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人間失格

まだ読んでなかった文学作品を読もうシリーズ。
前回の、夏目漱石『こゝろ』に続いて、今回はこちら。太宰治の作品で中身を知ってたのは、『走れメロス』くらいでした。

この年になって初めて読むこの作品。
重い内容で、きっと若い頃だったら読めていないでしょう。今も、すっきり消化できたわけではないけど。

主人公は、太宰治本人がモデルになっているようです。
本に載っていた年譜と照らし合わせると、その人生の激しさが分かります。少年時代から心の内側に抱えていた、ネガティブな部分の影響も大きそうです。建前と違う本音、人に知られたくない卑屈な部分、相手の反応を気にして振る舞う演じられた自分、苦悩や葛藤、・・・。
ただ、おもてにどう出るかの違いはあるにせよ、これらの感情は誰もが持ってるように思います。
そんなものだけを凝縮したら・・・?、という問いに対する答えのひとつが、この作品なのかもしれません。だからこそ、歴史に残る作品になっているのではないかと感じました。

特に、少年期の心の動きには、考えさせられるものが多かったです。
もしこれが太宰治の実体験ではなかったとしても、架空の物語だと突き放せない迫力がありました。

深く深く、自分の心と向き合いたい時に、手に取りたい作品です。

読書のきろく 2020年35冊目
「人間失格」
#太宰治
#角川文庫


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