団体に(微力ながら)寄付もさせていただいています。ただ、もっと社会課題解消の担い手を増やせたら、世の中をよりよくするスピードを上げられるはず。

そこで、よりダイナミックに資金力を活かせ成長のレバレッジをかけることができる「ビジネスの力」を、社会課題の解消のためにより活かしていけたらいいと思っています。だからこそ、社会課題解決、社会の成長のために「多くの起業家が誕生し、成長していくこと」が大切だと思います。

「それならば、大企業が社会課題解決型の新規事業を生み出すほうが、インパクトが期待できるのではないか?」

そんな疑問が浮かぶ方もいるかもしれません。勿論その方法も大切ですが、これからの日本は大企業だけに頼らず、大企業とスタートアップ両方の良いところを活かして社会課題の解決を目指すべきでは、というのが僕の率直な意見です。

政府も「新しい資本主義」の成長戦略の柱として「スタートアップ育成5カ年計画」を定めて、新興企業への年間投資額を2027年度までに現状の10倍超にあたる10兆円前後まで増やすという大きな数値目標を掲げています。企業価値が10億ドル(約1400億円)以上の所謂「ユニコーン」企業が、米国では600社を超えるのに、日本では数社しかないという状況を変えていく好機です。

数百億、数千億円という売上単位でビジネスを動かしている大企業が、新規事業に投資する際に、将来性のあるスタートアップと手を組む方法を選ぶ経営者も増えていくのではないでしょうか。大企業と起業家がタッグを組んで社会解決型のイノベーションを多数生み出していく社会がこれからの日本にはもっと必要ではないかと僕は思うのです。

スタートアップ企業は失敗できないからこそ、思いも強く、結果も早く出やすいかもしれません。

だから、社会を変えるインパクトをもっと生み出すための有効策は「スタートアップ企業を増やすこと」。

スタートアップ企業、そしてそれに関わる人々を増やすために、僕が個人としてできるサポートに取り組んでいく。これも社会貢献の一つの形であると思っています。

具体的なアクションの例を挙げると、2020年に立ち上げた「京大エンジェルファンド」という取り組みがあります。

僕の出身大学でもある京都大学にゆかりのある設立5年以内のスタートアップ企業を対象に、最大1,000万円の出資をするというもの。僕は発起人の一人という立場で、SHIFT社長の丹下大さんや投資家の山本康正さんと、ドリコムの内藤さん、フォリオの甲斐さん、フィードフォースの塚田さん、Gumiの川本さん、メタップスの山崎さん、M&Aセンターの渡部さんなどなどと一緒に、めちゃめちゃユニークで将来有望なスタートアップ企業を応援しています

詳細はこちらをどうぞ。現在、2号ファンドを準備中です

ただし、僕自身はこのファンドの投資の意思決定には一切関わっていません。マネーフォワードのグループ内で、スタートアップ出資事業のHIRAC FUNDを強力に推進している関係上、利益相反を防ぐ必要があるためです。

では、一体何の支援をしているのかというと、ちょっとカッコつけた言い方をすれば「成功の確率を上げるための支援」です。

10年経営する中で、資金調達や採用やカルチャーづくりなどなど、いろんな局面で多くの学びや冷や汗ものの失敗を繰り返してきました。その経験から得た気づきや学びを、今まさに同じ課題に向き合っている起業家の皆さんにシェアすることで、「成長の可能性を少しでもあげること」や「大事故を回避する」ための貢献ができたらいいと思うのです。

問題は一度起きてしまうと、リカバリーするまでにものすごくエネルギーを要するもの。疲れるし、へこむし、やるべきことに集中できないしで、とにかくダメージが甚大です。だから、できれば「問題が起きる前に対処する」のが超重要だと、腹の底から実感しているわけです。

年に2回、東京と京都で開催する合宿に僕も参加して、過去の失敗経験から得た学びを、ペイフォワード精神でどんどん伝えています

前々回の合宿では、旧DDIの創業者でレジェンド経営者として崇められる千本倖生さんもご登場。「君たち、もっと目標を高く持ちなさい。10兆、100兆円の桁まで目指しなさい。志が2桁足りない!」と檄を飛ばしてくださって、僕も大いに刺激を受けました。

スタートアップ企業同士の横のつながりができるコミュニティの役割も大きいでしょう。「こんなとき、どうしてる?」と本音で相談し合える心理的安全性の高い場づくりもまた、スタートアップを増やす貢献になるはずです。資金面だけでない、“無形”の支援もどんどんやっていきたいなと思います。

何よりも、僕もまた成長途上のスタートアップ起業家の一人として、一緒に成長できる仲間を増やせることが嬉しいし、楽しいのです。間違っても、「壇上で偉そうに過去の武勇伝を語っているだけの人、昔はよかった的な話をしている人」にはなりたくないですし、いつまでも挑戦者でありたいと心から思っています。

僕にとって、これから挑戦するスタートアップ企業を温かく応援する社会を目指す活動は、社会貢献でもあり、実は自分自身を応援する活動なのかもしれませんね。

マネーフォワードもスタートアップ企業支援のためのサービス(「マネーフォワード クラウド会社設立」をはじめ様々なバックオフィスサービス「マネーフォワード クラウド」シリーズ)を強化中です!多方面において、挑戦する皆さんの力になれるとうれしいです。


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