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とある風俗嬢の手記(ORIGINAL)

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記事一覧

人類皆総彫師

"ささら"という名の前は、川崎堀之内で"はずき"と呼ばれていた。その前の名は何だっただろう。…

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情事のさなか風俗嬢は何を思うか

「ここ一番という時に、また来ます」 瞳がぐっと澄んだ彼は、そう残して帰って行った。その背…

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本気の大人の玩具屋台

ここまで見事に騙されたことが、果たして今まであっただろうか。浴槽の温湯に浮かんだそれらに…

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カーテンを開いて

───……ああ、だめだ。泣いてしまう。 ベッドの上で横隣。薄ら滲み始めた視界を認識しなが…

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大夫でも女優でもないただの風俗嬢。

風俗嬢と悪魔は似ている。小悪魔だとかそういう話じゃない。地獄行きの契約でもなく。"証明で…

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「なんにもしてあげられないけれど」

桜は大方散った。雨が降る。藤の花の香りが雨に溶け込む。紫陽花の葉がしとどに濡れて。晴天も…

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物言わぬが花、物申すが花魁。

「ほんとうの、遊女みたいだね」 謎多き彼が、コールの数分前にぽつりと言った。 ほんとうの、ゆうじょ。音をそのまま繰り返す。 「昔ちょっと知り合いに頼まれた記事を書くのに吉原について調べててさ。取材兼ねて何度かお店に行ったこともあったんだけど」 謎がまた一つ増えた。 花粉症持ちで、でも春はよく沖縄に居るから大丈夫で、オタク気質もありつつ、美味しいパンを知っていて、そしてアナル責めがとても上手い。(本当に技術のある人にしか許可しない) でも、多かれ少なかれ、どんなお客さん

「ラスト枠、ストゼロ片手においでませ」

吉原で、こんな出逢いが果たしてあっていいんだろうか。久々にnoteを更新しようと思った。手元…

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「男は金だよ」

下を向いている時、強制的に上を向かされる。「無理に」ではなく、「自然と」だ。私の中で「自…

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風をはらい荒れ狂う稲光の下で

「​────夢が、あるんだ。」 結論から言うと、120分が会話だけであっという間に…

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幻の割引券を販売致します。

​─────── 非常事態宣言解除に伴い、 前売り券の販売を終了させて頂きます。 ご購入く…

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Cry baby

気付けば私は真っ裸で、初めて会ったその人の目を見上げ乍ら、ぼろぼろとみっともなく泣いてい…

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トんで〇〇タマ

吾輩はノーパンである。 下着はまだ無い。という訳では流石に無い。成る可く縛られたくはない…

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プロ失格

プロの嬢とは、どういう女性を言うのだろうか。 友人の元キャバ嬢は、それはもう凄かった。お客さんのニーズを瞬時に見抜く。「ああ、この人はこういう女が好みなのね」と切り替える。ある種の芸と言ってもいい。七変化。八面相。一桁じゃ到底足らないだろう、恋愛営業も友情営業もそして乞食営業も全て使い分けた。彼女は人気嬢だった。No.1だったこともある。 それを「なんだ、嘘じゃないか」と足蹴にするのは待って欲しい。夢を見る場所なのだ。それを分かって来ている、けれど夢を現実としたい葛藤を抱