【出版就活】一人で戦う就活生のための体験記 ②出版社を志望するということ
こんにちは!
25卒で出版就活をしていた吉野と申します。
詳しい自己紹介、エントリーした会社などはこちらの記事に書いてありますので、よければご覧ください。
早速ですが、今回のテーマは出版就活のスタート地点についてです。
まずは私が出版就活に取り組んだ理由(①)を、次にこれから出版就活に取り組む皆さんへ伝えたいこと(②)を書いていきます。
時間が限られている方は、自分が必要だと思う記事や項目だけ読んでくださいね!
①私が出版社を志望するまで
そもそもなぜ私は出版社に就職したいと考えるようになったか。
ここでは就活で聞かれる「あなたの志望理由は何ですか?」の答えではなく、本音を曝していきたいと思います。笑
実は私は、本当に漠然とですが、作家になりたいな、と思って生きてきました。
恥ずかしながら、小学生の時には既に何やら小説らしきものを書き始めて、ずっと人生の片隅に創作があったような気がします。
とはいえ、そんなに書くのが早いわけでもなく、大学を卒業してサラリーマンをやりつつ新人賞に応募して兼業作家を目指すぞ!と思っていました。
そんな私が作家ではなく編集者を志すようになったのには、いくつか理由があります。
理由1
1つ目は、物書きにそれほど適性がないことに気付いたからです。
コロナ禍などで時間が有り余っていたため、私は大学1~2年生の頃に小説を1本書き、新人賞に応募しました。好きなものを詰め込んで書きたいものが出来上がったことに満足した一方、書き終えた瞬間は「もう二度と書きたくない!」と思いました。
結果は2次で落選となりました。が、特に惜しくもなく、私は職業にできるほど物書きにモチベーションがないような気がしてきたのでした。
理由2
2つ目は、世の中には確かに天才がいることに気付いたからです。
本を読んで、漫画を読んで、映画を観て、演劇を観て、心を揺さぶる作品に出会った時、「うわあ、天才だ!!」と頭を抱えた経験はありませんか?
私は日々エンタメに触れる中で、自分よりもずっと才能やセンスがある人の作品を楽しみたい、という気持ちが強まっていくのを感じました。
同時に、もっと多くの人に天才による作品たちを届ける一助となりたい、と思うようにもなりました。
また、作家になって自分の創作に向き合う時間と出版人になって作家の作品に向き合う時間は、同じ次元で語るべきではないかもしれませんが、出版人になった方がより多くの作品を世に送り出せると考えています。
(「天才」と言っているのは、一握りの誰か特定の人の作品にしか価値がないという趣旨ではありません。創作を経験したからこそ、シンプルに面白いものを生み出せる人、オリジナリティが飛び抜けている人、とにかく書き続けられる人など、私は色んな意味でカジュアルに「天才」を感じています。笑)
理由3
3つ目は、心底仕事をしたくなかったからです。
サラリーマンやりつつ新人賞を…などとぬかしていたいわけですが、正直なところ、自分がスーツを着て満員電車に乗って通勤しているイメージがありませんでした。
私はなぜだかひたすらに自由を追い求めて生きてきました。
仕事なんてしたくない!でも生きていくために、本を買うために、映画館に行くために、仕事をしなくてはいけない。この葛藤の折衷案として湧いてきたのが「出版社で働くこと」でした。
出版社で働くというのも、お遊びなんかではやれません。一会社員として規則の中でビジネスに向き合うことでしょう。配属によってはスーツを着て満員電車に乗ることもあるかもしれません。
それでも、比較的自由な空気の中で、好きなものに関われる仕事なら、自分でも頑張れるのではないか、と強く思いました。
というより、興味がないことなんてできない!と思っていたので、逆にエネルギーがあった気がします。意地でも興味がないことに力を注がないために。笑
そんなこんなで、私は出版就活を目指すようになっていきました。
ちなみに、本が大好きなのはずっと変わらず自分の根底にあります。大大大前提で、わざわざ語る意味もないかな、と思って、どれだけ好きかみたいなのは書きません。ページをめくって没入する時間の虜です。
志望理由も、究極的には「物語が好きだから」かもしれません。笑
②これから出版就活を始める方へ
①で書いた通り、私が出版就活を意識し始めたのは大学生になってからでした。
中高生の頃から「絶対編集者になる!」と出版社を志している人もいます。目標への道筋として、大きな出版サークルに入って雑誌を作っているような話を聞くと、なんて計画的なのだろうとびっくりします。
もちろん、そういう方はぜひ経験や情熱を強みにしてください!経験があって悪いことは一切ないというのが持論です。
一方で、もしも私と同じように就活を目の前にして初めて出版社を考えている方がいれば、全然問題ないですよ!とお伝えしたいです。
私も現状ただの大学生ですが、冷静に考えてみると、新入社員がみんな同じような経験を持った同じような人たちだと、きっと会社ってうまくいかないですよね。特に出版社は入社時点で何か資格や特殊スキルなどが求められているわけでもないですし。(もしかすると、一部ジャンル特化型の企業などは、そういったものがあるかもしれません!)
私だけでなく、出版社に就職する(した)知人友人も、これまで出版とは何のかかわりもなく生きてきたような人が結構いるので、その点は何の心配もいりません。
出版社を志望する上で一番重要なのは、これまでどうだったかではなく、今本気で出版就活に挑めるかどうか、だと思っています。
出版は倍率が高いと聞いて、はなから運任せにするのはおすすめしません。
「なんとなくエントリーしてなんとなく通過してなんとなく内定出ちゃった~!」
こんなパターンも、確かにあります。毎年何人もの就活生がこのノリで内定を得ています。
ですが、もしもこの記事を読んでくださっているあなたが、本当に心から出版就活を成功させたいと思っているのであれば、こうした「なんとなく内定」にはできるだけ希望を持たないでいてほしいです。
エントリーした1社目が一番入りたい企業で、内定がもらえたら、それはすごく素敵なことだと思います。本当におめでたいことだと思います。
ですが、就活生の中でそんな形で就活を終える人はほんのわずかです。
多くの人は最低限やりたいことと擦り合わせつつ、何社もエントリーし続けるでしょう。私もその1人でした。一発で決まるような楽な就活ではなかったからこそ、この記事を書いています。
実際に出版就活に取り組めば感じられますが、出版社は1社エントリーするだけでもすっっっごい大変です。
後々ESや課題について詳しくまとめますが、1社エントリーするのにかかる労力は、他業界に比べてかなり大きいと思います。(私はメーカーなども何社かエントリーしたのですが、出版社にいくつも出した後だと、あまりにも簡単にエントリーできて驚きました。笑)
重たいESも課題も面接も、「なんとなく」という感覚で通っているならば、それは本当にその企業にマッチしていると言ってもいいと思います。
つまり、本当の意味で「なんとなく内定」など無いのです。
全員必ずあのESを書き上げ、何度も何度も面接を乗り越えているのです。
出版業界の倍率が高いというのは疑いようがありません。毎回の選考でごっそり落とされていきます。
基本的には、何時間、ともすれば何日もかけて書いたESで簡単に落とされ、何を判断しているのかよく分からないテストで落とされ、話が盛り上がったと思った面接で落とされ、なおも続けねばならないのが、出版就活です。
それでも「絶対にどこかに自分と合う企業がある!」と強く信じて、エントリーを続け、面接を続けられるかどうか。
個人的な意見ではありますが、私はこの忍耐が何より肝心だと思っています。
書き続けたESも、積み重ねた面接も、いつどこで花開くきっかけになるか分かりません。蕾のまま諦めてしまったら、絶対に花開くことはないです。
とはいえ、内定をもらった人間の結果論なんて…と思いながら読まれている方もいることでしょう。
(ちなみに、私が内定者の体験記を読む時はいつも思っていました。笑)
確かに私はたまたま運よく内定をもらえたのかもしれません。
正直、面接官との相性みたいなものは、絶対にあると思います。
ただ、特筆すべきなのは、私は自分がなんとなく拾ってもらえるような学生でないと最初から確信していたことです。
特別な経験なんてない、留学したこともない、英語も話せない、スポーツに熱中したこともない、客観的に見て面白いところなんてない。本当に何の変哲もないただの大学生です。
そのことを自覚していたからこそ、その瞬間その瞬間にやれることは全力で取り組みました。
出版就活で無双できる武器がない人間であっても、本気で挑むということだけは武器にできるのです。
改めて、出版社を志望する上で一番重要なのは、これまでどうだったかではなく、今本気で出版就活に挑めるかどうか、だと思っています。
言い換えれば、しっかり準備をして絶対に諦めずに挑み続ければ、運任せなどではなく、自力で引き寄せることができるはずだと、私は信じています。
ESは重たいと言いましたが、とりあえず応募要件を満たすだけなら簡単です。つまり、倍率は確かな部分もある反面、エントリー総数は見せかけの部分もあります。(出版社は知名度が高いので、他業界の片手間で受ける人、記念受験のモチベーションで受ける人も多いということです。)
どこの誰かも分からない私が書いた記事を見つけ出し、こんなに細かい部分まで読んでくださっているあなたであれば、きっと覚悟を持って出版就活に挑めると思います。
どうかその熱意を軸に、出版就活のスタート地点に立ってほしいなと思います。心から応援しています。
今回はかなり精神論的な内容になってしまいましたが、具体的に取り組む方法、私がやり切れなかったことへの反省、運任せにしない対策などは、今後記事にしていきたいと思っています。気になる方はぜひご覧ください!
おまけ 『空色勾玉』のすすめ
小学生の頃からとにかくファンタジーが好きでした。
未知の世界、どこか遠い国、不思議な力を持つ人たち、もしかしたら自分も行けるかもしれない場所——。
たくさんの夢を見せてくれるファンタジーですが、有名作品は海外のイメージが強かったり、ギリシャ神話や北欧神話がベースだったりします。
そこで、日本が誇る傑作ファンタジー『空色勾玉』です!
主人公は古代日本に生きる少女。
人と神との交わりが幻想的かつ現実的に描かれ、まるで新たな神話を垣間見ているような気分になります。
日本の古代神話にも、こんなに可能性が詰まっているのだ!と圧倒されること間違いなしです。
荻原規子先生の作品はいずれも芯の強い少年少女が活き活きと進んでいくお話で、何歳になって読んでも心からワクワクしますし、元気をもらえますね。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
ではまた次の記事で!
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