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新卒メンバーから見た、マネーフォワードの文化

楽しかったGWも終わり、気持ちがいい季節がやってきました。今年度も、マネーフォワードグループでは、多くの新卒メンバーを迎え入れました。多くの優秀なメンバーが、当社を選んでくれたことを誇りに思うとともに、社会人のはじめの一歩が当社でよかったと将来的に思ってもらえるように、メンバーの可能性を引き出す多様な成長機会、チャレンジを数多く創出していきたいと思います。

今年も早速、新卒メンバーとセッションを行いました。
(新卒メンバーのセッションについては、よろしければこちらのnoteをご覧ください)

そのセッションの中で、僕のnoteを見て入社を決めてくれたというメンバーがいました。それが加藤さん(トップ画像の左)です。セッションで加藤さんから「マネーフォワードがもつ多様性にすごく惹かれ入社しました。だからこそ、その文化の社会的意義について、もっと、辻さんから発信してもらいたいと思います!」という意見をもらいました。

うれしいnoteを社長にプレゼン!

その時は、あまり時間がなかったので、改めて僕は加藤さんに時間をもらって、詳細を聞かせてもらうことにしました。本当に簡単にヒアリングさせてもらうという趣旨の会だったのですが、そこで、加藤さんが「私が、辻さんに書いて欲しいnoteをプレゼンします!」と、下記のような資料を元にすばらしい発表をしてくれました。

加藤さんが社内イントラを利用して作成してくれた資料の一部

加藤さんの「意思」と「熱」のこもったプレゼンを聞きながら感動しました。「こんなに準備をしてくれて、その背景にある今までの人生の思考プロセスを伝えてくれて素晴らしいし、ありがたいなあ。」と。

今期の当社のスローガンは「熱を込める」。
ユーザーのみなさまに価値を届ける日々の仕事を、左から右へ流すだけのやっつけの仕事にせず、一つずつ、ユーザーに本当に価値を届けることができるよう「熱を込めて」日々の仕事に取り組んで、ユーザーの期待を超えていこう、という思いを込めています。

マネーフォワードの2022年度上期のスローガン「熱をこめる」

先日取材いただいた記者の方が、記事を書くに際しても「どんな仕事でも「意志を込める」ことで新たに生まれる力がある」と仰っていたことがすごく心に残っています。人の心を強く動かすものは、「人の熱い想いとパッション」だなあと改めて実感しました。

加藤さんのプレゼンは、昨今の悲しい世界情勢を踏まえた「表現の自由」に対する危機感を背景に、哲学者ハンナ・アーレントの思想を用いて、独自の視点でマネーフォワードの文化、その土台となっている価値観の言語化を試みてくれました。そして、中高生時代、大学時代、留学時代・・・ずっと多様性のあり方に疑問を感じていたという加藤さんが、マネーフォワードの多様性に惹かれて入社してくれたという話を聞けたことが、僕にとっても大きな発見でした。

僕も不勉強で、加藤さんに教えてもらって初めて読んだのですが、ハンナ・アーレント(1906-1975)は、ドイツで、ユダヤ系の家庭に生まれ、ナチ政権成立後(1933)、国外に亡命しています。ナチズムの「全体主義」、彼女の言葉を借りると、思考停止したままの「同調」という現象を独自の方法で分析するなどした、哲学者・思想家です。
詳しくは、ハンナ・アーレント「人間の条件」 (ちくま学芸文庫)や 仲正昌樹「今こそアーレントを読み直す」 (講談社現代新書)を読んでみてください(笑)

多様性が前提

僕自身の多様性の価値観の原点は、留学時代に形成されたように思います(アメリカ、中国、ヨーロッパで勉強する機会に恵まれました)。特に、当社のように、さまざまなユーザーのみなさんにサービスを届ける企業において、経営陣やメンバーの多様性は必須です。

しかし、今回、加藤さんの指摘してくれた「多様性」は、性別、年齢、国籍、人種、学歴などの属性による多様性(属性に左右されない機会均等)に加えて、注目しているポイントないしニュアンスが少し異なり、属性を超えて、より、個々の個性に注目している点が新鮮であるように感じました。

同じ属性であっても、人それぞれ違うという前提に立つこと、そのため「言わなくてもわかってくれるはず」と甘えを捨て、きちんとその意見に至ったプロセスや背景を言語化し説明をする必要があること、そして「ユーザー」という集合体を見るのではなく、一人一人のリアルなユーザーにフォーカスしてみること、当社も、まだまだできていない点が多々あります。

当社で最も大事にしているValue(価値観)の一つである「User Focus」やCultureの「Respect」の現れとも言えますが、僕個人としては、今まで幾度となく失敗した経験からきた学びそのものとも感じています。リアルなユーザーを想定できないまま、僕の「あったらいいな」でつくり失敗したサービス、言語化のプロセスを省いてしまってメンバーの理解を得られなかった施策、上司に指示されたまま無思考で作業をしてしまった過去...

多様性を尊重することは、トップダウンで進めるより、はるかにコミュニケーションコストがかかることも多いですが、一方で、それぞれが個性を活かし、持っている実力を出し切ることができれば、多種多様な社会課題に取り組み、そして個性あるユーザーにサービスを届けていくことが可能となり、それがミッションの実現への近道だと信じています。

今回、加藤さんから指摘してもらって、改めてマネーフォワードという会社が今後大切にしていかなければならないことについて、考えることができました。これからも、多様なメンバーが活躍できる環境を、試行錯誤しながらつくっていきたいと思います。


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