ヨシノ サオリ

好きなもの:猫、コーヒー、日本酒、美しくて冷たい水、清らかな神社。そして、やさしい言葉…

ヨシノ サオリ

好きなもの:猫、コーヒー、日本酒、美しくて冷たい水、清らかな神社。そして、やさしい言葉 /苦手なもの:犬、ジュース、強い洋酒、人付き合い。そして、やさしい言葉を使うこと

最近の記事

いきる|詩

仕事が面白くなくても、 男に相手にされなくなっても、 今の環境に息苦しさを感じても、 星占いの結果が悪くても、 それでも、生きるの。 家族が居なくなって、 友達も居なくなって、 知り合いも居なくなって、 嫌いな人さえも居なくなったけど、 それでも、生きるの。 何が本当で、何が嘘か分からない。 みんな好き勝手なことばかり言っている。 よく分からない世界で、 それを信じるしかなくて、 それを日常として、生きるの。 生きていくの。

    • 風の吹くとき┃詩

      強い風が吹くと 木が揺れる 水面が波立つ 雲が無くなる 強い風が吹くと 立っていられない 目も開けられなくて、耳も痛い この風は 袋から出たもの? それとも あなたが飛び回って起こしたもの? さらりとした風は すべてを清めてくれる うねる風は いろんなものを巻き上げて 全部どこかへ持っていっちゃう 風を起こすとき あなたは楽しんでいるの? それとも怒っているの? 風が無くなった 木は揺れていないし 水面も穏やか 雲も戻ってきた あなたがいなくなった 風の吹くと

      • ふってあげる丨詩

        次、生まれ変わるなら、 男がいい? 女がいい? わたしは、 次も女がいい。 また女に生まれて、 今よりもっと、 女を楽しむの。 女としての、 女だけにしか味わえない喜びを、 めいっぱい味わうの。 だから、 あなたは、 次も男として生まれてほしい。 男を選んでほしい。 それで、 また、わたしと、 出会ってほしい。 そしたら今度はわたしが、 あなたを思いっきり、 ふってあげる。 もう二度と、 わたしに近づけなくなるように、 ふってあげる。 あなたが、わたしにしたように、 ふ

        • 待つの|詩

          清潔な服や寝具、 整えられた部屋、 かわいい子どもたち、 好きなおかず、 そして、 笑顔で、 あなたの待つの。 無駄なものを省いて、 それでも散らかしているけど、 たった一人しかいない、 お酒にあう料理しかできないけど、 笑顔で、 あなたを待つの。 あなたはどっちが好きなの? 私なの? わたしなの? 心が癒されるのは、どっちなの? 私なの? わたしなの? 帰る場所は、 私のほうでしょ? カラダが求めるのは、 わたしのほうでしょ? 私は わたしは あなたを待ってい

          不思議なところへ|おはなし#1

          不思議なところへ行ってきました。 訪ねた場所が不思議なところだったのではありません。 その場所へ行った帰り道、坂道を通りました。 その坂道が不思議なところだったのです。 わたしは、その坂道を下っていました。 舗装もされていない、昔話に出てくるような土の道でした。 わたしと、もう一人の人しか、その道を歩いていません。 もう一人の人は、わたしを探し、わたしを誘い出した人でした。 二人とも話をすることもなく、ただただ、その坂道を歩いていました。 途中、冬枯れになった木が1本あり

          不思議なところへ|おはなし#1

          ”ヨシノ”のこと

          7月某日 某神社へお参りに行きました。 この神社には、事あるごと・・・というか、「行きたい」衝動にかられては、たびたび訪れています。 一般の参拝者でも、時間に間に合えば神職の方と一緒に朝拝をすることができ、”せっかく”なので、朝拝を目指して行くことにしました。 ”せっかく”というのも、私自身の節目を迎えるときで、そんなときだからこそ、良い気をいただきたいと思ったからです。 もう少し早く出ればよかったかな…。 そんなことを道中で思いながらも、途中の休憩はきちんとして、急ぐよう

          ”ヨシノ”のこと

          あなたとわたし|詩

          去年の今頃、 アナタがわたしのそばにいた 去年の今頃、 あなたとはまだ出逢っていない 去年の今頃、 貴方はやっぱりわたしのそばにはいなかった いつもわたしに優しかったアナタは 遠いところへ行ってしまって ここにはもういない 知らない人に過ぎなかったあなたとは 不思議な糸に手繰りよせられて 二人だけの秘密を共有している だけど、 貴方にいたっては 遠い存在のまま あの頃と何も変わっていない ただ、そばにいて欲しいだけなのに わたしには とても不安定で とても不確かな

          あなたとわたし|詩

          嘘つき|詩

          嘘つきは泥棒のはじまりです わたしはとてもうまく嘘をつくことができます わたしは泥棒でしょうか わたしは泥棒だと思います 嘘をうまくついて 周りを欺いています わたしは泥棒です 分かっていながら 人のものを卑しく盗ってしまいました あなたはとてもうまく嘘をつくことができます あなたは泥棒でしょうか あなたは泥棒だと思います わたしなんかよりも 巧みにそして強かに 周りを信用させながら あなたは嘘をつきます あなたは泥棒です わたしにも嘘をついています そして わた

          雨の名曲

          いつもあまり見ない歌番組をその日は見ていました。 その日の特集は「雨の名曲」。 いろんな年代の「雨」の歌が流れていたけど、夕食を食べながらだったから、聞いているようで聞いていなくて、お店のBGMのようになっていました。 番組ももう終わる頃に、その歌は流れました。 しっとりとしたムーディーな旋律と甘い歌声。 耳に飛び込む言葉が、いつかの私をクローズアップするかのようでした。 その歌について、歌のタイトルや歌っている歌手の方が誰なのかくらいはわかるものの、Aメロあたりは何とな

          6月の誕生日|詩

          重く広がる雲 厚く覆い被さって 簡単には取り払えそうもない 閉じ込められているような感覚 世界はどこまでも灰色だ 何も入れなかった世界に まっすぐひと筋の光が入る 世界が光に満ち 喜びに包まれる 光は時間をかけて 遠い岸のわたしにも届く まぶしくて どこまでも清らかだ 生まれて来てくれて ここを選んでくれて ありがとう 光に満ちた世界 それは あなたがいる世界

          6月の誕生日|詩

          におい|詩

          あの人と真夜中の街を 相合傘をして歩いた ふたりで歩いていると 不思議と はじめて歩く街とは思えない 人目を気にせずに歩いた 雨がわたしたちを隠してくれている 少し濡れて しっとりと冷たいけど そんなことは構わなかった 半分 夢見心地で 心がくすぐったい しっとり 甘い夜だった 夜が明けると わたしはひとり あれは 夢だったの? 昨日着ていた花柄のシャツを手に取る あの人のにおいがした 夢ではなかったのだろう あの人の髪や体 あの人が吸うタバコ それに わたし

          脱衣所の鏡|詩

          毎夜、毎夜、脱衣所の鏡を覗く。 覗くというより、覗き込んでいる。 そこには、綺麗なわたしがいつも映る。 楽しく飲んだ日、嬉しいことがあった日ならまだしも、 落ち込んでいる日も等しく、綺麗に映る。 楽しく、明るい日なんて少ない。 いつも何かと失敗して、何かに躓き、落ち込んでいる。 新しい人との繋がりを、わたしはカタチにして、 充実した関係にすることが出来なかった。 今日だって、このことでまだ落ち込んでいる。 それでも、今日も、わたしは綺麗に映る。 これからの時間、もう誰に

          脱衣所の鏡|詩

          はじめまして

          はじめまして、ヨシノ サオリと申します。 つぶやきのような、 詩のような、 物語のような、 エッセイのような。 どんなものを書いていくのかはまだ定まっていないのですが、 日ごろ声には発しない気持ちや思いを書いていきたいと思います。 子どもの頃は、離れた友人やお世話になった恩師に手紙を 書くのが好きでした。 中学生のときに、吉本ばななさんの『TUGUMI』に出会い、 ばななさんのファンになりました。 ばななさんに憧れて、中学、高校のときは、詩を書いたり、 小説にも挑戦しま

          はじめまして