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子育ての視点を保護者から子どもへ〜「3000万語の格差研究」から学ぶこと 【239】

 1970年代に「親の学歴や経済的地位とは関係なく、たくさん親から話しかけてもらった子は、そうでない子に比べてよくできる」という結論が出された研究がありました。それがハートとリズリーの"The Early Catastrophe: The 30 Million Word Gap by Age 3"という研究です。

 この研究に対する批判もありますが、この論文をヒントに、親の子供への話しかけについて大切にすべきことについてまとめたのが、耳鼻科医であったダナ・サスキンドです。

 彼女は耳鼻科医としての仕事をしながら、子どもへの話しかけ方について重要なことに気がつきました。それは、ただ親からの一方的な言葉がけではなく、子どもを中心に置いた関わりが重要だということです。

 彼女が耳鼻科医として働く中で何に気づき、どんなことを述べたのかこちらの記事や書籍を参考にしていただけたらと思います。

子どもを中心においた会話を

①Tune In

 子どもの発達や将来の健康や幸福は、子どもが示した興味に対する保護者の反応の仕方が大きく関わっていると書かれています。そのためには、子どもの行動に注意を向けてそれに反応することが重要だとしています。つまり、子どもを中心において会話を進めていかなければいけないということです。この最初の段階ができないと、残りの②と③は意味がなくなるそうです。

②Talk More

 「子どもとの会話」という考えを大切にし、具体的な言葉をなるべく使うことが大切だとされています。ここでは指示語などで済ますのではなく、きちんと物の名前を言うことが重要だとしています。

③Take Turns

 子どもとの交互の会話を成立させるために、焦らず子どもの反応を待つことが重要だとしています。親が言葉を先取りしないように、我慢しつつ子どもへの問いかけを工夫することで会話が促されます。これは意識していないと本当に難しいと私も思います。意識していないとつい言葉を補ったりしてしまうので、心に余裕のある時はいつも待つように心がけています。

 このような考え方一つで子どもとの関わりは大きく変わってくると思います。ダナ・サスキンドさんのこの本は電子書籍では手に入らないようなので、日本に一時帰国した時にチェックしてみたいと思います。
 最後までお読みいただきありがとうございました。

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