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『自分の人生を生き抜く度胸。』

JR大阪駅、御堂筋口を出た横断歩道前、

友達は僕にそう言った。


僕は高校卒業後、1年浪人してから大学に進学した。

友達は現役で大学に進学していたが、就職浪人をしていて僕と同時期に就職することになっていた。

僕と友達は幼稚園から一緒で、小学校で別れ、中学校で再開した。

僕は友達のことをあまり覚えていなかったが、友達から声をかけてもらえて嬉しかったことを覚えている。

友達は行動力のある奴だった。

バンドをしたり、アルバイトをしたり、セミナーに行ったり、イベントを企画したりしていた。

僕と似て不器用なところはあったが、友達は自分に正直にやりたいことをやっていた。

それと比べて僕は、親の言う通りに生きてきた。

親の言う通りに受験して中学校に入学し、そして大学生になった。

社会人を目前にして就職活動が始まり、いよいよ自分で進路を決めなければならなくなった。

ポンと池に落とされたような気がした。


大学を卒業したら就職活動をして企業に就職する。

そんな当たり前は誰が作った?

疑問を抱えながらも、

「社会に出て稼いでみたい」

そう思って就職活動を始めた。

就職先は親元を離れることが出来る東京を選んだ。

自立したかったからだ。


自分で就職先を決めたものの、初めての決断んで不安でいっぱいだった。

自分一人で生きていけるだろうか?

会社に馴染むことはできるだろうか?

そんなことを友達に話したと思う。

『自分の人生を生き抜く度胸。』

友達は僕にそう言った。

自分の人生は自分で決めることが出来る。自分で選択して進めばいいのだ。

ただし、自分で選択したからには自分で責任を持つ必要がある。

失敗したらまた出直せばいい。

人生に正解なんてない。

必要なのは”度胸”。

『自分の人生を生き抜く度胸。』

当時僕はまだ22歳、人生はまだまだ長い。

決められた道を進むだけでいいのか?

いつまでも親は生きてはいない。

いつかは自立しなければならない。


当時の僕に足りないものを一言で教えてくれた。

今でも迷った時に思い出す。

君のことばに救われた。

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