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いつまでも元気に生活するための睡眠の役割

いつまでも元気に生活するには、運動、食事、睡眠が大切です。
私は理学療法士として働いていると、様々な高齢者に会います。
70代後半~80代になっても元気な方の多くは、運動、食事、睡眠を大事にしています。人生は積み重ねなので、若いうちから、これらを大事に生活することが、長期的な健康に繋がります。
運動や食事がどうして健康に大事なのかは、多くの人が知っているのですが、睡眠に関してはあまり知られていません。

そのため、今回は、いつまでも元気に生活するための睡眠の重要性というテーマで記事を書いていきます。
この記事は、2170文字程度です。

いつまでも元気に生活するとは?

言い換えると、健康寿命を延ばすという意味になります。
健康寿命とは、人の手を借りずに生活できるという意味です。
健康寿命と平均寿命の差は、男性で約9年、女性で約12年あると言われています。この期間は、自分の力だけでは生活ができません。

要するに、健康寿命を延ばすことが、いつまでも元気に生活するには、大切です。

自立した生活が困難になる原因は?

自立した生活が困難になるとは言い換えると、介護が必要な状態です。
平成30年の内閣府の報告によると介護が必要になった主な原因は、
①認知症、②脳血管疾患、③高齢による虚弱です。

つまり、
これらの病気や状態にならないことが、いつまでも元気に生活するために大事
になります。

それぞれの病気・状態について詳しくみていきましょう。

①認知症

認知症とは?

脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。
アルツハイマー型認知症が、認知症の中で最も多く、脳の一部が萎縮していく過程で起こります。
今回は、最も多いアルツハイマー型認知症を中心にみていきましょう。

症状

もの忘れ、時間・場所がわからない、理解力・判断力が低下するなど

なぜ、アルツハイマー型認知症になるのか?

アルツハイマー型認知症の原因の1つは、アミロイドβと呼ばれるたんぱく質が脳内に蓄積されるためです。アミロイドβは睡眠不足によって、増加するといわれています。

アルツハイマー型認知症と睡眠の関係

睡眠の質(とくに深いノンレム睡眠の質)は加齢とともに低下します。この睡眠の質の低下は、記憶力の低下と関連があります。
アルツハイマー型認知症患者の睡眠を観察した研究では、深い睡眠が普通よりも低下していることがわかったと報告されています。
つまり、深い睡眠を取ることが認知症予防に重要となります。

②脳血管疾患

脳血管疾患とは?

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血があります。脳の血管が詰まれば脳梗塞ですし、脳の血管が破裂すれば脳出血になります。また、一部に動脈瘤ができて破裂したらくも膜下出血です。

症状

片方の手足が動かなくなり・痺れる、顔の半分が動かなくなり・痺れる、ろれるが回らなくなるなど

脳血管疾患の危険因子

脳梗塞
高血圧、不整脈、糖尿病、喫煙、肥満など
脳出血・くも膜下出血
高血圧、喫煙、飲酒

脳血管疾患にならないためには?

脳血管疾患の危険因子である高血圧・糖尿病にならない、飲酒・喫煙をしないことが、重要です。

脳血管疾患と睡眠の関係

睡眠不足になると、脳血管疾患の危険因子である糖尿病、高血圧、肥満などになる可能性が高くなるといわれています。つまり、脳血管疾患になる可能性を高めることを意味します。
睡眠をしっかり取ることが、脳血管疾患になる可能性を低くすることに繋がります。

③高齢による虚弱

高齢による虚弱とは、加齢により心身が老い衰えた状態のことです。
虚弱が進行すると、要介護状態になります。

虚弱の多面性

虚弱には多面性があります。大きく分類すると3種類あります。
身体的虚弱
筋力低下、栄養不足、歩行速度低下など
精神的虚弱
うつ、認知機能低下、気力の低下など
社会的虚弱
ひきこもり、孤食など

虚弱にならないためには?

身体的虚弱精神的虚弱社会的虚弱の要素に該当しないことが、重要です。

高齢による虚弱と睡眠の関係

筋力と睡眠の関係
筋力には、筋肉量が関係します。
当たり前ですが、多ければ強く、少なければ弱くなります。
筋肉が作られるには、成長ホルモンが必要です。この成長ホルモンは、深い睡眠時に分泌されます。
つまり、深い睡眠が低下すると、成長ホルモンの分泌量は減り、筋肉量低下につながります。筋力が低下することで、歩行速度の低下も招きます。

うつ、気力低下と睡眠
睡眠不足になると、うつ病にかかる確率が高まり、気力低下も招くことが言われています。

ひきこもりと睡眠
ひきこもりには、様々な要因がありますが、筋力の低下やうつ、気力の低下も関係します。つまり、身体的虚弱や精神的虚弱が社会的虚弱を引き起こしてしまいます。そのため、間接的に睡眠が関与しています。

介護の原因と睡眠

介護になる原因と睡眠には関係性があります。
いつまでも元気に生活するために、睡眠を大切にしていただきたいと思います。

まとめ

・いつまでも元気でいることは、健康寿命を延ばすことを意味します。
・介護状態になる原因は、認知症、脳血管疾患、高齢による虚弱があります。
・認知症、脳血管疾患、虚弱には、睡眠不足・睡眠の質が関係します。
・睡眠の量と質を確保することが、いつまでも元気にいるために必要です。

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