過ぎ去り時を求めた日々【わたしのゴールデン】

「いけー、ベギラマだー」
「よっしゃーー！倒したぞー！」
「うわー、つうこんの一撃！」
「耐えたぞ、ベホマー！間に合ったー！」

画面の向こうに広がる異世界へ、親子で旅に出る。仲間を集め、モンスターを倒し、経験を積んでレベルを上げながら次の街へ。魔王を倒して平和を取り戻す、その時まで。

今、我が家ではドラゴンクエスト、通称ドラクエが大ブレイク中。ちょっと前からアニメで『ダイの大冒険』が放送されており、僕自身がドラクエ好きなのもあって、親子でゲームを楽しんでいる。子どもたちもそれぞれが気になるタイトルで遊びつつ、僕がやる時には周りにみんなが集まって、あっちだこっちだと言い合いながら白熱した冒険が繰り広げられる。

昔のタイトルのリメイク版もやれるのが楽しいと思っていたら、去年から今年のゴールデンウイークの期間だけで、６タイトルやっていることに今気づいた。ちょっとびっくりだ。

ちなみに、こんな感じ。

僕：Ⅳ→Ⅶ→Ⅷ
長男：Ⅸ
次男：Ⅴ→Ⅺ

長男がサブタイトルも気に入ってるので、表記を変えてみよう。

僕：「導かれし者たち」→「エデンの戦士たち」
　　　→「空と海と大地と呪われし姫君」
長男：「星空の守り人」
次男：「天空の花嫁」→「過ぎ去りし時を求めて」

個人的には、次男が夢中になっている様子がおもしろい。
ラスボス直前で放置していたⅤを久々に引っ張り出して、ミルドラースをついに倒したのが5月1日。エスタークに挑戦するならキラーマシンを連れていきたいと戦いまくって、ついにロビンを仲間にした。その勢いでスライムベホマズンも仲間にしたところで、いったん満足したらしい。新たにⅪを始めた。
Ⅴをやり始めた頃はいろいろとアドバイスしていたから、また教えてやらなきゃと思っていたら、今度はなかなか話しかけてこない。自力で謎を解き、どんどん進めている。攻略本にも攻略サイトにも頼らずに楽しんでいる姿を見て、なんだか成長を感じてしまった。

次男は、小学5年生。思えば、僕もそのくらいから、ロールプレイングゲームにハマり始めた気がする。その頃はまだ家にゲーム機がなく、従兄弟の家にあるファミコンでたまに遊ばせてもらっていた。週末ごとに、少しずつ進めていたのがドラクエⅣ。あの頃は、まだ戦闘シーンの背景は真っ黒だった。
中学生になってスーパーファミコンを買ってもらった。クリスマスプレゼントに、本体とマリオカートのセット。そして、小遣いをためて自分で買ったソフトが、ドラクエⅤ。主人公の幼少期から始まり、結婚を経て、我が子と共に魔王を倒す。
自分が子どもの頃に冒険した世界に、次男がまた平和をもたらしてくれた。そう思うと、何かを託したような気にもなる。

次男がひとりでやれているから、僕は安心してⅧを始めた。PS2版だから準備が少しめんどくさいけど、テレビ画面でみんなで楽しめる。ただ、機種が古いから、たまにディスクの読み込みに失敗する。何度もエラーが続いて、読み込みまでに30分かかったこともある。ようやくタイトル画面に切り替わった瞬間には、みんなで安堵のため息をもらした。・・のに、少し進めてからぼうけんの書に記録したとき、まだ続けるかの問いに間違って「いいえ」と答えてしまった。あわてて電源を入れ直したら、またエラー画面。そこからゲームの再開までにまた30分かかり、結局1時間も真っ黒な画面を見続けてしまった。
なんて無駄な時間なんだろうと悲しくなったけど、それ以降、スムーズに起動できるたびにみんなで喜びあっている。ゲームが始まるだけで喜べるのも、悪くない。外出を自粛したゴールデンウイークだからこその体験と言えそうだ。

ゲームをプレイしていない時間は、「次のドラクエが発売されるなら、どんな設定がいい？」の妄想で盛り上がっている。
転職はできるか、モンスターは仲間になるか、フィード上にモンスターが見えるか見えないか、アイテムの錬金や鍛冶はできるか、サブタイトルはどうするか、などなど。

高校生の長男は、ゲームの仕組みにも興味を持っている。攻撃力と防御力で、どうやってダメージを算出するか、自分なりの考察を語ってくる。攻撃力の半分と防御力の4分の1の差が基本かな、とか、いつも同じ数値じゃないから乱数をかけてるはずだよね、とか。属性の効果も関わってくる、とか考えるのがおもしろいようだ。

今年のゴールデンウイークは、買い物とちょっとした外出以外は、ほぼ家で過ごした。ゲームのプレイ中も終わってからも、僕らを盛り上げてくれたドラクエ。
そんな体験が、プライスレス。・・・あ、間違えた！

そんな体験が、ゴールデン。

◇

毎週テーマを決めて共同運営を続ける日刊マガジン『書くンジャーズ』。
今週のテーマは、【 わたしのゴールデン 】でした。

これを書き終わってまたドラクエの続きをやろうとしているのは、土曜日担当の吉村伊織（よしむらいおり）です。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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史上最書マガジン【書くンジャーズ】｜タカハシケンジ😁「めいじん」というあだ名の採用担当｜note

それではまた、お会いしましょう。