吉田 来

吉田 来

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夏の怖い話

 それは まだ子供たちが 小学生の頃の話です。 田舎住まいの我が家の周りで 虫を取ったり 用水路で遊んだり 兄弟で楽しい夏休みをすごしていました。  ある日の夕方 私が夕食の用意をしていると 子供たちが 遊びから帰ってきて言いました 「カブトムシ いっぱいつかまえた。」 「見て 見て。」 引かれるままに玄関へ行くと いました  かさかさと オス メスの カブトムシが 5匹ほど 歩き回っていました。 「かご! かご! なんで虫かごに入れない!」 あわてる私の隣で  「あれ 1匹

    • 夏の幸せ

       夏の幸せは 冷蔵庫の中にある。 フルーツこうもり と呼ばれている わたしと次男の幸せだ。 その幸せは 母ちゃん(義母)によってもたらされる 幸せの ‟ タッパースイカ ”。  タッパースイカ とは その名の通り タッパーに入った西瓜だ 一口大に乱切りにされた スイカが 2Lのタッパーに 蓋が閉まらないほどに詰められ 冷えている。 スイカの入手方法はいろいろだ 近所に住んでいる親戚が 作ったものだったり お礼だったり お詫びの品だったりで 購入することは ない。 そんな感じで

      • 推理小説

        フランス発のShort Editionという 自動販売機がある。 販売機と書いたが 無料らしい。 1分 3分 5分 の3つのボタンがあり それらを押すと そのくらいの時間で読める 短編小説や詩などが レシートにプリントされて 出てくるのだという。 ほしい! 駅に。 スマホで何か読めばいいじゃないか という人もいるかもしれないが そうじゃない。 自分で入力した検索結果が見たいんじゃない 勝手に与えられる 偶然の出会いみたいなモノも おまけで欲しいんだ。 どこかの駅で導入しないだ

        • ひいばあちゃんからもらったもの

           テレビで しらたき の新しいレシピで カルボナーラを作る みたいなものをやっていた。 それを見ていた 次男が 「ひいばあちゃんは とっくに取り入れてたな。」 と つぶやいた どゆこと?  聞いてみると 今高校生の彼が小学生のころ 「そば 食べり~。」 と ざるに入れ運んできたものは "糸こんにゃく" そのころ 流水めん なる 水洗いしただけで食べられる  うどんやそばがあり ひいばあちゃんはそれと思って出してきたらしい。 確かに そばっぽくはあるが 半透明なそれを見て 兄が

        夏の怖い話

          無敵の食パン

           以前 コンビニで食パンなどを買った時のこと。 店員さんが購入品を袋詰めをしてくれる ペットボトルを2本入れ それから横に食パンを入れた。 嫌な予感がした。 食パンの上に お団子3本セットをのせた。 そのお団子3本セットの上に プリンをのせた しかもそのプリンは最大級の380gのプリンだ。 やめろぉぉぉぉ! 叫びだしそうだった なんで柔らかく繊細な食パンの上に モノをのせる!! 横にはペットボトルが置かれていて コンビニ袋を持ち上げると 横からも ぎゅっとなって 食パンでペッ

          無敵の食パン

          会議で決まったことなのか

           お土産でいただいた箱のお菓子で 雷鳥の里 というのがある サックっとおいしい お菓子。 私が気になるのは お菓子の方ではなく 封入されている 雷鳥だ。  初めてそれを見たのは 義母からいただいた お土産だったと思う 数年前のことだ。 おかし~ おかし~♪ と 歌いながら 2人の子供たちと 箱のふたを開けた 何だこれ~!!! 3人で絶叫した 箱の中には ネクタイのごとく金色のひもを結び きれいに並べられたお菓子の上に 雷鳥がいた。 夏の雷鳥だ。 ダイカットされた 画の雷鳥は

          会議で決まったことなのか

          結露 結露 結露

           この時期 家は激しく結露する。 知り合いの大工さんが 「見えるところの結露を止めても  見えないところが結露するだけだよ。」 と 聞いてから 見えないところが結露するのは いやだな。 と 思い 見えるところを結露させている。 今年も 素晴らしい勢いで結露している。 さすがにこれはと思いたち 100均へ向かい 結露吸収シートなるものを購入した。 サイズ違いで 何本も購入した。 担当のレジの人は思っただろう おまえんち どんだけ結露すんだよ! と。 レジの人へ おまえが思

          結露 結露 結露

          永遠のリンス

           「何で リンスのボトルに水入れたの?」 風呂あがりのダンナが私に聞いた。 「そうそう 僕も思った。」 次男も参加してきた。 入れてない。 そう答えると 二人とも 「すごく しゃばしゃばで~。」 「ママしか入れないでしょう~。」 と 納得いかないようだった。  次の日 お風呂に入った時に確認すると 二人のいったとおり しゃばしゃばのリンスが ボトルに満タンだった。 なぜ 私が気がつかなかったかというと 自分だけ 別のトリートメント剤を使用しているからだ。 すごいな 思ったより

          永遠のリンス