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クライアントのプロセスを徹底的に信じる

クライアントが回復していく原動力は、自己治癒力、あるいは、成長へのエネルギーです。

回復のプロセスは、例えば、さなぎが蝶になるプロセスにたとえることができます。

さなぎから蝶へ羽化というのは、観察していると実に大変なプロセスです。

しばらくの間、自分をさなぎという狭い世界にとじこめ、時期が来ると、そのさなぎを破っていくわけです。

蝶が羽化するプロセスは感動的です。

蝶は、さなぎの殻を破った後、徐々に体を外に引き出します。このとき、蝶の羽は非常に小さく、しわが寄っていて未発達です。

身体を完全に蛹殻から引き出した後、蝶は羽を広げ始めます。蝶は体内の液体を羽に送り込み、羽を広げて形を整えます。これには数分から数時間かかり、羽が完全に広がり固まるまで静止して乾燥させる必要があります。

蝶は自分の力で全てのプロセスを完遂する能力を生まれながらに持っています。でも、側から見ているととても苦しそうです。だからといって、人間が手伝ってあげようなんてことをすると、大変なことになります。そんなことをすると、その蝶は、飛べない蝶になってしまいます。

カウンセリングにも似たところがあります。カウンセラーにできることは、クライアントのプロセスが始まったら、クライアントの力を徹底的に信じるということです。

カウンセラーが下手に手を出すと、クライアントは、カウンセラーに依存するばかりになってしまうかもしれませんし、自分でプロセスをやり遂げるモチベーションを失ってしまうかもしれません。自分の内側から湧き出てくるエネルギーを信じることができなくなるかもしれません。

カウンセラーができることは、さなぎになる安全な場所を一緒に探し、プロセスを邪魔しようとする外部からの動きを防ぎ安全を確保する程度のことです。

クライアントのプロセスを徹底的に信じるには、勇気が必要です。プロセスが始まったら何もしない勇気。
・・・それが、カウンセラーには必須の能力です。

※イラストは、ChatGPTに描いてもらいました。蛹から脱皮し、最初に空を飛ぶ瞬間です。

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