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夏の香り

季節ごとに香りって感じられますよね。
春はふわっと暖かみがあり、田んぼや畑の影響か土が混ざったような香り、冬はカラッと乾燥した中に冷たく刺すような香りといったようにそれぞれ特徴があります。

僕は中でも夏の香りが一番好きです。
アスファルトから照り返される暑さ、じめじめとした湿気がまとわりつき、太陽に焼かれた空気の匂いが夏を知らせてくれます。
正直、低気圧や暑さによって体調を崩しやすく、決して過ごしやすい季節ではないので身体のことを考えるのであれば嫌いなんですが……。

なぜか夏が来ると幼いころや学生時代など昔を思い出して嫌いになれないんですよね。
朝早く起きれば、太陽が昇り切っておらず気持ちのいい涼しい風が通り抜けますが、それが小学生の時に頑張って早起きして向かったラジオ体操を思い出させます。

お昼になるとあまりに暑く、汗をかくので一歩も外に出たくありませんが、こんな暑さの中、中学生の時には部活で必死に走っていた過去があったなと(流石に現代ほど暑くはなかったですが、そこは想像)。

夜にはお昼の暑さが残りつつも陽射しがなくなるのでよく出歩いていますが、ふと大学生の時に夜遅くまで飲み屋やゲーセン、お祭りなどなど遊びまわっていたことを思い出します。

他にも様々なことを思い出しますが、それが何故か夏になると増えるんですよね。
それを勝手に夏の香りがそうさせているのかなと自分でまとめつつ、ノスタルジックな気持ちになるこの頃です。

30を越えて様々な経験をしてきました。子どもの頃はなんともなかったただの夏を知らせる湿っぽい香りが、今では昔を思い起こさせる特別な香りになっています。

どんどんと年を取っていくと何気ない日常にさらに意味がついていくんですかね……。ちょっと辛くなってくるなぁ。

昔はわかりませんでしたが、過去を語りたくなる人がいる理由がなんとなくわかった気がします。香りだけでなく、目で、耳で、感触で体感してきたことがすべて過去を思い起こさせるトリガーになっているんだなと。

今日はこのへんで!


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