見出し画像

本物

「本物」が強いことは足元の乱高下を繰り返す株式市場でも鮮明になりつつあります。

 米国NASDAQ指数は年初から約90%程度の水準です。EV関連のリヴィアンやルシードが年初の水準の約50%、約63%と低迷し、ネットフリックスやウーバーでも同じく約63%、約81%の水準であり、NASDAQ指数に大幅に劣後しています。

 ところが、アップル約98%、アマゾン約98%、グーグル約99%、マイクロソフト約94%と金利上昇やウクライナ侵攻で一時的に下げましたが、早くも年初の水準に戻りつつあります。特にアップルは直近では11日連続上昇という期間もありました。テスラも他のEV関連が低迷する中で約92%まで戻してきています。

 ちなみにウォルマートやコストコはテック企業ではありませんが、年初の水準をすでに数%上回ってきています(他の小売業は戻りが鈍い)。米国市場では不確実性の中でも、「本物」にはお金が集まっているということだと思います。日本市場は円安もあり外国人投資家が離反していますので、日経平均は年初から95%水準までは戻ってきている中で、グローバル企業で外国人持株比率が高い企業の多くは株価水準が低迷しています。そんな中でトヨタの約98%は流石であると思います。ソニーでさえ約88%の水準です。

 さらに、テック系でみれば、メルカリ約55%、フリー約70%、エムスリー約76%と軒並み低迷しています。(メルカリ、フリーは赤字継続)米国市場ではアップルやアマゾンなど「本物」にお金が集まっていますが、これを国と言う単位で見てみると、やはり「米国」が断トツで「本物」であると考えられます。 

 米国株式の約40%超は「外国人」に保有されています。数値は20年前に比べて倍増しています。世界のお金は米国に流れているのです。ちなみに日本株式は約30%が外国人に保有されています。時価総額から推定すると外国人は米国株(NYSEとNASDAQの合計)を金額ベースで約20兆ドル持っており、日本株は約2兆ドル持っていることになります。全体の時価総額にほぼ比例していますが(米国約50兆ドル、日本約6兆ドル)、金額の絶対値は歴然としています。

 皆さんもご存知のように米国と日本のGDP成長率予想は2022年がそれぞれ4.0%、3.3%、2023年が同じく2.6%、1.8%となっており、今後10年間の成長見通しも米国が高くなっています。実は10年前に、東証株価指数(TOPIX)とS&P500種指数に同額を投資したとすると、為替レート調整後でTOPIXは2.2倍にしかなっていませんが、S&P500種はなんと4.5倍と驚異的なパフォーマンスになります。(欧州は3倍前後)。

 今後10年間を展望すると、GDP成長率やイノベーションが生まれる環境等などから判断すると、米国優位は動きそうにありません。国と言う単位でも米国が本物であり続ける可能性が高いと言えます。

 世界が混とんとするであろう今後10年間でも「本物」にはお金が集まり続けるのは国でも一企業でも同じであるということだと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?