見出し画像

書評 『大相撲土俵裏』、貴闘力著、彩図社、2024年

この本の凄いところは、存命の相撲関係者の名前を出して、批判しているところだろう。著者の男気を感じる。

本の冒頭から、「八百長」の話に入り、それが全て実名(四股名)で書かれているのだから、驚いた。私は、書店でその部分を読んで、すぐに本を買った。

残念ながら、私は、最近になるまで「相撲」にそれほど興味がなかった。この文庫本の元となった書籍の存在も知らなかった。そのため、この本の内容がどれほど突っ込んだものなのか、という評価はできない。勝手に想像したのだが、名前を出さなければ、もっとすごい話があるのではないか。

さて、本の中身であるが、私は最近あることがきっかけで、「相撲界」に関する書籍を読んでいる。色々、調べていく内に、あまりにも「相撲界」が合理化、すなわち近代化されていないことが分かってきた。いわゆる「しきたり」、つまり慣習が多く、外部からではどのような「ルール」で動いているのか、全く分からない。

この本は、その「しきたり」が具体的に書かれており、面白かった。また、日本が抱えている「問題」への視座になる本だと思う。それは、端的に言えば、「ゾンビ化」の問題である。もっと勉強してから、結論を出すが、もう既に「相撲界」は「ゾンビ化」してしまっている。

「年寄り株」から始まる、相撲界のヒエラルキー構造は、早くしなければ、崩れてしまうだろう。ただし、当事者は結局のところ、「国技」なので「国」が助けてくれるだろうと、あぐらをかいているのであろうが。

(下記記事を参考までに)





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?