島の看護記録Vol.6
今日は快晴でとても気持ちの良い朝を迎えることができました。朝日を浴びたほうが良いというのは理にかなっていると思います。
今日は少し医療従事者の視点で日記を書いていきます。
本日、東京都の感染者数が118人となりました。昨日は80人くらいだったので40人増加したのと、3桁を超えてしまったのは問題です。3桁いくとそろそろロックダウンかなと思っていた矢先に簡単に超えました。
私は3月まで千葉の大学病院の集中治療室で勤務しており、今問題になっている人工呼吸器や人工心肺(ECMO)を必要とする患者さんを看てきました。そこで思うのはそんな患者さんが何人もいたら看護師は身が持たないということ。特にECMOに関しては観察すべきところがたくさんあり、気が張った状況で夜勤なら16時間過ごさなければなりません。
現在、国が急ピッチで進めているのはECMOや人工呼吸器の増産です。しかし、ECMOを使い治療している病棟はとても少なく導入できる医師や管理できる看護師に限りがあります。その状況で機械だけ増やしても助かる命はわずかだと思います。確かに1人でも多く命を助けたいという気持ちは皆一緒です。
しかし、医療崩壊はすぐそこまで来ています。(もしかしたらもう崩壊している可能性も・・・。)
とにかく今は、ぎりぎりの状況で保っていますが、これは医療従事者の善意で成り立っています。医師は当直を繰り返しほとんど睡眠をとれていません。それが当たり前の風習にさえ感じるほどです。医師の勤務時間を時給に換算すると800円程度らしいです。あの高収入の医師がです。どれほど病院に拘束されていることか。
こういった状況のなか医療従事者は感染の恐怖と戦いながら、勤務しています。危険手当なども出ないのに。
特に褒めてほしいとかではなく、現実問題こういう状況が起きていることを知ってほしいのです。
住んでいる島では、感染者は出てはいないですが出る可能性はあります。このまま感染者を出さないのが我々の島の医療従事者の役割です。感染者が出ていないということもあり、意識は東京よりも低いと感じます。また、高齢者が多く病院嫌いの方もいます。そこにどのように溶け込んでいくかです。
畑仕事を手伝ったり、道で会ったら挨拶をして世間話しをしたりと。一見医療とは関係ないことのように見えますが、これも立派な看護です。地域に特化した看護だと思っています。関係性を深めれば、私たちの言うことを聞き入れてくれます。
そういった、地道な活動が地域で医療をするには必要なのです。
島への感染を防ぐためにも明日は畑仕事を手伝いたいと思います。
それでは、また明日。
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