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佳野
2021年10月26日 02:40
今年に入って何度目かの診察を終えて、症状の進行を遅らせる為の薬と鎮痛剤を処方された。「症状は確実に進行しています。このままのペースだと数ヶ月の内には変異が著しくなるかもしれません。」「そうですか、」「今はまだ痛みも少ないようですが、念の為鎮痛剤も出しておきます。何か気になることがあればいつでも受診に来てくださいね。」優しそうな若い先生はそう言って、カルテを置く。またなにか言おうと口
2021年10月8日 00:52
ジリジリと時計が鳴る。午前6時30分。あのまま眠ってしまっていたらしい。テレビもエアコンも点いたままで、乾燥してしまったのか喉が痛い。リモコンを手に取ってエアコンを消してベランダの窓を開けると、薄暗い街から冷たい風が吹いて頬を撫でた。テレビ画面の向こうではアナウンサーが笑顔で手を振っている。「さむ……。」こんなに寒いならエアコンを消したのは間違いだったかもしれない。窓を閉じてコーヒーを入