こころの声を聴く【読書のきろく】
誰かの話に耳を傾けながら、心が動き、読みたい本がまた増える
河合隼雄先生と、作家や詩人、医者、学者たち10人分の語り合いが詰まった一冊。ちょうど読み終えたばかりの遠藤周作さんの名前もあり、積み上げた本の中から取り出しました。
各対話は、それぞれどちらか一方の著書を中心に話が進みます。本題に入る前、まえがきの位置にある「読書のよろこび、語り合うたのしみ」が、すでにおもしろい。
『「オモロイ」こと』、
『読むこと』、
『語り合うこと』、
『書くこと』、
『再び、読むこと』、
の順に河合先生の考えが並んでいて、まだ中身が見えていないこれから繰り広げられる対話が、どんなにオモロイかと期待が高まります。対話を楽しめるのは西洋よりも日本である、と示されていることにも嬉しくなりながら、ページをめくりました。
物語について語り合いながら、心の世界が解き明かされていく感じです。作家が物語を書くときの感覚みたいなものにも触れられていて、だからその物語に感動するんですね、と言いたくなります。
と同時に、ふと出会う偶然や、誰かと話している時のひらめきみたいなものが、僕たちにどんな影響を及ぼしているかも見せてもらって、いろいろ得した気分です。
乱暴にまとめると、物語の世界に入り込むことで、癒されたり気づきを得たりできる。人それぞれが持つ物語が共鳴して、生きることを感じられる。
ひとつひとつの対話が盛り上がるもんだから、読んだことがある本は頷きながら聞けるし、まだ読んだことがない本はその世界に触れたくなります。
こうやって、読みたい本がまた増えるのです。
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