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クリスマス会

ウィーンに引っ越ししてから7年半くらいが経過してしまった。年を超えてしまえば、もう8年も間近になるわけで、時間の経過は早いものだなとのんびり考えてる暇もなく明日はやってくる。クリスマスが迫る夜中の地下鉄に乗れば、酔っ払いが座席に倒れ込むように寝ていて、いびきをかいている。ヨーロッパでもみんな平和ボケてるんだなと思っていたら、その酔っ払いはそのまま床に放尿してしまい、床がびちょびちょになってしまった。周りの乗客は面白半分に写真と撮ったりしながら笑ったまま、電車は終点駅に向かった。彼の写真は誰かのSNSに晒されて笑い者になってしまうのだろうか、こうやってみんな身近にある小さな知らない他人の不祥事を笑うことで自分の自尊心をギリギリなんとか崖っぷちのところで保とうとするのだろうか。もはや誰もが人類は正気の沙汰ではないと宣言すればいいのかもしれないけれども、人類の叡智と尊厳を保つためにはそうも言ってられない。そういえば、僕がオーストリアに来ることになったはあるギャラリストのおかげで、彼女のおかげでこんな状況に出会うことができたとも言える。だがしかし、唐突に今年そのギャラリストとも最後の別れとなってしまった。

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