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米国発前川のニュースレター

いつも前川のニュース・レターを読んで頂き、ありがとうございます。
この写真は前回日本に行った時に参拝した松陰神社の写真です。
1882年の11月に、嘗ての門下生が相談して毛利家の所領であった
世田谷の地に創建されました。今の世界は幕末の時代に似ていますね。
当時の世界はウクライナのクリミヤ戦争、中国のアヘン戦争、米国では
南北戦争が起こっていました。
当時の覇権国であったイギリスがすべての戦争に絡んでいました。
 


本日11月6日のニュースレターをお送りいたします。
 
【株式・為替市場の動き】
先週はダウ工業株が1,600ドル以上上昇しましたが、本日は米国債の下落を受けて、上昇に重しが掛けられたようです。
結局34.54ドル値上がりして34,095.86となりました。9月20日以来の高値でした。
FRBの利上げ終了の観測と、労働需要の緩和、失業率の上昇やインフレが後退したことを思わせるデータの発表を市場が好感した為です。しかし、これは米国経済の減速になりますので、一本調子の値上がりとはなっていません。ナスダック、S&P500も上昇して終わっています。為替相場は本日の米国債の利回り上昇、日本の10年国債の利回りは下落、日米金利差が広がり、149円台だったドル円相場が再び円安に動いて150円05銭となりました。
 
 
【不動産・住宅ローン金利動向】
不動産市場における中古住宅の在庫は引き続き下がり続けておりましたが、トンネルの先に明かりが見えてきたような状況だと考えられます。失業率の上昇、企業業績の先行きを見ても景気減速が徐々に明らかになり始めてきています。その為、先週金曜日には米国10年国債の利回りが大きく下落し、ローン金利もそれにつれて下落しました。30年固定で7%前半で、6%台も見えてきました。外国人ローン金利も下がってきました。
 
米国の人口動態調査で面白い動きが出てきています。小さな街の人口が減少してゴーストタウン化している街が多くみられます。全米39の街で人口10人以下となっています。ミズーリ州のCorningでは人口が95%減少して15人となっています。人口減少が激しい街のある州はミズーリ州、オクラホマ州、ノースダコタ州、ネブラスカ州、アイオア州、ルイジアナ州です。大都市でも人口減少しており、全米の人口分布が徐々に変わり始めています。西暦2100年にはロスアンゼルスは全米7番目の都市になるとの予想が出ています。全米最大の都市はテキサス州に集まりそうです。
 
現在、米国人の半数が今は家を買うタイミングではない、3分の1がとても家の値段が高くて、ローン金利が高いので買えないと言っています。
確実に金利が下がり始めない限り、現状は続くでしょうから、全米の家の購買意欲は当分減退し続けるでしょう。FRBは今のところ、金利を今の水準で当分維持するとの考えですので、何時金利を下げて、金融市場の引き締めを止めるかは、景気の動向に掛かっています。不景気がきているのを市場が認識した時に金融引き締めが終わり、金利が下がり始めます。ただし、FRBの政策金利の動きは住宅ローン金利と同じようには動きません。ローン金利は米国10年国債の利回りにほぼリンクしています。故に、国債に人気が出てくると国債購入者が増えて金利が下がります。またFRBが米国債を大量に購入したらまた国債の金利が下がるのです。一番あり得るのは、景気後退です。景気後退が大きいと、株価が下落して、元本保証の国債の人気が出ます。また、FRBが景気刺激策として長期金利(10年国債の利回り)を下げるために、国債の買い入れをすれば金利が下がります。このように、政策金利とは別ですが、景気がいい時には、収入も上がり、高い金利でも国民はその金利分を収入が増える分で吸収できる力が出てきます。高金利がでも社会が回り、住宅の売買も盛んに行われます。 また、米国では人口増加以前ほどでもなくなりましたが、昨年は0.4%人口増加しています。毎年、学校を卒業して独立する子供がいますし、また移民も増えていますので、住宅需要はこれからも増え続けます。しかし、現状では彼らは家が買えません。よって、家のレント需要が増えてきます。レントする家の不足している街ではレントが上がり、供給の多いところでは現状維持か、やや上がると言う動きになりそうです。
先週金曜日の雇用統計を見ると、失業率が増えてきて、労働市場が軟化してきたと市場が意識し始めました。この動きは12月も続くと思われます。年末商戦で、臨時雇いの雇用が増えますので、若干の上昇がみられるかもしれませんが、年末商戦の予想は例年より悪いと出ていますので、逆に景気後退が意識されるかもしれません。そうなれば、10年国債の利回りは下がり、ローン金利が更に下がり始める好循環に入ってゆくでしょう。
8月のReal House Price Indexで最も不動産価格が上がった街ベスト5が発表されました。
1.       San Diego(32.7%) 2. Cincinnati(32.7%) 3. Hartford, Conn(32.1%) 4. Boston(31.2%) 5.Indianapolis(30.2%)
景気後退とローン金利下落が不動産を買いやすい状況にしてくれますので、今後に期待です。 値段が上がり過ぎたところは下落も大きいので要注意です。
 
【経済の動き】
先週から今週の経済の動きは何と言っても米国債の利回りの低下とローン金利の下落でしょう。雇用統計、雇用動態調査など予想外に弱くなっている雇用状況と、米国債の発行額が予想より低かったことも国債の利回りの低下に寄与しています。国債の発行額が大きいと、大口の国債購入者が必要で、金利が高くないと購入意欲が高まりませんので、市場の国債利回りが上昇します。また、雇用に関しては、市場予想より鈍化しており、求人は宿泊・飲食・サービス・小売りは伸びたが、建設、金融、輸送、倉庫で低下しています。飲食サービスなどでは、景気減速から収入が減っており、高い時給を払えない為、時給の高い業種に雇用が奪われることもあり、継続的な求人募集が必要となる。
それが、雇用の需要が強いということになってしまう。この所の雇用統計はやっと統計が実態に追い付き始めているという状況に見えます。インフレ率も家賃、中古車価格などインフレ率に大きな影響がある数字が実態に近くなり始めてきていますので、今後も徐々に下がり始めてくることが予想されます。
また、大口の解雇も発表されていますので、失業率もさらに増えると予想されます。カリフォルニアでは法律で大口の解雇は事前報告が必要な為、以下のデータが入手できました。
·         FedEx. 405 job cuts by 11/15.
·         Sonoco Products. 292 job cuts by 11/01.
·         Shaw Industries Group Inc. Plant WG. 283 job cuts by 11/20.
·         Matheson Flight Extenders, Inc. 257 job cuts by 11/13.
·         PLI Holdings, Inc. job cuts by 11/14.
·         LEER Group. 215 job cuts by 11/11
 
更に、デンマークの船会社マースクラインは1万人の従業員削減を発表、米国シティーグループは主要事業で10%の人員削減を検討しています。
 
次に、ドル円相場ですが、本日は今後を見据えたヘッジファンドの米国債売りが多く、金曜日大きく上昇した(金利は下落)国債が下がりましたので、ドル円相場は再び150円を越える円安に振れましたが、この国債の価格の下落(金利の上昇)は一時的なもで、大きな流れは国債価格の上昇、国債の利回りの下落ですから、ドル円も直ぐに再び150円を割って、140円台に入って行くと予想します。
日銀としては、長期金利(10年国債の利回り)をもう少し上げたいと考えている様で、そうなれば、ドル安、円高に振れます。円の金利が低いと、円で調達したお金でドルを買う動きがあり、ドル高を引き起こしますが、逆に円の金利が上がってくるとその動きが減ってきますので、ドルを買う動きが減ってドル安に動く可能性が高くなります。また、日本からの資金の供給が減るので、相対的に経済の動きがゆっくりになり、景気後退の方向に動いてゆきます。
 
 
 
【今週の???な国際ニュース】
米国の下院議会では、イスラエルへの軍事支援に絞った共和党の予算案を賛成多数で可決しました。総額で143億ドル(約2兆1,500億円)です。バイデンが求めたウクライナ支援は除外されました。しかし、民主党が多数派である上院に回ったこの法案は、否決されました。ですから、民主党はあくまで、イスラエル支援とウクライナ支援をセット法案を通したいと考えている様です。
ただし、ウクライナ支援は適切であると考えている米国民は43%から33%に激減してます。支援やり過ぎ、うんざりは41%で6月の調査から12ポイントも下がっています。
新たに 下院議長になったマイク・ジョンソンはウクライナ支援より、イスラエル支援が先と言っていますが、共和党議員の中には支援全廃を主張している議員もかなりいます。
議会の動きとは逆に、イスラエル支援よりパレスチナ支援をと言う動きが全米各地に広がっています。例えば、大学での抗議運動などが起こっています。
米国内でも意見がイスラエル支援とパレスチナ支援で大きく割れており、どちらが正しいと言いだせば、収拾がつきません。これも米国の分断となりますが、特に民主党の内部で分断が起こっています。バイデン政権でも、イスラエル支援とパレスチナへの人道支援を同時に行う様な話になっており、どちらともつかない動きになっています。米国の意見に従ってきた日本の政府もどちら側に立つのかを米国の顔色を皆が決めかねている状況のようですね。
ガザのイスラエルによる空爆もハマスのイスラエルへのミサイル攻撃、人質問題など、これは戦争ではなく、テロとしか言いようがありません。戦争は軍隊対軍隊でやるもので、国際法で決められています。米国など世界をリードする国がすることは紛争を止めさせることで、双方に支援して戦争を長引かせることではない筈です。また、イスラエルとハマスの戦いは米国民の幸せな生活と何が関係あるのか私には分かりません。ウクライナ紛争も同様です。 日本は多くの国民を虐殺された経験を持つ国です。世界に向けて仲裁案を出す権利は十分あると思いますが???
国連で何を決議しても、虐殺は終わらないのが現実です。
 
 
 
 
【豆知識】
世界最高齢の犬は?
 31歳で今年の10月23日に死亡したポルトガルのオスの牧羊犬でした。
人間と同じ食事をしていたそうです。

【今日の金利表】


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