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あなたが私にくれたもの、ネッシー言葉でわめく人。

いまだに見返してはヘラヘラ笑ってしまう動画がある。

昔、大学の先生が
「橋本さんこの動画、どう思いますか?」
と、目の前で動画を再生してくれた。

それがタイトルにある、
ネッシー語で書かれた文章の朗読であり、
下記の動画である。

音量が想像の2倍くらいなので再生するときは注意してほしい。

僕は正直「ワロタ」としか思わず、
ヘラヘラ笑っていた。
それを見て先生も笑っていた。いい思い出。


「このネッシーはどういうことを言っているのだと思う?」と先生。

「ネス湖に近づいた人間にびっくりして、めちゃくちゃ動揺しながら怒り狂っているように聞こえました。追い払っているような印象もあります。」

「じゃあこっちのバージョンも聞いてみて。作者本人の朗読よ。」

(おぉ...さっきの変人はなんだったんだ......)

「この読み方だと、怒っているような印象もありつつ嘆いているように聞こえます。やり場のない怒りなのかもしれません。」

「歌い方によって解釈が変わるのは、当たり前だけど面白いよね。」
「誰も意味がわからないから、みんな異なる歌い方をするのよね。」

なるほど、そういうことを言いたかったのですね。
先生。

人の妄想によって生まれたネッシーの、
そのまた言葉が生み出されたあと、
読者がそれぞれのネッシー像を通して、
言葉(朗読)を解釈するというのが、
面白いのだろうか。

たしかに僕の頭の中には
人間に怒っている
絶滅危惧種の哀れな生物ネッシーが、
生まれていた。


それは朗読の勢いで判断したからだが、
そもそも、
人間が怒っているときの口調と
ネッシーが怒っているときの口調が
似ているということさえ
僕の勝手な思い込みにすぎない。
本当はめちゃくちゃうれしかったのかもしれない。

帰りの小田急線の中でそんなことを思いながら、
ニコニコしながら"怒声"をあげるネッシーを思い浮かべた。

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調べてみると、
この詩の作者は、
ネッシーの故郷ネス湖があるスコットランドの、
代表的な詩人らしい。

ネッシー語は
スコットランド語にちょっと似ているともあった。

スコットランドなまりでググると、
「スコットランドなまりで天気予報」
的な動画が出てくる。

くぐもったrの発音とか、ッフッみたいな息づかいは、
たしかにちょっと似ている。

イギリス周辺は、
スコットランド、イングランド、アイルランド、
と民族性が強いから、
「ネッシーはスコットランドの同志だ!」という
仲間意識、民族意識を強く持っていたのかもしれない。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

調べてみると、
スコットランドの国獣(国を代表する動物)はユニコーンだった。
スコットランドでは幻獣が渋滞していました。

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おわり


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