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畑日記 ニートタイムは柔軟に

家庭菜園とはいえ、畑仕事をかなりサボってしまっていた。(仕事と言うから億劫になるのかもしれない)
畑の半分には春先に小松菜やチンゲン菜、それから人参の種をまいていたし、あとの半分はホームセンターで購入した夏野菜の苗を植えるだけだったので、なんか悠長に構えてしまっていた。

ニートなので時間が有り余っているが、多分、時間を有効活用しよう!という概念が元々ないからか、よくだらけてしまっている。
でももうさすがにやらないと。今育っている野菜に虫が付いているし、夏野菜のポット苗も買ったときより伸びている。すごいなぁ。いのちだね。

ちょっと作業をするだけだが、化粧をする。なぜなら気分が上がるから。何もないけど、まつ毛メイクはなんだか気合が入る。髪を適当に束ねて、黒いキャップを被る。

この頃日中はまるで夏の陽気だが、幸いこの日は曇り空で吹き抜ける風も涼しかった。
予報では昼過ぎから雨が降るらしい。それまで畑をやろう。

とりあえず、小松菜とチンゲン菜に付いている害虫の駆除にあたった。既に所々食われていて、葉っぱにポツポツと穴が空いている。もはやそういうアートっぽく見える。
暖かい時期はとにかく芋虫の被害がすごい。こういうのを防ぐために、何かしら散布した方がいいのかもしれないが、めんどくさい、が先に出てきてしまう。こんなに時間があるのに。我ながら情けないと思う。
葉を手で優しく払っていく。すると、葉にしがみついていた芋虫がコロコロと丸まって地面に落ちる。落ちた所を指で潰す。
虫は好きなので、わざわざ殺すのは少し抵抗があった。でも悲しいかな、そんな情も虫を潰すごとに薄れてくる。自分も食料を育てているので、食われてはたまらない。完全に慣れて、それは“作業”になってしまった。
それからついでに間引きもしておいた。小松菜とチンゲン菜、それと人参も隣同士窮屈そうだった。これらはベビーリーフとして、畑仕事のあと昼食のラーメンに入れて頂いた。

小松菜とチンゲン菜は馴染みがあるが、そういえば人参の葉って注意して見たことがないし、あんまり食べたこともない。
間引きした人参の葉を観察してみる。細かくて、フサフサと柔らかそうな見た目がかわいい。食べてみると爽やかな芳香が鼻を抜ける。さすが、パセリと同じセリ科なだけある。30歳のニートでも、結構学べることがあるね。

昼食を済ませた頃、雨が降り始めた。潔く、午後からの作業は中止とした。
夏野菜の植え付けまでできていないのが心残りだが、雨に濡れてまですることでもない。
晴耕雨読。時間が有り余っているので、読みかけの本を読んた。
これはなかなか、時間を有効活用できたんじゃないかな。

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