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腰痛を防ぐために職場でできる対策方法~環境編~

「腰痛について知りたい」
「職場で腰痛を抱えている人が多くて対策をしたい」

これらを解決するきっかけになる記事です。

腰痛とは?

腰痛とは、疾患ではなく、腰部を主とした痛みやハリなどの不快感のことを指します。

腰痛ですが、原因がはっきりわかるかどうかで大きく2つに分類されます。

特異的腰痛
医師の診察および画像の検査(X 線や MRI など)で腰痛の原因が特定できるもの

非特異的腰痛
原因が特定できないもの

下記の図のように、多くの場合は、非特異的腰痛になります。

つまり、腰痛の多くは、非特異的ではっきりした原因がわからないことになります。


腰痛と仕事効率

腰痛は、仕事の効率を低下される要因になります。

労働生産性低下による経済損失が大きい症状
1位 首の痛み・肩こり
2位 睡眠不足
3位 腰痛

Nagata2018

つまり、腰痛があると、最大限の力を発揮することができず仕事の効率が低下し、経済損失が生じてしまう可能性があります。

腰痛の改善は、自身の力を最大限に発揮し、仕事の効率を高める可能性を秘めています。
もちろん、腰痛があっても仕事の効率が低下していない人もいるでしょうし、腰痛以外の症状や病気で仕事の効率が低下している人もいるでしょう。
なので、腰痛改善=仕事の効率向上は、1つの可能性になります。

腰痛の原因とは?

腰痛には、腰部へのストレス、既往歴、睡眠状態、ストレス、うつ、過去の腰痛の経験など様々な原因が存在しています。
そのため、色々な要因が複雑に絡み合い痛みが生じていることがほとんどです。

今回は、腰部へのストレスを減らすために職場でできる腰痛予防策を労働衛生の観点でまとめていきます。

労働衛生とは?

働く人の健康維持のために、職場の労働条件や作業環境を改善する取り組みのことです。
一般的には、
「作業管理」
「作業環境管理」
「健康管理」
「労働衛生教育」

の3管理・1教育で働く人の健康が維持されています。

少し詳しく説明していきます。

作業管理とは?

作業時間、作業手順、作業量、作業姿勢を適正化したり、保護具を使用して負担を少なくすることなど。

作業環境管理とは?

できる限り良好な環境になるように策を講じること。

健康管理とは?

健康診断などで健康状態を把握したり、健康障害を未然に防ぐこと。

労働衛生教育とは?

従業員が安全で健康に働けるようにする教育のこと。

今回は、腰痛予防において作業環境管理の視点で説明していきます。

腰痛予防のための作業環境管理とは?

できる限り良好な環境になるように策を講じることです。

腰痛予防のための作業環境管理は大きく5つあります。
①作業内は、適切な温度に保つ
②適切な照度を保つ
③床面を良好な状態に保つ
④作業空間や設備
⑤振動

それでは、詳しく説明していきます。

①作業内は、適切な温度に保つ

適切な温度は、作業強度により調整が必要になります。
適切な温度の目安は、夏で25~28℃、冬で18~22℃といわれています。

【例えば】
・作業強度 高(重量物の取り扱いなど)
 →温度をやや低め
・作業強度 中(立っての軽作業など)
 →通常の温度
・作業強度 低(座位の作業など)
 →温度をやや高め
※部屋の中の位置(床からの高さ、壁からの距離、空調との位置関係など)  
 により、適切な温度が異なるため、環境面の考慮も必要

冬季の屋外のような低温環境下での作業の注意点
1、保温のため暖かい服装をする
2、適宜、暖を取れるように休憩室等に暖房設備を設置する

なぜ、適切な温度に保つことが腰痛予防になるのか?

温度は、筋肉内の血流に影響するからです。
寒い環境では、筋肉は血流が低下し、腰の筋肉が硬くなります。
腰の筋肉が硬いと、腰痛を発症しやすくするため、適切な温度に保つことが重要になります。
スポーツの前にストレッチ(柔軟)が行われるのと、同じ原理になります。

②適切な照度を保つ

作業場所、通路、階段等で、足元や周囲の安全が確認できるように適切な照度を保つことです。

なぜ、適切な照度を保つことが腰痛予防になるのか?

足元や周囲の安全が確認できるようにすることで、作業者の滑り、転倒、階段の踏み外しを防止することができます。

③床面を良好な状態に保つ

労働者の転倒、つまずき、滑りを防止するため
・床面は凹凸がなし
・防滑性
・弾力性
・耐衝撃性

に優れたものにする。

④十分な広さの作業空間を確保し、動作が不自然にならないように機器設備を配置する

腰痛リスクを高めてしまう作業空間
・作業や動作に支障をきたすような機器や設備の配置
・整理整頓されていない作業空間
・狭い作業空間

「整理整頓されていない作業空間」や「狭い作業空間」
はわかりやすいと思いますが、
「作業や動作に支障をきたす機器や設備の配置」
はわかりにくいと思いますので、もう少し詳しく説明していきます。

作業や動作に支障をきたす機器や設備の配置で注意すべきこと

・適切な作業位置
 →斜めではなく、正面で作業できる環境かどうか
・適切な作業姿勢
 →腰が曲がったり、ねじれたりせず、良い姿勢でできている
・適切な高さ
 →作業台に手を置いたときに、肘が90°になっている
などです。

⑤振動を減らす取り組みをする

・建設機械などの長時間振動を受ける作業
 →座席などに振動ばく露の軽減対策を取る

まとめ

・労働衛生の3管理+1教育の中に作業環境管理があります。
・作業環境管理では、できる限り良好な環境になるように策を講じることです。
・腰痛に関する作業環境管理では、温度、照度、床面、空間、設備などの管理があります。

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