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【読書のきろく】小説家という職業

図書館で見かけて、手に取った本。
予約していた本が届いて、受け取りに行った時のことです。これもめぐり合わせだなと思いました。

作家の森博嗣さんが、「小説家になるためにはどうすればよいか」、「作品を書き続けていくためには何が必要か」、「小説家としてお金を得るとはどういうことか」、について、ご自身の体験や業界の様子をふまえて語られている本です。

この本のおかげで、今まで小説家に対して勝手なイメージを持っていたことに気づくことができました。

・大学の文学部や文章講座で、書き方を学ばなければいけない
・たくさんの小説を読み、時には書き写さなければならない
・最初にあらすじをしっかり固めないと書けない
といった感じで、どちらかと言うと今の僕が持っていないもの。
だから、僕にはまだ小説を書くのは無理なんだと思っていました。創作の物語を書いてみて、満足した部分と力不足にショックを受けた部分があったから、余計にそう思っていたのかもしれません。

僕の思い込みも、ある部分では正解だと思います。でも、それに囚われる必要はないんだと教えてくれました。
『小説は自由なものである』『小説家になりたいなら書く!』と、繰り返し語られています。

「ただ、たくさん読むだけで満足なのか?」
「書きたいのか?」
「仕事ととして、書けるようになりたいのか?」
読みながら、そんな問いかけがたくさん降ってきた気がします。

読んでいて、気持ちがワクワクしたのは、『視点』の大切さを語られている部分。

シーンのどこを見るか、どの順番に描くか、誰の目を通して見るか、どの時間へシーンを飛ばすか、といった類のことで、最も際立つのは、一つの文章の句点の次に何を書くのか、という選択をする瞬間だ。この一瞬に「視点」がすべてを決める。
>小説家という職業 p.167より引用

頭の中にぼんやりと存在していたものを、目の前に表現してくれた気がしました。

どんな視点で、日ごろの自分が周りの世界を観ているのか、改めて見つめ直すのも面白そうです。映像として目に映るものだけでなく、五感のすべてと、その時の思考や呼吸も含めて。

小説、書きたくなりました。

読書のきろく 2020年49冊目
「小説家という職業」
#森博嗣
#集英社新書


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