人生の転換期 その① 【寮生活】

続けざまに自己紹介をしてみようと思う。

詳しく自己紹介したら『匿名』でなくなるし、自分を『匿名』で表現することにまだ臆病なので、徐々に情報公開してみようと思う。

今回は、「人生の転換期」という切り口から自己紹介してみたい。ここでいう転換期とは自分の『思考や性格』が大きく変わった時だ。

たった23歳の人生で転換期なんて言葉は仰々しいけれど、自分の中で人生の転換期は3回あったと思う。

一回目は、15歳の時だ。

僕は中学から高校まで、とある山奥にある寮制の中高一貫校に通った。母がその高校の出身で、母親の後押しと学校の雰囲気の良さに惹かれ、進学を決めた。中学の寮生活は、携帯電話の持ち込み禁止、備え付けPCのインターネットは北朝鮮ばりの閲覧規制、外出は土日の日中のみ、と閉鎖的な環境だったが、友達関係はうまくいっていて、その環境の中で楽しい中学生活を送った。もともと、正義感の強い性格で、無意識だったがプライドも高かった(それが後に災いした。)生徒会の会長に他薦されたり、今思えば人望も厚い方だったと思う。

15歳の時、中学寮から高校寮に上がった。高校の寮は、上下関係が異常に厳しく、2つ上の先輩から理不尽な仕打ちを受けた。たとえば、挨拶の声が小さいという理由で、夜中に竹刀でリンチされたりした。もちろん先生たちは、それを知っていたが、学校の伝統という名のもとに黙殺していた。

この体験は、正義感とプライドを粉々に粉砕し、社会の理不尽さを高校生の自分に見せつけた。上級生が卒業するまでの1年間、その恐怖に耐えしのぐあまり、元来の正義感は消え失せ、身の回りのどうにもならない環境に抵抗する意欲がなくなった。

周囲への興味すら失せてきて、徐々に内向的になり、頼れるものは自分だけという信念が芽生えた。この時、「独りで努力する力」が身に付いたのは間違いない。

高校1年まで成績は、偏差値は40くらいで全体の中の下だったが、高校3年生には、偏差値60まで上げることに成功し、巷に有名私大と言われる大学に進学出来た。

高校3年間で「目標達成能力」や「努力する才能」を手に入れたが、失ったものも大きかった。例えば、「コミュニケーション能力」。この時期、人と話すのが億劫になっていたので、中学から付き合いのある心を開ける友達しか関わろうとしなかった。なので、高校から編入してきた同級生の中に、真に友人と言える人はいない。

ここ最近、ようやく高校3年間の意味が徐々に分かるようになってきた。その時は、嫌で仕方なく、人生をふいに過ごした時期だと思っていたけれど、そんなことはない。

こうやって、少しづつ、経験が自分の肚に落ちていく感覚。この感覚を味わえた時、前の自分よりほんの少しだけ大きくなったような気がする。大事にしたい感覚。


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