ドキドキの初ファンダイブ
私は伊豆でOW講習とAOW講習を連続して受けたので、南の海に行きたい願望がかなり高まっていた。
偶然7月の平日に3連休をもらえたので、ノリと勢いだけで沖縄へ一人旅に行くことにした。3月にOWをとり5月にAOWをとった当時22歳。
若者の勢いというものに我ながら驚くが、これはこれで面白い経験となった。
これまた勢いでカメラを買い、いざ沖縄へ!
2泊3日、行きも帰りも昼発の飛行機なので、1日目は一人で観光。
観光といっても、当時は車も乗れなかったのでただひたすら国際通りを行ったり来たり…
ちょっと脇道に入って穴場っぽいご飯屋さんに入ったり…
夜は飲みに行く勇気はなかったのでコンビニでおつまみと缶チューハイを買ってホテルで一人飲みをし、翌日のダイビングに備えて早めの就寝。
そして2日目、念願のダイビング!
ノリと勢いだけで予約をしたので不安もあったが、しっかり楽しませてくれるショップだった。
Cカードナンバーやその他必要事項を書いて受付を済ませると、さっそく乗船。ドキドキして隅っこに座っていると、ほかのゲストの方が話しかけにきてくれた。
初めてのツアーで沖縄一人旅なんて凄すぎる!と何度も言われるうちに「場違いだったのか…」と不安になることもあったが、もうここは海の上。
潜るしかないのだ。
行こうとしてたポイントは荒れていて入れないとのことで別のポイントへ。
そのポイントまでは30分ほどで到着。
「こっちはベタ凪だね〜」と盛り上がっていたが、私には一切凪ているようには見えなかった。
ポイントに到着して説明を受けた時、衝撃の事実を知らされることとなる。
なんとドリフトダイビングのポイントだという。
ドリフトダイビングとは簡単に言うと、潮の流れに乗って流されながらダイビングを楽しみ、流れた先でボートに迎えにきてもらうみたいな感じだ。
私の緊張メーターがMAXに。
・初のファンダイブ
・初のドリフトダイビング
・初の沖縄ダイビング
・初のウエットスーツ(講習は全てドライスーツ)
・初の1日3ダイブ
これだけの初挑戦が一気に襲ってきたのだからもうドキドキが止まらない。
そんな時、インストラクターから「亀みたいに優雅に泳ぎましょ〜」と言われ何故かその言葉で力が抜けた。
■1本目
潜ってすぐ、亀が現れ大感動!
上がってから「ほんとに亀っているんですね!」とテンションそのままに言って笑われたのもいい思い出だ。
亀が衝撃的すぎて、他にも色々見たはずなのだがほとんど覚えていなかった。
■2本目
南方系の綺麗な魚を紹介してもらったり、口からうまく空気を吐いてリングを作って見せてくれたり、いろんな形で楽しませてもらった。
私もリングを作りたかったが初心者が水中でむやみにレギュレーターを外すのは危ないだろうと思い、見るのに徹する事とした。
■ランチ
2本潜ってランチになるのだが、沖縄ではポピュラーな船上ランチスタイルとなる。
ショップの方が船上で手際良くソーキそばを作ってくれた。
7月だったとはいえ、2本海の中に潜っていると身体は冷えるもの。アツアツのソーキそばがものすごく美味しかった。
■3本目
生物よりも地形メインで案内をしてもらった。
まるで水族館の中にいるような感覚になる。
沖縄の海は水が青くて本当に綺麗だ。
沖縄のダイビングショップは競争が激しいからなのか、いわゆる殿様ダイブやお姫様ダイブといわれる、セッティングから何から大体のことはショップ側がやってくれるスタイルなことが多い。
私がCカード講習を受けたショップは「自立したダイバーを目指せ」と講習時期から全て自分で行うスタイルだったので、全部やってもらえるのは非常に楽だった。
リゾートダイバーがうまれる理由の一つにこれもあるのだろう。
少し話がそれたが、沖縄一人旅のメインイベントのダイビングを終え、ショップに戻ってログ付けをしていると「この後一緒にBBQでもする?」とのお誘いをいただいた。
そうそう、アフターダイブの充実こそが次のダイビングへの活力となるのだ。
初めて会った人ばかりだが、一度一緒に潜ってしまえばすぐ仲間になれる、ダイビングにはすごい力がある。
楽しい宴も終わり、その日はホテルで即爆睡だった。
最終日はお昼の飛行機に備えて、また国際通りをふらふらして、早めに空港に行ってラウンジでコーヒーを飲みながら飛行機を待った。
定刻通りに飛行機が飛び立ち、私の初の沖縄一人旅は無事に終了したのだ。
もともと変化を恐れて挑戦から逃げて生きてきた人生で、一人旅なんかしたいとも思わなかったが、ダイビングで海に魅せられこんなにも人生が変わるなんて思わなかった。
この旅で楽しかったことは数えきれないくらいあったが、反省した点もある。
後日講習を受けたショップで沖縄に行った話をしたところ、インストラクターから「知り合いいるからサービスしてもらうように頼めたのに」と言われた。
ノリと勢いだけで旅を決めるとこんなチャンスを逃してしまうこともあるのかと反省した。
いろいろあったが、この沖縄の旅は私のダイビングライフをさらに楽しませるガソリンになったことは間違いない。
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