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日本語の文をイタリア語の点字にした話 | 絵本作りノート No.005

去年、絵本の試作版をイタリアに送る機会がありました。
その絵本は目の見えない人にも読めるように、イタリア語の点字をつける必要があったのですが、私はイタリア語も点字も全くわかりません。
約3ヶ月という制作時間の中で行った、日本語の文をイタリア語の点字にした方法を書いていきます。

*言語に長けている訳ではないので、正確にできているかはわからないです。あくまで、相手になんとなく伝わるレベルにするためのヒントとして捉えてください

日本語をイタリア語へ

まずは日本語で書いた文章をイタリア語にする必要があります。
使ったのは機械翻訳です。
最近は自動で言語を翻訳してくれるWebサイトがたくさんあります。
ここ数年で機械翻訳の精度は高くなっていると感じますが、まだ、翻訳された文章が不自然になったり、細かいニュアンスを再現できなかったりすることはあるので、使うには注意が必要です。

はっきりとした文章にして翻訳する

絵本の文章を書いていると、文脈の流れで言葉を省略して表現していることがあります。まとめて翻訳すれば文脈に沿って補ってくれるのですが、1文ずつばらばらにして翻訳すると、意図しない形になることがあるので、省略せずにはっきりと明示した文章を別に用意して翻訳するようにしました。

2行目の文が「私」で翻訳されてしまったので、「彼は」を追加して主語をはっきりさせた

【意図しない翻訳になった例】
・主人公は男性の設定だったが、女性の設定で翻訳されていた(「She」から始まる文になっていた)
→特に動物や物をキャラクターにしていると、名前だけで性別が判断できず、表現がブレる
・「私の猫はお母さんからリンゴをもらった」の「お母さん」が「猫のお母さん(its mother)」になっていた
・・・など


使った翻訳サイト

翻訳サイトは「Google翻訳」と「DeepL翻訳」の2つを使いました。
どちらも基本無料で、ソフトをインストールすることなくWEBブラウザで使えるので、翻訳したいと思ったときに始められます。


訳したイタリア語を点字へ

点字は言語によって点の組み合わせやルールが異なります。
日本語との違いはもちろんのこと、同じアルファベットを使う言語でも違うところがあり、自分で点字に訳すのはとてもハードルが高いです。

業者に依頼するのも手ですが、今回はスケジュールに合わなかったため他の方法を模索したところ、いくつか機械的にイタリア語の点字に訳してくれるサイトを見つけました。

ABC Braille

イタリア語だけでなく、英語やフランス語、日本語、韓国語など幅広い言語を翻訳してくれます。
オーストラリアを拠点に、ボランティアで活動している団体が作っているサイトだそうです。
サイト上部の「Text to Braille」から翻訳するページに移動できます。

上の欄にテキストを入れて「Transrate Text」を押すと翻訳される


点字にした結果!

点字になったイタリア語の文章を入れられました!

絵本は無事イタリアに届き、現地の人に絵本の内容も伝わったようで、目的は達成できました!
ただ、出版したり商品にしたりするのであれば専門家の力が必要だと思います。より正確で伝わりやすい表現への翻訳は、たっぷりと時間をかけて誰かに依頼した方がよいです。
今回紹介した方法はあくまで簡易的な方法として、アイデアを具体化したり、すぐに形にしたいときに使いましょう!


このノートについて

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