見出し画像

【9253:スローガン】2023年2月期 第1四半期決算説明会(書き起こし)

今回の決算説明会におけるハイライト

  • 政府が推し進める「新しい資本主義」の実現に向けた施策として、人的資本への投資拡大やスタートアップの増加が掲げられているが、この動きは当社の事業と非常に親和性が高く、当社にとって追い風となりうる

  • 1Qの売上高については、前期比+11.4%で着地。事業別に見ると、Goodfindは前期比+9.6%、メディア・SaaS分野は、FastGrowとTeamUpの高い成長により前期比+57.1%で着地

  • 新規事業として、スタートアップ・ベンチャー企業の育成課題・ニーズに応える動画コンテンツを通じた学習支援サービスをSaaS型プロダクトで展開

  • 成長投資を継続しながらも、今後は配当や自社株買いといった株主還元についても積極的に検討していく

  • 新興市場の環境悪化に伴い採用活動の冷え込みが懸念されているが、新卒採用市場は、今のところ中途採用市場と比べると影響は限定的

説明会資料はこちら
書き起こしのPDFバージョンはこちら

ミッションと直近の事業環境について

北川 裕憲氏(以下、北川):本日は、代表取締役社長の伊藤豊と、私、取締役執行役員CFOの北川よりご説明いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。本日の流れですが、まず、当社代表の伊藤より、第1四半期の総括および当社のミッションについてご説明した後、会社概要や業績、事業トピックスについて私北川より、その後、経営方針、財務方針について伊藤よりご説明いたします。

伊藤 豊氏(以下、伊藤):改めまして、スローガンの代表を務めております伊藤です。どうぞよろしくお願いいたします。まず最初に、改めてミッションのところからご説明をさせていただきます。
当社は、「人の可能性を引き出し才能を最適に配置することで、新産業を創出し続ける」というミッションに強く共感しているメンバーが集まって経営している会社でして、人の可能性を引き出すとか、才能を最適に配置する、そして新産業を創造し続けるという挑戦自体が非常に長期で追求しがいのある大きなテーマであると考えております。 昨今の人的資本経営、そしてスタートアップを中心とする新産業に対する期待といったところに非常にマッチしたミッションであると改めて思っております。
この「人の可能性を引き出し才能を最適に配置する」というところが、まさに今政府が掲げているようなテーマの一つである「人的資本経営や人的資本への投資の拡大」ではあるんですが、それに「スタートアップ・ベンチャー企業を中心とした新産業領域の拡大」といったところを掛け合わせた事業テーマでずっとこの16年間やってきたというところが当社の大きな特徴であり、これからの当社の未来に対する期待の部分でもあるのかなと思っております。

先月政府が発表した骨太の方針の中で、「新しい資本主義に向けた重点投資の4本柱」ということで、①人への投資、②科学技術・イノベーションへの投資、③スタートアップへの投資、④GX(グリーントランスフォーメーション)およびDX(デジタルトランスフォーメーション)への投資が発表されましたが、政府が目指す新しい資本主義の実現と当社の事業テーマは非常に親和性が高いと思っております。
今後政府が推進していく重点投資の実行にあたって、これからさらに様々な施策が出てくると思うのですが、その中で人的資本への投資を拡大する方向に世の中を導いていく部分ですとか、スタートアップの数自体が増えていく、あるいは質が高まっていく部分に鑑みると、当社の事業機会もさらに拡大していくと考えております。
改めてこういった追い風の中で、経営、事業展開ができていることをチャンスと捉え、さらなる飛躍を目指していきたいと考えております。

ここからは、初めてご覧なっている方もいるかもしれませんので、会社概要についても簡単にご紹介した後に、業績ハイライト、事業トピックス、事業進捗の一部、経営方針、財務方針という順序で進めていきたいと思います。

会社概要

北川:では、ここから会社概要を含めて私の方から説明させていただきます。改めまして、スローガン株式会社は2005年に創業し、昨年11月に東証グロースに上場した会社でございます。

当社のマネジメントチームについてですが、まず、創業者である代表の伊藤豊を筆頭に、COOの仁平とCFOの私北川の合計3名が常勤役員として在籍しています。私と仁平は、2008年、学生時代にスローガンで長期インターンをしておりまして、その後社会に出てもう一度スローガンに戻ってきて、今役員に就任しているような特徴がございます。

上場企業の経営経験が豊富な社外役員の方もスローガンにコミットしていただいておりまして、スローガンのコーポレート・ガバナンスに貢献していただいているような布陣でございます。

ビジネスモデルについてはご覧いただいてるスライドの通りでございますが、個人ユーザー側からはお金をもらっていない構造で、基本的には顧客企業様側からお金をもらう形でのマネタイズとなっております。

今表示しているスライドが現在のサービス一覧になっておりますが、売上高構成比をご覧いただきますと、連結売上高が今期予想で1,773百万円となっていますが、うち約7割が学生向けサービスで構成されております。

主にGoodfindを中心とした新卒向けの学生サービスが当社の収益の柱となっておりまして、それ以外のサービスは2015年以降に立ち上げた新規事業となっております。これらが徐々に立ち上がり始めて、売上高の構成でも少しずつ割合が増えてきておりますが、引き続きこの学生向けサービスの収益を柱としながら、周辺事業へと展開しております。

現在特に当社の収益の柱となっているGoodfindについて、事業の特徴と概要について少しご説明したいと思います。

こちらのスライドに詳細は書いておりますが、まず一般的な大手のナビ媒体、マス向けの人材紹介ですと、メディアに求人情報を掲載し、掲載料としてお金をお支払いした上でそこからエントリーしてきた候補者を採用するというビジネスモデルがございます。
一方で、オーソドックスな人材紹介モデルですと、成功報酬型という形で「1人採用が決まったら幾ら」という形で、マッチングさせた方が入社することに応じたマネタイズモデルという形も存在します。

この成功報酬型のサービスモデルと、いわゆるメディアに掲載することによりお金をもらうメディアサービスのモデルというものが一般的に存在する中で、基本的にはどちらかを選択してる会社が多いのですが、当社の場合はこれらをハイブリッドで組み合わせてお客様に提供しているという点が一つ特徴としてございます。

二つ目の特徴として「人材紹介一体型コンサルティングサービス」というものがございます。スライドの②のところです。
中身としましては、お客様と採用目標人数を合意した上で、その達成に向けて年間通じてコンサルティングサービスを提供するというものです。
スタートアップ・ベンチャー企業をはじめとした新興成長企業が当社のお客様の中心ではございますが、成長力が高い企業ゆえに、採用像や、学生の変化に応じた選考プロセス等も含めてかなり難易度が高くなっています。そんな中で、丁寧にお客様と目線を揃えて伴走型のコンサルを提供することで、お客様と共に採用を成功させていくというところが一つ大きな特徴でございます。

Goodfindを含めた学生向けサービスの前期の実績売上高は約10億円ですが、その中身として成功報酬に依存しすぎていないという特徴もございます。収益の構成比として約25%から30%が成功報酬の売り上げになっていて、残りが人材紹介コンサルティング、メディアサービスという形で、成功報酬に依存しない、固定的にもらえる収益でも構成されているという特徴がございます。

まさにこのGoodfindのサービスモデルが、当社の競争優位性の源泉になっているところでもありますので、少しご説明いたします。

一般的なマス向けのナビ媒体とスカウト型サービスは、基本的には顕在化しているニーズ同士のマッチングを行っています。つまり、学生の「行きたい」と企業の「欲しい」をマッチングするところにマネタイズポイントが存在するということです。
しかし、スタートアップ・ベンチャーにいきなり行きたいと思う学生さんは、創業した2005年から比べるとかなり増えてきた体感はあるものの、学生全体の人数からするとまだまだ少ないですし、冒頭申し上げた新しい資本主義に向かう流れの中では、スタートアップ・ベンチャーを志向する学生さんの絶対数自体が足りていないという認識をしております。
ですので、こういった学生さんを1人でも多く増やしていく必要がありますが、そのためには、こういった学生さんに対してキャリア面談を行ったり、セミナーやイベントを行ったりしながら行動変容を促すことで、ベンチャー企業に挑戦するような行動を起こしていくところが非常に重要となってきます
これが、これまでGoodfindが市場創造してきたマッチング、マネタイズの領域になってきておりまして、非常に難易度が高く、付加価値が高いがゆえに、他社が参入しづらい領域にもなっていると理解しております。

なぜこれが実現できるのかというところですが、三つのケイパビリティがこのサービスモデルを支えております。

一つ目が、顧客の目利き力というところで、17年間、成長する企業を厳選し見極め、学生様に紹介してきた経験を通じて蓄積されたナレッジであるとか、経営者のネットワークも含めた情報網も含めて顧客を目利きしていく力が非常に高いと認識しています。
二つ目が、行動変容を生み出す力というポイントで、先ほど申し上げた通り、やはりいきなりベンチャーやスタートアップに行きたいという学生さんがまだまだ少ない中で、学生さんの潜在的なニーズを掘り起こして行動を変えていくところまでを当社のサービスの中でやっています。その中で、学生さんの行動変容を生み出すためのコンテンツやコンテキストを伝えていく力が当社の中で蓄積されているということになります。
最後にマッチング力ですが、いいマッチングを生み出すためには、行動変容を生み出した学生様、すなわちGoodfindのユーザー様をしっかりと集めてくるところに加えて、企業様との関係性が重要になってきます。
その点、先ほどご説明した伴走型のコンサルサービスですけども、単に「人をどうですか」と紹介するだけではなく、一緒に採用を成功に導くために企業様にしっかり寄り添ったサービスを提供するといった経験を長年蓄積してきております。これらを以って高いマッチング力を培ってきているということになります。

キャリアサービス分野にはGoodfind以外にもサービスがございまして、スライドに表示しているサービスになります。コンサルのサービス、長期インターンの紹介サービス、中途領域ではGoodfind Careerと、今年の1月にリリースしたG3、主に第2新卒と呼ばれる社会人3年目までの人材向けのキャリア支援となっております。

メディアサービス分野では、ビジネスメディア「FastGrow」およびSaaS型のHRサービス「TeamUp」という二つの事業を展開しております。

FastGrowにつきましては、ビジネスメディアコミュニティという形で、お客様から記事の制作・掲載やイベントの企画運営などを通じてお金をいただきながらサービスを提供しています。
スタートアップ・ベンチャーにかなり特化したメディアになっていますので、こういった新産業の企業情報をしっかりと発信したり、そういった環境を盛り上げていくところを推進していくメディアとなっています。こちらについても利用者は基本的には無料でコンテンツを利用することができる形になっており、次世代の産業を担うような方々、こういう領域に興味のある方々に向けて情報を提供しております。

SaaS型のHRサービスは、社内における上司と部下の1on1ミーティングなどを通じて、人材育成や組織活性化を会社組織の中で支援していくようなサービスとなっております。こちらはSaaS型のモデルで、システム利用料を月額でいただくようなモデルになっています。

業績ハイライト

以上が、現在のスローガンの中で展開している事業になります。ここからは第1四半期の業績のハイライトについてご説明いたします。

サマリーとしては3つございまして、まず予想通りの着地を第1四半期で行うことができました。一番の主力事業であるGoodfindが堅調に成長してきたことに加え、新規事業が高成長になったというところが牽引しています。

2つ目、人的資本への投資を計画通り実行いたしました。スローガン自身の成長という点においては、こういった人的資本をいかに強化していくかというところも重要になりますが、この4月には、新卒社員が9名入社いたしました。

3点目、今後の業績見通しについてですが、現時点の第1四半期の進捗をもって現時点においては変更はございません。通期では、売上高成長率25%、営業利益率20%を目指しております。詳細のPL実績につきましては、今こちらの表示しているスライドになります。

売上高548百万円、営業利益230百万円で着地いたしました。売上高につきましては、前年同期比+11.4%の成長をしており、業績予想比でもほぼ予想通りの着地となっています。営業利益につきましては予想を6.7%上回る形で着地しており、利益水準としては前年同期と同水準となっております。

売上高が成長した要因ですけれども、まずGoodfindが堅調に成長を続けておりまして、学生向けサービスが前期比+9.6%となっております。
FastGrowとTeamUpについては新規事業となっておりますが、これらが高い成長を遂げまして、メディア・SaaS分野の売上高が+57.1%の成長という形で連結売上高の成長にも貢献しております。

営業利益に関して、主にコストが増加している部分がございますが、人員体制の強化に伴う人件費の増加、採用活動費の増加、プロダクト強化に伴う業務委託料への投資などを行った結果、予想比では+6.7%となっておりますが、前年同期比では同水準という結果になっております。

1点、追加で経常利益のところですけれども、前期の1Qでは営業外収益として有価証券売却益が32百万円発生しておりましたが、今期1Qでは発生しておりませんので、経常利益ところにつきましては11.18%の前期比マイナスとなっております。

続いてのスライドが、連結売上高の会計期間の推移になっております。
新卒の人材紹介手数料売上は、4月の一括入社の際に多く計上される傾向にあるため、業績としては第1四半期に売上高が偏重するような傾向にございます。後ほど詳細のスライドを入れておりますので、そちらもご確認いただければと思います。

数字としましては先ほどご説明した通りですが、メディア・SaaSのFastGrowとTeamUpについて少し補足いたしますと、FastGrowにつきましては、前期から販売戦略を見直す形で取り組んできまして、販売単価が各社上昇したことに伴い、FastGrow単体としては73.8%の高成長を記録いたしました。
TeamUpにおきましても、1社当たりの契約単価は引き続き上昇しておりまして、全体としては30.6%の成長をとっております。

今、客単価のお話も少し触れさせていただきましたが、中期成長戦略の中でも、顧客数および顧客単価の成長は重要な指標として捉えております。

この第1四半期、3年間の推移を見ても、客数および客単価ともに毎年成長を遂げておりまして、第1四半期の累計で顧客数が317社、現在顧客単価173万という形になっております。
新しい企業さんにも入っていく中で、単価自体も今後連結としてしっかり引き上げていきたいと考えております。

こちらが連結営業利益の会計期間の推移となっております。こちらは先ほどのご説明と重複しますので詳細は割愛いたしますが、主に販管費だけのところだけ次のスライドで説明させていただきます。

販売費および一般管理費の内訳としまして、半分以上が人的資本への投資という形になっております。全体としては23.8%の増加をしておりますが、主に前期1Qは170百万円だった人的資本への投資が210百万円に増加しているところが一つ大きな影響を与えております。
推移を見ていただきますと、前期の第3四半期あたりから、170百万円ほどであったところが180百万円、200百万円となり、この第1四半期で211百万円と少しずつ人的資本への投資を増やしてきております。
ただ、こちらは通期の予想でももちろん見込んでおりまして、しっかりとコントロールしている中でこうした投資をしてきております。当社の財務規律上も、売上高の成長を作っていく上で、利益もしっかりと同時に伸ばしていくというところを重要視しておりますので、こういった人的資本投資をしっかりと継続しながらも、そこで利益を毀損することなく、利益成長を同時に実現していきたいと考えております。

より具体的にこういった人的資本がどういった状況になっているのかというところを追加で補足させていただきます。

まず、5月31日時点で正社員が131名となっており、約8割がビジネス職で、残り2割がクリエイティブ職という形になっております。

基本的な人材獲得の戦略としては、「新卒採用を中心とした獲得戦略」を行っています。創業当時からずっと当社自身も新卒採用を継続してきておりまして、持続可能な成長に資する人材を獲得してきております。実際にこの第1四半期の入社人数は16名でございましたが、うち9名が新卒社員で、その内訳を左下のところに簡単に書いております。デザイナーは、3名全員が武蔵野美術大学卒、エンジニアは早稲田の情報理工卒、ビジネス職も東京大学、早稲田大学、神戸大学、明治大学卒といった、非常に優秀な新卒の方を迎え入れることができました。

続いて、「プラットフォーム型・プロダクト型の強化」というポイントが弊社の中期成長戦略の中でございますが、その一環として、開発体制、デザイナー・エンジニアの強化というところが非常に重要になってきます。
そんな中、今回の新卒採用でもしっかりとここを採用することができました。今後もこういった開発体制は継続的に増強させていきたいと考えております。

最後に「新卒社員から若手経営人材を創出」というところで、もちろん当社のサービスとして世の中にこういった人材を輩出していきますが、自社の中でも若手経営人材を創出していっております。
例えばTeamUpの代表は、新卒5年目から現職に就いております。
また、この3月に執行役員に就任した川村直道は、2015年に新卒で当社に入社しており、現在Goodfindの責任者を務めております。引き続きこういった人的資本を強化しながら、今後の成長をしっかりと果たしていきたいと考えております。

今後の業績の見通しですが、前回発表から変更ございません。売上高の成長率25%、営業利益率20%を通期で目指しております。

先ほど少し触れた業績の季節的変動ですが、第1四半期に、売上・利益ともに偏重するような傾向にございます。こちらは、新卒の人材紹介手数料が4月に計上されるといった背景からでございます。

売上高につきましては、前期比で毎四半期ごとにしっかりと成長していく計画となっております。利益に関しましては、先ほどの人的資本投資を前3Qあたりから少しずつ強化していった背景もあり、四半期で見ると、1Q、2Q、3Qと減益の計画になっておりますが、しっかりと通期で回収する形で利益を伸ばしていく計画でございます。
1Qは実際に既に計画値を上回る形で利益が着地しておりますので、2Q、3Qもしっかりと前倒しで実現できるような実績を出せるように尽力していきたいと思っております。

こちら、先ほどの新卒の成功報酬が偏重するイメージ図を掲載しているので、後ほどご覧いただければと思います。

事業トピックス

最後に、事業トピックスを説明させていただきます。

Goodfindからは、毎年2万人弱の学生様が世の中に出ていっています。こういったGoodfindの卒業生タレントプールから、世の中で活躍する人材が生まれ、実際に起業したり、CXOになったり人事責任者になったりしていく中で、当時はGoodfindを利用する学生だった方が、今度は当社に採用依頼するお客様となるといった、当社の一つのユニークなエコシステムが出来上がっております。
今回ご紹介する取引事例が、Goodfindの卒業生が創業した会社が実際に上場し、当社と取引を最近開始したという事例になります。当時の東証マザーズに上場したプロジェクトカンパニー様の事例でございます。

代表の土井様は、当社でも長期インターンを経験しておりましたが、学生時代にGoodfindを活用して就職した後社会に出て活躍し、2016年に起業。昨年2021年に上場して、この2024年新卒採用について、Goodfindと取引を開始しているというような状況になっています。

続いて、長期インターンの取組事例となります。実は長期インターンは、政府も含めてかなり積極的な姿勢になってきておりまして、新しい資本主義の計画もそうですし、インターシップをはじめとするキャリア形成の取組推進等について非常に前向きな姿勢になってきております。
そういった環境の中、「Intern Street」という当社の長期インターン紹介サービスでも、例えば弊社の非上場の時代から株主様にもなっていただいていた三菱地所様と4年連続、累計8回目のタイアップイベントを開催して、こういったスタートアップと学生をマッチングするイベントを実施しております。さらに立教大学様の授業に登壇しておりまして、経営学部の長期実践インターンシップに関する授業に登壇し、様々な講演・講義を行なったりしています。
今後この長期インターンの領域も引き続き注目成長していく領域であると考えておりますので、引き続きこちらでの成長機会も模索して参りたいと思っております。

続いてこちらは、昨日の適時開示でも出させていただきましたが、スタートアップ・ベンチャー企業の育成課題にSaaS型プロダクトでアプローチをするという形で、新規事業を開始することを発表しております。
当社の中期成長戦略の一つである、「人の可能性を引き出す組織作りの実践と商材化」というところの進捗でございまして、実際社内でも実践を重ねてくる中でこれを実際に展開して、お客様へ提供してマネタイズしていくことを今回発表しております。コアターゲットはスタートアップ・ベンチャー企業となっておりまして、こういったスタートアップ・ベンチャー企業の育成課題・ニーズに対して、動画のコンテンツで効率的に学習できるサービスを提供していきます。
一番のポイントは、動画コンテンツというところはもちろんですけれども、無意識にある認知の偏りや、アンコンシャスバイアス(無意識的な思い込み)までアプローチすることで、本質的な学びを提供することになります。世の中に教育研修セミナーやスキル系のセミナー等はたくさんございますが、当社が社内でも色々実践していく中では、こういったバイアスに注目した育成・研修というところが、社員の戦力化やパフォーマンス向上に響いてくる面があるという体感もあるので、こういった自社での経験をしっかりとプロダクトに織り込んでいきたいと考えております。

続いてこちらも5月23に発表した内容でございますけれども、スタートアップの創出に向けたファンドの設立・出資をしております。東大出身の創業者で、上場を経験したメンバーを中心に立ち上げたファンドになっております。
スタートアップの創出という点につきましては、当然当社のミッションとも紐づく施策にはなりますが、事業シナジーもあると思っております。こういった投資領域は、当社自身が強みとしている「企業の目利き力」が非常に活用しやすい領域だなと思っておりまして、これを活用することと、当社としても更にその目利き力を磨き込んでいくところでシナジーを出していきたいと考えておりますし、良質なスタートアップを増やすことは、ゆくゆくは当社の顧客数を増やすことにも繋がります。
また、スタートアップの成長を支援していくことによって、スタートアップが人的資本投資を今後拡大していくところは、スローガン事業機会、顧客単価の上昇にも繋がるものだと捉えています。

最後になりますが、先ほどの政府の動きがしっかりとスローガンの事業にも繋がってきている一つの事例ですが、経済産業省が実施する「スタチャレ」の認定サービスに採択され、類型Bという形で認定を受けました。
スタートアップ業界では人材不足がかなりボトルネックになっていますが、スタートアップが採用にかかる費用を国が補助することで、より人材不足を解消できるような採用を推進することが狙いとなっており、まさに社会人領域でサービスを展開しているGoodfind CareerとG3で認定サービスを受け、この座組みの中でしっかりと推進してまいりたいと思っております。

経営方針

ここまで事業トピック含めて、私の方からご説明をいたしました。ここからは、代表の伊藤より経営方針と財務方針についてご説明させていただきます。それでは伊藤さんよろしくお願いします。

伊藤:はい。まず経営方針ですけども、こちらは前回の決算発表および成長可能性資料の方でも掲載してる部分ではございますので、改めてリマインドという形で軽くお伝えしていきたいと思います。

まずハイライトとしましては、私どもの事業仮説、元々そのどういった狙いを持って、どういった見立てをもって事業を運営してきているのかといったところをまとめておりまして、それをもって将来的に市場のポテンシャルがどれぐらいあるのかといったところを独自に試算した部分をお伝えしております。そうした中で、将来的な収益構造、つまりどれぐらいの利益を出せるのか、ところに関しても、私どもの方で見立てている部分がございますので、そのあたりをお伝えする内容になっております。

最初に事業仮説について。やはり産業の転換期にあるということで、少なくとも今後10年で採用市場および人的資本に係る市場において大きな地殻変動が起きると考えておりまして、特に、若くて挑戦意欲のある成長志向を持った人材の価値が飛躍的に高まってくるだろうという読みを持っております。具体的には、若いうちから経営人材を目指していく人が増えていくこと、新卒からスタートアップベンチャーへの就職を考える人たちが増えていくこと、あるいはそれに伴って、大手企業においても採用の仕方を変革していくニーズが生まれ、スタートアップ、ベンチャー、大手を問わず、人材が流動化していくような未来が来るだろうと考えており、そういったところに備えて事業活動を展開してきております。

元々私も少子高齢化で人口が減少していく日本社会において、マクロトレンドとしては、やはりなかなか既存の大きな産業が拡大していくのは難しくなる傾向があるんじゃないかといったところを見据えていましたが、これからの日本社会においてアップサイドを生み出していく、すなわちイノベーションを生み出していく局面においては、成長分野へ人材が移動していく部分と、労働市場が流動化していくことは不可欠であろうと考えています。
ただ、それをやろうとしたときに、採用市場が企業のブランドや知名度に非常に依存しているといったところがボトルネックになるだろうというところを考えて企業をスタートしております。
具体的には、新卒からスタートアップ・ベンチャー企業へ挑戦する人材を増やしていくといったところでずっと粘り強く取り組んできております。それに伴って、今後転職市場における雇用の流動化も起きてくるだろうと思ってまして、この辺りも事業に埋め込んでいくということをやっております。
こうすることで、これから未来の社会を担っていく、イノベーションの源泉となるような人材創出に臨んでいくということで、非常に大きな社会的な使命を持って事業展開をしている会社でございます。

この新卒採用の市場が偏重していくところが、人材関連市場全体に連鎖的に事業機会を生み出していくだろうと考えております。
スタートアップ・ベンチャーに限らず大手企業、そして新卒採用に限らず中途採用と、あるいは採用という枠を超えてフリーランスですとか、転職・起業等、キャリアモデルが新しく変わっていく中で新たな支援ニーズが生まれていくだろうとか、あるいは新しい時代に合った組織成長をしていくときに、組織を運営していく新しいノウハウやモデルが必要になり、そういったところにコンサルティングのニーズが生まれるだろうと思っていて、このように次々と生まれてくる事業機会に備えて私どもの事業も拡張していこうと考えております。
そうした中で、新産業領域における人材関連の市場ポテンシャルがどれぐらいあるのかというところを、私どもの現状の立ち位置からボトムアップで独自に試算したものがこちらになります。

現状の取引の社数と1社当たりの取引金額から考えると、それぞれ5倍と14倍という掛け合わせで70倍近くの市場ポテンシャルがあると考えております。
取引社数については、スタートアップ・ベンチャー企業の数が増加していくだろうという見立て、そして人的資本投資に積極的な会社が増えていくだろうという見立てを持っております。
1社当たり取引額に関しても、現状売上の約7割が新卒採用関連でございますけども、新卒の部分はまだまだ増える前提で、中途採用の領域、そして人材育成、組織エンゲージメント等の人的資本領域への投資はこれから拡大していくだろうと考えておりますので、そのあたりにサービスを拡張していきながらクロスセルをしていくことで、全体の取引単価を上げていけると考えております。

現状の我々のフェーズをどう認識しているかというお話ですが、創業から10年間は、市場創造をしてきたフェーズだと考えております。いわゆる新興成長企業における新卒採用という、それまでなかったような市場を粘り強く切り開いた、創造してきたというところでございます。
それ故にユニークな立ち位置を小さいながらも確立できたというところで、隣接領域に事業拡張していくという3年間が次のフェーズとしてありました。
複数の事業化にも成功して、黒字化している事業が複数出てきているというところでございます。
そこから更に、その後の3年間は事業モデル変革ということで、これはコロナ禍というのもありましたけども、それまでオフラインでリアルにやってきた部分を、働き方も含めて全面的にオンラインに変えていく挑戦をやってきて、非常に筋肉質な経営に変革できたと認識しておりまして、このタイミングでIPOをしているというところでございます。

これからの3年間についてですが、継続的に増収増益を達成しながら、プロダクトを強化していく、そして次なる高成長・高収益に向けた投資を継続していくというところに向けて今歩み出しているというような認識でございます。

今後、当社の規律として、増収増益をしっかり継続していくというところと、超過利益を再投資していく、つまりしっかりと利益を出した上で超過している部分の利潤に関しては再投資に回していくと、そういう規律を持ってやっていきたいと考えております。
つまり、売上を成長させていく部分と、利益率を逓増させていくというモデルを志向しておりまして、営業利益の成長率を30%以上にしていく、そして10年以内に営業利益率30%を超えるような収益構造に変えていくというところを経営目標にしております。

なぜ将来的に営業利益率30%を超えた形を実現できる見立てているのかといいますと、まずGoodfindという既存の主力事業が既に高収益の状態になっております。いわゆる本社共通費配賦前の事業利益率に関しては既に50%超で推移しておりまして、こちらに関しては今後さらに売上規模を拡大しながらも、利益率を維持していくというところを考えております。

さらにGoodfind以外の新規事業をこれまで立ち上げてきたんですけども、やはり立ち上げ期においては、最初は赤字であったりとか利益率が低い状態というのはあるんですが、徐々に軌道に乗ってくるにつれて非常に高い利益率を実現できつつあるので、新規事業の利益率は上昇していくと考えられます。そして現在の新規事業が既存事業と化して既存事業の割合が増えていくと、新規事業の割合も限られてくるという構造になりますので、全体としての利益率も上がっていくことになると思っております。

そして3つ目が本社共通費率の削減ということで、企業規模が大きくなっていくことで一般的には間接費の比率が下がってくる傾向にあると認識しておりますし、それに限らず、私どもの生産性・効率性を追求する努力によっても、本社共通比率の低減を実現する余地はまだまだあると考えております。

財務方針

最後に財務方針についてもお伝えしたいと思います。
先ほど申し上げたように、私どもは増収増益をしていく、つまりこれからずっと黒字で経営していくということでございますので、利益を積み上げていく経営になってくると見立てておりますので、その中から将来の成長投資を継続しながらも、株主還元の充実といったところも積極的に検討していきたいと考えております。

株主還元といったときに、一番はやはり私どもはグロース市場にいるということもありますし、まだまだ成長していける会社でございますので、まずは既存事業を成長させていく、そして、非連続な成長を生み出すような新規事業、M&Aの活用等を検討することで、持続的に企業価値を上げながら株価を高くしていくことで皆様に報いていくというところが一番大事であると考えております。

ただ、それに加えて、配当ですとか自己株式の取得というところも積極的に考えていく必要があると思っておりまして、成長投資に必要な内部留保を確保した上で、継続的かつ安定的な配当を早期に実現したいと検討を始めております。
取得した自己株式についても、M&Aの対価ですとか、ストックオプションの権利行使の対価、今後の役員・従業員へのインセンティブに使えるというところもありますので、現在の株価水準も、将来的なところから見たときに、自己株式を取得していくには良い水準だという見方もあるかなと思いますので、そういったことも検討しております。

最後に、これは株価動向次第ではあると思うのですが、流動性の創出や適切な投資単位に引き下げる必要があるという判断する場合に、投資家の皆様が安心して投資しやすい環境にしていくという観点から、株式分割という手法も検討していく必要があると認識しております。


質疑応答

伊藤:以上、私から経営方針と財務に関する方針についてご説明いたしました。
ここからは質疑応答の時間に入りたいと思います。既にいただいてる質問にまずは答えていきますが、引き続きご質問を受け付けていけたらと思いますので、お時間の許す限りご質問はいただければと思います。

質問1:人的資本投資の積極化によるコスト負担の増加について

人的資本投資により売上成長へ貢献というお話でしたが、131名の会社に新卒9名入社というのは、育成も考えると業績にとってはプラスにならず、寧ろコスト負担が増えただけのように感じるですが、いかがでしょうか?

伊藤:こちらはよくご指摘をいただく部分でして、確かにちゃんと説明しなきゃいけない部分だと思いました。
まず、9名の新卒と言っても、内定者インターンという形で長期インターンをしている者がほとんどですので、実は入社前にある程度実務経験を積んでおりまして、場合によってはもう内定者となる時点でかなりフロントに立って活躍をしているという者もいます。新卒1年目でありながらも新卒2年目ぐらいの活躍をしている働きをしていることもあるので、戦力化に至るまでの時間が非常に短かったり、既に活躍している方々が多いというのが特徴です。
なので、新卒を採用し、かつ内定者インターンをしてもらうことで、育成もオンボーディングもすることができるという我々の強みを活かし、育成コストを最小限に抑えながら売上成長に寄与していただくことを考えています。


質問2:2Q、3Qの前期比減益予想について

1Qは前期比ほぼ同水準、予想比上振れという結果でしたが、2Qと3Qの前期比減益予想は最新の状況でどうなっていますか?

北川:現時点においては予想比上振れで推移しておりまして、やはり投資家の皆さんから見ても、2Q、3Qと減益というところはかなりご不安に思われる方もいると思っていますので、着実に通期の業績を前倒しで超えていく姿勢で臨んでいきたいと考えております。
今のところは開示している予想の通りしっかりと実現していきたいと思っていますが、姿勢として、今回の予想を上回っていくところは目指していきたいと考えております。伊藤さんから補足があればお願いします。

伊藤:売上よりも利益の方が、経営の意思に従って比較的コントロールしやすいという部分があるとは思いますので、利益を業績予想よりもしっかりと上回る、つまり減益予想に関しても減益幅をできるだけ小さくするというところは意識してやっていきたいと思っております。


質問3:中期経営計画について

中期経営計画の公表は予定していますか?

北川:公表時期について今のところ具体的に明言できるレベルでは決定していませんが、現状まだ単年度経営計画しか公表できておりませんので、投資家の皆さんとのコミュニケーションという観点からもしっかりと中期経営計画を内部でも策定し、公表していきたいと考えております。
なるべく早く皆様と対話できるような状態を目指していきたいと思っております。


質問4:IPOの効果について

IPO効果による顧客数や顧客単価の伸びは感じていますか?

北川:私としては、いろんな会社様との施策や連携を非常にしやすくなったなったので、間接的には効果があると思っています。伊藤さん、いかがでしょうか。

伊藤:私どものお客様、あるいは潜在的なお客様はやはりIPOを意識している会社様が多くてですね、スローガンがIPOをしたことで自分たちも後に続きたいということで、色々教えて欲しいと社長様から相談を受けることが増えております。そういう意味では、IPOしたという事実が改めてスローガンに対する信頼やリスペクトに繋がり、それが顧客数、顧客単価ともに成長にポジティブに効いてきていると感じております。


質問5:業績の季節性について

中長期的には四半期ベースの売上や利益を平準化したいとの考えはありますか?

北川:これはあるなと思っています。現在の四半期業績の季節変動を見ても、3〜5年前に比べるとかなり改善はしてきていますが、四半期ごとに着実に伸びていくような収益モデルを目指していきたいと思っています。
引き続き人材紹介による成功報酬は増加していくとは思うんですけれども、四半期単位でもしっかりと成長していくようなサービスモデル、つまり固定利用料による収益部分を増やしていくことで平準化し、安定的に利益を出していけるような会社になっていきたいと思っております。

伊藤:新卒事業の売上比率が現在7割ぐらいありますが、他の事業が拡大していくに伴ってこの比率がもっと下がってくると思うので、その分今後は平準化されていく方向ではあるだろうと認識しております。


質問6:人的資本経営やスタートアップについて

人的資本経営、スタートアップなどの文脈は、実際に御社の成長に結びついていますか?

伊藤:実際にスタートアップの企業様が増えているのは間違いないですし、少し前まではベンチャー企業やスタートアップというと、どうしても給与が安いとか待遇が良くないというところもございましたが、少しずつ大手企業に匹敵するといいますか、待遇面でも負けていないオファーを出す企業さんも増えてきています。
なので、そういう意味ではスタートアップが盛り上がるという流れと、人的資本経営をしっかりやっていこうという流れは非常に相乗効果があって、成長分野への人材移動に寄与する追い風になると認識しております。


質問7:リモートワークによる社員のエンゲージメントについて

新型コロナウイルス感染症の沈静化後も全社リモートワークを継続しますか?リモートワーク導入後も社員のエンゲージメントは落ちていないですか?

北川:弊社はコロナになってすぐのタイミングで全社でフルリモートワークを導入しておりまして、現時点においてもフルリモートワークをしております。その中で社員のエンゲージメントが落ちないように色んな施策を打ち込んでいるので、実際には落ちていないと思っています。

伊藤:どこに住んでいても、どういう家族構成であったとしても、あるいは個々人に出社しにくい事情があろうとも働けるということは、ダイバーシティ&インクルージョンという観点でも非常に重要だと考えております。
また、仮にリモートワークよってやりづらさが生じたとしても、「みんなで試行錯誤・協力しながら改善していこう、工夫していこう」というカルチャーがありますので、そういう意味では今後もフルリモートを継続しながら、エンゲージメントを高く組織運営していくことは十分にやっていけると感じております。


質問8:売上高の業績予想未達要因について

昨日発表の2023年2月期 第1四半期決算説明資料(21ページより)によると、売上高が対業績予想比で若干の未達となっていますが、巻き返しは可能でしょうか?また未達要因は何でしょうか?

北川:巻き返しは可能であると認識しています。未達要因についてですが、実際の現場ではお客様のニーズ・要望に応じて、月末に納品する予定だったものが翌月にずれ込むといったことが起こるので、このような「納期ずれ」によるものが全体的な未達要因としてまず挙げられます。


質問9:社会人向けサービスの鈍化要因について

昨日発表の2023年2月期 第1四半期決算短信によると(3ページ)、キャリアサービス分野のうち社会人向けサービスが前期比で弱いようですが、巻き返しは可能でしょうか?また鈍化要因は何でしょうか?

北川:キャリアサービスの社会人領域の成長実績が少し鈍化したところが、先ほどの質問にございました未達要因の2つ目となっております。
鈍化した要因ですが、この社会人向けサービスは、更に成長していくために新しいエージェントも含めてこの1月から組織体制を強化・改善をしているところではありますが、スタートアップ・ベンチャーの領域でキャリアエージェントという形で実績を出していくための人材育成に想像以上に時間がかかっているような状況もあるため、市場の環境からすると採用決定人数が少しマイナスで推移している状況です。
ただ、社会人向けエージェントの売上構成比自体がまだ通期で20%以下なので、当社の連結業績に与える影響という意味では軽微だと見ている部分もあり、通期連結業績は今のところ発表している予想から変えておりませんが、鈍化しているところをしっかりと巻き返しつつ、連結での業績予想を着実に達成していきたいと考えております。


質問10:新興市場における採用の冷え込み懸念について

政府の政策による後押しがある一方で、新興市場の株価が下落する中で、スタートアップの調達環境が悪化し、採用市場が冷え込むことが懸念としてあるかと思います。今後の市況による採用市場への影響など、会社としてのお考えがありましたらお聞かせください。

伊藤:新興市場の株価が下落し、スタートアップの調達環境も悪化している中で少し懸念があることは私どもも認識はしております。
ただ、私どものメインのお客様はスタートアップの中でも新卒採用をやっている会社さんが多いのですが、新卒採用をやっているという時点で既にもうユニットエコノミクスが回って黒字化しているケースがあったり、長期的な見込みで経営している会社さんが多いので、中途採用だけをやっている会社さんに比べると影響を受けにくいと感じております。
実際に採用のオーダーを見る限り、ほとんど影響が出ていないというのが新卒採用市場の景色です。ただし、大型調達をして赤字を掘り続けるような経営をされていた会社さんでは、一部採用をストップするみたいなことがこれから起こる可能性もあるとは見ておりまして、その辺りは今後も警戒しながら注視していきたいと思っております。


質問11:今の市況の採用市場への影響について

今後の市況による採用市場への影響など、会社としてのお考えがありましたらお聞かせください。

伊藤:引き続き若い人材およびITやデジタルが分かる人材へのニーズは非常に強いので、全体で見ると優秀な若手人材の採用ニーズは非常に旺盛であると捉えておりまして、そういったクライアントさんと優秀な若手を繋いでいくというところは基本的には縮小することはないと思っています。
私どもはまだマスのマーケット動向の影響をほとんど受けないぐらい小さいところでやっているというのもありますが、非常に小さいながらもアップトレンドなセグメントでやれていると考えております。


質問12:競合優位性について

競合優位性についてお伺いできると幸いです。

伊藤:他のサービスと比べてGoodfindが強み、差別化している部分でいいますと、やはりスタートアップ・ベンチャー企業のための採用ができるというところですね。やはり他のプラットフォームですと、大手企業さんの方がどうしてもブランドや知名度が有利に働きやすくなるので、ある種スタートアップやベンチャーからするとそのプラットフォーム上では採用しきるのが難しくなってしまう側面があるんですが、私どもはスタートアップやベンチャーにコミットしたサービスで結果を出してきているという点が強みになっています。


北川:ちょうど時間直前になりましたのでこれで質疑応答を終了とさせていただきます。時間内にお答えできなかった質問についても、後日テキストでしっかり回答したいと思いますのでよろしくお願いします。最後に伊藤よりご挨拶を申し上げて本日の説明会を終了させていただきたいと思います。

伊藤:皆様、本日はありがとうございました。ご質問やご意見についても本当に勉強になるといいますか、私も参考にさせていただきたいと思うご意見を沢山いただき本当に感謝しております。
まだまだ私どもはIRやPRが不慣れな部分もありますが、我々は社会的な文脈としてももっと注目を集めて良い会社だと思っておりますので、できるだけ今後も皆様から注目いただけるような、もう少し皆様の中で話題に挙がるような会社になれるよう、私も含めた経営陣および社員一同、これから更に精進していこうと思っております。
本日はそんな中でご参加いただき、注目いただけたということに本当に感謝しております。ご清聴いただきありがとうございました。