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人は自然に成長する・・はず

人に干渉するのをやめれば、彼らは自分で自分の面倒をみる。
人に命令するのをやめれば、彼らは自分で行動する。
人に説教するのをやめれば、彼らは向上する。
人に押しつけるのをやめれば、彼らは自分自身になる。

これは、著名なセラピスト カール・ロジャーズが、老子を引用して人の成長について語ったものです。

人は、本来自然に成長していくのです。

しかし、時には、自分の成長の力を見失ってしまったり、信じられなくなることがあります。

そんな時、再び成長の力を取り戻すための一つのサポートとしてカウンセリングがあります。

カウンセリングにおいては、カウンセラーは、何が起こっているのか、どうしたらいいのかなどを、クライアントと一緒に考えていきます。

一人で考えるより、複数で考えた方がアイデアが浮かびやすいと言えるでしょう。

アイデアが浮かびやすくするためには、次の3つのことが必要です。

1、対等であること(対等性)
2、多様性が尊重されること(ポリフォニー)
3、無理に結論を出そうとしないこと(不確実性への耐性)

何か新しいものを生み出そうとするとき、上下の差があって、下の人が上の人に遠慮をしていたら、新しいアイデアなど滅多に生まれるものではありません。ですから、カウンセリングセッションにおいて、カウンセラーとクライアントは対等の立場です。カウンセラーが腑に落ちなかったら、それをカウンセラーに伝えてもいいのです。

多様性は、とても重要です。人それぞれ色々な背景があり、また個性があります。セラピーの場は、良い悪いを判定するところではなく、色々な考え方や感じ方が尊重される場です。色々な考え方や感じ方が同時に存在する状況を「ポリフォニー」と言います。ポリフォニックな場で初めて人は自由に、自分の考えや感情を述べることができます。そうでないと、つい誰かに忖度してしまったり、周りを強引に自分の考え方に変えようと説得してしまうかもしれません。

また、どうしたら良いかということは、簡単に決まるものではなく、Aかもしれないけれど、Bかもしれないという状態になることがとても多いと言えるでしょう。その場合、早急に結論を出そうとせず、保留することです。結論が出ないことは不安かもしれませんが、その不安への耐性を持つ(不確実性への耐性)を持つということです。「AかもしれないけどBかもしれない」というところに留まるのです。新しい情報が入ったり、なんらかの新たな発想が出てきたときに結論が出るかもしれないのです。

対等性・ポリフォニー・不確実性への耐性が実現しているところでの会話を、「対話(=ダイアローグ)」と言います。

言ってみれば、カウンセリングは、対話を続けて行く中で、クライアントが自分の成長の力を取り戻していくプロセスとも言えます。

※イラストは、「何かを思いついて喜んでいる男女」というコンセプトで、ChatGPTに描いてもらいました。想定より、ちょっと若いイラストになってしまいましたが・・・。

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