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老人ホーム探しは突然やってくる。

前日に「老人ホームを検討する際に最も大切なこと」という記事を書きました。その際、多くの方が老人ホームを急いで探すことになると書きました。

そのことについて今日は触れたいと思います。

なぜ多くの人は老人ホームを急いで探すことになるか

高齢者になると個人差はあるものの若い時と比較して健康上の問題が多数発生します。
例を挙げると、高血圧、糖尿病、癌、骨折、うつ病、不安神経症、視力低下、聴力低下、食欲減退、筋力低下、理解力低下、認知症、誤嚥.・誤飲からくる肺炎、尿路感染、脱水、脳梗塞、心不全などなど数えあげたらきりが無いほど様々な肉体上の問題が発生します。

当然のことながら若い人に比べて入院するリスクも年々増加します。若い人なら入院しても、回復して社会生活をほぼ元通りに過ごせます。しかし、高齢者はそうではありません。高齢者の場合、入院によっていったん落ちた筋力や認知機能が回復しないことが多々あるのです。

もっとも多いのが骨折(大腿部頚部)で、その後の入院生活で自宅に戻れなくなるというパターンです。

最近の病院も可能な限り元にいた自宅に戻すように努力はしています。メディカルソーシャルワーカー(以下MSW)と言われる専門職の方や看護師さんが入院当初から自宅に戻ることができるのかを検討します。ケアマネジャーや関係者(Drやリハビリ専門職)と調整して少しでも元の生活に戻れないか検討します。

しかし…。私から言わせるなら医者も理学療法士も看護師もMSWもどこか他人事です。その人が自宅に戻るのか、老人ホームなどの施設に行くのかについて本人、家族ほど真剣ではありません。

要は、病院から退院してくれれば良いのです。

私は二次救急病院のMSWもしていましたので、実感として本当にそう思います。極論を言えば、病院は病院の運営と報酬のことで頭がいっぱいです。
MSWは仕事が山盛りあるので、一人一人が自宅に戻れるかどうかを吟味したり検討したりすることに正直、時間をかけられないのです。

息子、娘であっても同居していても、親の身体的、精神的能力を十分に把握できている方は少ないと言えます。まして別居していて年に数回しか会わないという方にとって、「まさか親が入院したら自宅に戻れなくなるなんて思ってもいなかった」ということになるのです。

そして、結果的に大慌てで、したことのない老人ホーム探しが始まるのです。

この記事を読んだ方であなたの大切な方が、上記のようなことに該当する可能性があるのなら、よ~く、いろんなことを考えてみてください。

もし介護がいるようになったら本人はどうされたいと思っているのか。
自分はどうしようとおもっているのか。
どのような選択肢があるのだろうか。

検討できることはたくさんあります。

死を迎えるのが100%であるのと同様に老いを迎えるのも100%です。

本人が嫌がるからという理由や自分がその話題に触れたくないという理由から、避けて通ることもできるでしょう。しばらくは・・・。

けれども現実は日に日にすべての人に老いが来ているのです。

暗~くなることもありません。

それほど深く悩む必要もありません。

そうなってしまったらそうなったで考えたらいいだけのことかもしれません。

でも、ちょっとでも親のためにとか、お世話になったおばさんのためにとかという想いがあるのなら、少しだけ準備をしておくことは悪いことではありません。

老人ホームを探すということが決して珍しい選択肢ではない世の中になっています。どんな老人ホームがあって費用がいくらかかるのかを知っておくことは、将来どんなマイホームに住もうかと思い描くのと同じくらい大切なことかもしれません。

いろんな選択肢があるので、老人ホームだけが選択肢ではありません。

ひょっとしたら寿命は縮まる可能性はあっても自宅で家族に囲まれてベッド上で死んでいくこともできるかもしれません。

少しずつ学んでいきましょう。


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