人の心はどこまでわかるか【カウンセリングスキル】
こんにちは。吉村伊織です。
あなたは、『人の心』って分かりますか?
名刺交換などで自己紹介をするときに、「カウンセラーです」と伝えると時々言われることがあります。
「カウンセラーさんって、人の心を読み取ることができるんでしょ?」
「私の心も見透かされそうでこわいです~(笑)」
心の勉強をして、カウンセラーの資格を取るようになったとき、先生からはこう言われました。
「カウンセラーですって自己紹介すると、人の心を読み取ることができるんでしょ?って言われることがあるかもしれないよ」
今のところ、僕が確信を持って言えるのは、
「人の心は、わかりません。」
ただ、
どう感じているか、どう思っているか、どんなことを考えているか
には、とっても興味があります。
これは、カウンセラーの勉強をしながら教わったことであり、日本のカウンセリング・心理療法の草分け的存在である河合隼雄先生(1928年-2007年)が言われていることです。
河合隼雄先生の著書には、タイトルそのままの一冊があります。
一部を引用させてもらうと、こう書かれています。
人間の心がいかにわからないかを骨身にしみてわかっている者が、「心の専門家」である、と私は思っている。そのわからないことをそのままに捨ておかず、つねにそれに立ち向かっていなくてはならない
・・(中略)・・
これに反して素人は「わかった」と単純に思いすぎる。というよりは、「わかった」気になることによって、心という怪物と対峙するのを避けるのだと言っていいだろう。
■2000年 講談社+α新書
河合隼雄 著 『人の心はどこまでわかるか』p.6 より引用
分かった気になって避けているんだ、という一文も心に刺さりますね。
また、河合隼先生は、
「人の心は分かりません。分からないから、聴かせてもらうんです。分かりたいから。」
とも語られています。
僕もそのまま受け継いで、この軸からは絶対にズレてはいけないと思いながら過ごしています。
この教えがあるので、僕が誰かに「私の心も見透かされそう」って言われたときには、
「そう思われる方も多いですけど、僕は分からないっていうスタンスで仕事させてもらっています。カウンセラーの大先生だってこう言われてるんですよ・・・。」
と、河合先生の話をするようにしています。
「人の心はどこまでわかるか?」
に答えをつけるとするなら、
「分かりません。だから聴くことが必要になります。」
最近は、メンタルヘルスやカウンセリングの研修だけでなく、子育てや夫婦のパートナーシップをテーマにした研修や講演でもこの話をするようにしています。
「言わなくてもわかるやろ」を捨てましょう、と。
職場の仲間や、夫婦や親子といった身近な間柄では、過ごす時間が長くなるほど「言わなくても分かってほしい、察してほしい」という気持ちが強くなりがちです。
長く一緒にいれば、雰囲気から感じ合えるものはあると思います。一致する確率も高くなるでしょう。以心伝心という言葉もあるくらいですから。
でも、そこに甘えないことが大事です。
大切な人との心をつなぐカウンセリングスキル。
その土台となる問いが、
「人の心はどこまでわかるか」
です。
何度も繰り返しながら、大切な人に接していきたいですね。
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これからも、どうぞお付き合いよろしくお願いします。
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